久しぶりの完全休養日(と言っても大学の成績表をつけないといけないし、やるべきことはたくさんあるのですが)に、少しリラックスした気分でブラジル産の有機農法のコーヒーをDripして飲んでいます。
 明後日異業種交流会で講演をするのですが、その会の世話役の方がご自分でブラジルの有機農法で作られたコーヒーの販売会社を経営しておられて、講演のギャラ代わりにコーヒーを下さいました。彼に因ると「有機農法のコーヒーはブラジルの生産量の0.1%」とかで大変希少なものだそうです。確かに美味しい。
 また、「コーヒーの収穫は気象状況に大きく左右されるため、有機農法のコーヒーを安定的に確保するのは至難の業であり、農園の採算性も良くない」とのことでした。
 そこで思い出すのは、叔父(料理研究家の奥薗壽子の父親)の話。彼は有機農法の権威で、40年近くも前から農薬や化学肥料の人体に与える悪影響に就いて、色々な場所で説いて廻っていました。曰く「農薬や化学薬品の害によって、精神的に不安定な、所謂「キレル子供」が多く出て来る。」
 米国や中国では、広い農場で効率的に生産するために、化学薬品の使用量は尋常ではないし、専業農家の少ない日本でもそうした薬品に頼るところが多いのです。虫も食わないような野菜や農作物を食べて、健康に良い気はしませんし、抵抗力もつかないような気もします。(叔父と違って科学的な説明をすることは出来ないのですがーーー)
 「見た目や合理性よりも、より自然な食品の使用を私達一人一人が考え直すことが必要なのだ」と美味しいコーヒーを飲みながらしみじみ思いました。


山口実