「みんなに」なんて想えるほど、俺は出来ていない。

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小学生の帰る時間にも
お経を読むことにした。

お堂のとびらを
少し開ける。


「聞こえてるかー！
一人じゃねーぞー！」
ってめちゃくちゃに祈る

腹式呼吸なんて
あったもんじゃない


笑顔の下手くそな
あの子どもにだけ
届けばいい

あの子どもにだけ
届けばいい

「みんなに」なんて
想えるほど
俺はできた人間じゃねえ。

坊主失格。
あぁ、上等じゃないか。


下手くそな祈りと
下手くそな笑顔。

俺は、そういうのが好きだ
たまらなく好きなんだ

好きなものを
「好き」っていうのも、
わりかし好きだ。