「今の君には、たいせつなんだろう?」 | 坊主・落語 OFFICIAL BLOG

「君が、たいせつな用事って言うん
だ。よっぽどのことなんだろう?」
私は、先生が嫌いだ。
その優しい目が、大嫌いだ。
私がズル休みをするなんて
全く疑っていない。
ほんとに変な先生。
「先生、たいせつな用事だなんて
ウソに決まってるじゃん。」
先生は少し驚いた。
けどまた、いつものように微笑む。
「そのウソも、今の君には
゛たいせつ″なんだろう?」
私は、先生に背を向けた。
校門に向かった。
「先生はバカです、先生はバカです」
心の中で、何度も叫んだ。
私は、歩くスピードを上げた。
泣いてるなんて、
絶対に知られたくない。
あーあ、泣くだなんて、
いつぶりなんだろう。
いつもより夕陽が綺麗にうつった。

