思春期でほのぼの「香港の甘い豆腐」
- 大島 真寿美
- 香港の甘い豆腐
表紙に惹かれて読んでみましたが、よくある雰囲気の話でした。
思春期の女の子が父親を追って香港に行くという筋で、よしもとばななにも似た感じなのでぼんやりしたいときに読むには良いんじゃないでしょうか。字間もかなりありますし簡単に読めます。中学生くらいの時だったら丁度香港にもハマっていたから大好きになっていたかも。
ひとまず表紙を紹介まで。もっと綺麗に画像が出たらなぁ!淡い色なので是非手に取って見て欲しいです。
3回逃げ出した花嫁!?可愛いラブコメ「プリティ・ブライド」
- サラ パリオット, レスリー ディクソン, ジョサン マクギボン, オードリー ウェールズ, Sara Parriott, Leslie Dixon, Josann McGibbon, Audrey Wells, 高橋 結花
- プリティ・ブライド
- 「プリティ・ウーマン 」と同じ監督・主演俳優で撮ったという映画「プリティ・ブライド 」のノベライズ。3回結婚式から逃げ出した「ランナウェイ・ブライド」という設定はおもしろいと思ったのですが、それにつられてちょっと期待しすぎてしまったかも。でも主人公の逃げ出してしまう気持ちや、「この人なら大丈夫」という確信が揺らいだり、また固まったりの様子が丁寧に描かれていて、男役にムカッとしたりしつつも楽しめました。「一つ目の蛇」に大爆笑(下ネタ)。コメディらしく笑いもふんだんに散りばめられていて満足です。
映画を観た人も、映画の補足として読んでみてもいいと思います。あちらの小説は細かなディティールで人物の外堀を埋めていくのが上手なので、映画では読みきれなかった心情や映画で見る姿形や声以外の部分から人物がくっきりと浮かび上がってきます。私は映画を観ていないので逆にそちらを観てみようかと。
これだから青春ものって…「楽隊のうさぎ」
- 中沢 けい
- 楽隊のうさぎ
タイトルとあらすじに惹かれたのですが内容は……
こういう「子供の気持ちが分かってる、大人も子供も楽しめる青春物語☆」っていうのは好きじゃないんですよね。
文章からもどことなくそんな匂いがして鼻につきます。
良い所もないではなく、表現なんかはたまにおっと思うのですが。
びっくりしたのは携帯があるのにスーファミだかファミコンだかという言葉が出てきたこと。もしや登場人物はレトロゲーマニアか何かなんですか。
こういう間違いだと母恋旅烏 (荻原浩)がすごかった。作中に出てくるゲームが時代設定からしてスーファミより後なのは確実なのに、なんとふっかつのじゅもんがあるんです。
昔ファミコンで遊んでいた人ならご存知でしょう、ひらがなのパスワードを入力すればロードできるというシステム。ふっかつのじゅもんは初期だからまだ少ない文字数で(あれでも)収まったもので、現在のゲームでしようとすると約2万字から必要らしいです。このおかしさは実際ゲームをしていないと分からないんだと思いますが……母恋旅烏も青春系なので余計気にかかりました。もしかしてネタだったのかも知れませんが。一応この呪文が後で効果的に出てくることは出てくるので。
こんな重箱の隅をつつくようなゲーム関連の間違いを気にしてしまうのもどうかと思いますが、青春モノと豪語するならば出版の前に1人でもいいから子どもにも目を通してもらえばいいのにと思います。
スポーツで笑いと涙「クール・ランニング」
- ジェネオン エンタテインメント
- クール・ランニング
ジャマイカのボブスレーチームがオリンピックに出た実話を基にした映画。
結構昔の話で、アフリカ勢がボブスレーに出ること自体が初めてなので、周囲の人々やオリンピック委員会の人も勝てるわけが無いと否定的です。選手4人の中に裕福な家の息子がいて、彼のお父さんもくだらんことはやめろと連れ戻しにきたりします。白人の監督は元ボブスレー選手で、訳あって一度は追放された身。その事情を知る元ライバルが皮肉を言いに来たり、現役の選手も舐めてかかってきます。そんな逆境の中でボブスレーチームはどんどん成長し、見る人の度肝を抜きます。
最終的にはオリンピックで戦い、そして――という展開なんですが、ラストはどうにもナルっぽく見えてしまいました。勝敗ではなくてその後の行動が。実話なので(もしかしたらここは脚色なのかも知れませんが)こんなこと言うのは気が引けるんですけど…
詳しくは一応伏せておきます。
最後は陶酔してる感じが嫌でしたが過程はよく、熱い友情や真剣故のぶつかり合い、笑いも涙もあってオススメ。単純明快なストーリーの中で目一杯楽しめます。友情は暑苦しいくらいがいいという方には自信を持ってお勧めします!
ブキミアンソロジー「ブキミな人々」
椎名誠は私の中じゃもうこの人の書く小説ほぼブキミの印象です。漱石のは「硝子戸の中 」で読んでいて、単に失礼な人だと思っていたのですが言われてみたら確かにちょっとブキミかも。
乱歩はさすが。単に不気味というだけでなく、綺麗な中の闇、あるいは逆に汚い闇の中の美なのかも知れませんが、それが上手く表現されていて、少しの怖気が快感です。
何をブキミと捕らえるかというのがおもしろかったです。自分でブキミをテーマにするならこれ、なんていうのを考えてみるのもまた一興。
愛おしき人間臭さ「軍師二人」
- 司馬 遼太郎
- 軍師二人
表題作の真田幸村と後藤又兵衛との話が気になって購入したのですがこの話は短かったです…
しかしながらさすが司馬遼太郎という感は有り。希代の軍師同士の感情が淡々とした文章から伝わってきます。
それにしても二代目はダメですねぇ…
他の短編にも好き嫌いはあれど唸らせるものばかり。各題からしておもしろいです。「侍大将の胸毛」や「女はあそべ物語」とか。くすりと笑えるところも盛り込みつつオチが辛辣だったりと、人間の人間臭さが出ていて愛おしく思えます。
架空世界の魅力「あなたにも書ける恋愛小説」
- 日活
- あなたにも書ける恋愛小説
ミーナか何かそんなので紹介されてておもしろそうだったから観てみましたが大して面白く無かったです。
ラブコメかと思ってたらラブストーリーなのですが(コメディの部分は私には感じられませんでした)、特に恋愛モノとして楽しめるわけでもなく…
二人が何で好き合うようになったかも、予告編の法則に当てはめてみると頷けるのですが映画のストーリーだけでは納得いきませんでした。
原稿駄目にしちゃったんなら素直に謝ればいいのに…二人してギャンギャン煩いので応援しようという気持ちになれません。
エマ役の人が何役も演じていたという話ですがどれも別人に見えてしまいました。女優のすごさなのか、欧米人の見分けが付かない私の目の問題なのか…
小説の中のシチュエーションは結構おいしかったです。
小説が途中で作家の考え次第で変わっていく様はよく表現されていたと思います。そこは楽しかった。
でもこれって「パリで一緒に 」と似てません?
・映画脚本家(「あなたにも~」では小説家)がタイピストと恋に落ちる
・劇中劇がある
どちらも特に斬新な発想ではないし、主役の片方が物語を作る以上劇中劇があってもおかしくないのですが、どちらも物語に深く関わる事柄だけに微妙な気分です。
インスパイヤってやつでしょうか。
笑えるCART「ドリヴン」
- ポニーキャニオン
- ドリヴン<DTS EDITION>
'01米。シルベスタ・スタローン脚本・主演、レニー・ハーリン監督のCARTモノです。
スタローン演じるジョーは事故でCARTから離れていた元花形レーサー。
スランプの若手レーサー・ジミーの当て馬としてレースに復帰し、
次第に2人は信頼し合って優勝を目指す、というのが大筋。
そこに様々な人間模様も絡ませてくるので最初は人物の見分けに苦戦しました。
人の判別がつかないので人間関係が見えない、そしてそれ以上にマシンと乗ってる人の区別がつかない!
赤メインの車と青メインの車なら見分けが付きますが、赤と赤が並んだら何がなんやら。爪先映されてもさっぱりです。
しかしそれは私の見分ける能力がよくないせいもあるかも知れません。
まあどれも2回みたら分かることですね。笑。
最後にはちゃんと分かりますし。
以下ネタバレ含みます。というかツッコミです。
笑えたのはレースのためジミー達が日本にやってきた時です。
ジミー青年と彼が思いを寄せるソフィーが2人でプールを貸し切ってるんですが、それが東京のプール。
2人でいるには結構広いプールでそれ程高さは無いながらも飛び込み台が2つあります。
んでその飛び込み台の間に大きな日の丸が垂れ下がってる。
飛び込み台より大きいサイズの。
プールの底にも大きな日の丸がドーンと。
訳分からなくて笑えました。こういう変な日本大好きです。
そして一番笑えるのはジミー青年の暴走シーン。
ジミーはソフィーと(+ジミー兄)新しいレーシングカーのお披露目パーティに出かけます。
そこにはソフィーの別れた恋人でありライバルのレーサーが。
ソフィーが好きなジミー青年、ソフィーに元彼が近づくのを許そうとしません。
「彼女に近づくな!」とか何とか、話をしようとしてるだけなのに元彼をどつきまわります。怒る元彼、戸惑うソフィー、若さが暴走ジミー。
ジミーのマネージャーを兼ねている兄が何とか引き離しますが、ソフィーと元彼の様子が気になってジミーは今にも飛び出して行きそうです。
そこで兄が一喝、「中学生のダンスパーティじゃないんぞ!」
まさにその通り。
しかし結局2人が縒りを戻すことになってジミーは元彼に殴りかかります。
トップ争いをするレーサー2人がパーティ会場で殴り合いということでその場に居たマスコミもカメラを向け大騒ぎ。
怒りや色々な感情に居た堪れなくなったジミー青年、新作レーシングカーに飛び乗ってパーティ会場を飛び出し市街地を暴走。
屋台の新聞を吹っ飛ばしたり逆走するのもお手の物。
この暴走している間の一般の人々の反応がちょこちょこ笑えるのですが(スピード違反の取締りをしていた警官が目を丸くして見送るとか)何よりおかしいのはやはり中学生のようなジミーです。
作中における彼にとってはその他の要因も絡まって暴走行為に出てしまったというのは分かるのですが、ここで咄嗟に出てくる見てる側の反応としては笑いでした。
ジミー青年の周りは強かで確固たる信念を持ったおっさんおばさん、若くても彼よりしっかりしてそうな人ばかりで、そこでケツの青いヒヨッコなジミーが「うおおおお…」と気圧され苦悶している様が可愛らしかったです。
全体的に「あと一歩!」と思うところもありましたが私の好きなタイプ(顔が)の役者さんばかりだったので結構楽しめました。
人間関係における葛藤、レースの興奮も見所なのでしょうが私としては暴走シーンに大笑いしただけで満足です。
カメラワークも楽しめました。
気軽にイフもの戦国時代「異戦国志」
- 仲路 さとる, 狩那 匠
- 異戦国志 2 (2)
もし本能寺の変で信長が死んでいなければ、というイフものです。
画像は2巻。幸村の赤備えかっこいい。
トリオ・ザ・ホトトギス他様々な英傑が入り乱れて天下を争います。その行方が見所、というよりはそこしか見所がないと言った方が正しいかも知れません。
まずはこの文章。
「○○が、亡くなりました……」
ガーンッ!
××は、後頭部を木槌で殴られたような衝撃を受けた。
……ネタバレ防止のため名前を伏せた以外は原文ままです。一切手を加えておりません。
ただライトノベル調で一文一文が短いので、よく言えば読みやすい。気にしなければどうということはないです。
次に気になるのが偶然の多さ。地震がやけに多いです。もしや私が知らないだけで地震が多発していたのか?と検索してみましたが特にそういった記述は見当たりませんでした。ただ「富士山の噴火は、400年に一回。前回は、徳川家康が関が原の戦い前後に見ています。」とのこと。天下分け目の関が原に、とは運命のようなものを感じます。噴火があったということは地面が揺れたりもしたのかも知れません。
それにしても作者のご都合ではないかと思える偶然が相次ぐとどうしてもツッコみたくなります。運も実力のうちと言いますから多少は演出のうちだと思いますが、ちょっと行き過ぎ。天災以外にもそういうことが多いです。
そして最大のポイントはネタバレ。章タイトルでのネタバレは許容範囲です。が、タイトルからネタバレなんですよ…! しかも最終巻はタイトルこそ「天下一統」ですが表紙イラストが。もしこの戦いの勝者だけが知りたいという人はどうぞ検索してご覧下さい。すぐに覇者が誰か分かるはずです。あれはないって……
一応私も13巻読んできた身です。いよいよ最終巻だと僅かに緊張を滲ませながら本を手にした瞬間に肩ががっくり落ちましたよ……これがなければラストも「あーやっぱりこいつだった!」という爽快感があったのではないかと口惜しいです。全部分かってしまっていると「あーあーはいはい」になってしまうので。
とはいえ悪いところばかりではありません。イフものは数をこなしていないので相対評価は出来ないのですが、あの人数を書いて読ませるのは並大抵のことではないと思います。そこでまた作者からの指令でこんな行動を取らされているんだな、というキャラもいるにはいますが…
この話の中で一番何がいいかと言うと人物の掛け合いがおもしろいこと。ちょこちょこ笑えます。ほのぼのとしていて、馴れ合いというか、少し世界から浮いているように感じることもありますが私は好きです。天下を見据えて緊張している様子だけでなく、身内と楽しく過ごしている様子が物語に色を添えています。名も無い兵士の会話も魅力的。
もうこっちにする!
結局使いやすさを取ってアメーバにします。
でもいくつかブログを転々としてきましたが、アメーバって異様にアクセス数が少ないんですが何故…
記事の内容は同じでも違うんですよね。
アメーバ人口自体が少ないんでしょうか。
とりあえずこの記事の次は本の感想いきます。