落語・立川流では、高座に上がってまずお客に頭を下げ、次に頭を上げた際『お客を正面からしっかり見据えろ』と言う意味で“正面を切れ”と前座に教えるらしい(柳家小さんの頃から連綿と語り継がれた言葉だそうだが)。


 確かに、ライブの演奏中でもMC中でも、何とはナシに視線がメンバーにばかり向いていたり、知人のお客だけに目を向けて、何か助けを求めているフウな状況が見受けられる事があるが、これは決して良い事とは言えない。

 

 初めて会うお客さんにこそしっかり目を合わせ、聴いて頂く事が大事な心掛けだろうと思う。

 

 因みに私の師匠は「お客さんの眉間を見ろ」と言っていたが、私はあるいは向かいの壁や天井を見て(または集中している時は目を瞑って)演奏したりする。

 

 MC中では当然、お客さんの顔を見ながら喋るが、初めてのお客さんを笑顔にするのは大変嬉しいものだ。