TMAXは、他のBikeには無い独自の世界をもった…「名車」だと、個人的には思っています。


他のBikeにはなかなか真似できない事が、このマシンでは可能になったりするし、



たゆまぬ孤高の進化をとげた結果、他のBikeにはない、個性あふれる機構/構造を備えていたりして、それを愛でるだけでも楽しいBike。



ただ、そんな特殊構造をしているBikeにもかかわらず、欧州と違って今の日本では「TMAXのメンテ情報」がNet上で少ないですね。


「TMAXで初めて2万㎞を迎えるヨ(^-^ゞ!」


って方が…


「ここでどんなメンテをすべきか?」


「そしてそれにどれぐらいかかるのか?」


って困ってらっしゃるのを、最近…肌で感じたので、僭越ながら、そこら辺を7型にFOCUSしながら少し書かせていただきたいと思いますm(_ _)m。




先ず最初に…皆様にお断りしておきたいのは2点。


第1に、この役目…本当は僕は全く適任者じゃないってことをご承知頂きたいです。


僕の仲間はみんな知ってますけど、僕はTMAXのメンテについて、先輩方や猛者仲間に教えを乞うばかりで、メンテの「メの字」すらわかってない。見習いの僕ごときが、TMAXメンテを語るなんて、正直…100万年早い!と自分でも思う (爆)!だけど、他に書いてくれる人…いなさそうなので、世のため人のためだと信じて、なんとか頑張って書きます_(^^;)ゞ💧


第2に、これから書く内容はけして鵜呑みにせず、ド素人の綴る…無料のNet情報として、必ず話1/3で読んでほしいです。平気で間違ってる事を書いている可能性あります。


困ってらっしゃる方々の多くが、2020年登場の7型TMAX560のオーナーの方だと思うんですが、


僕は2015年式5型TMAX530オーナーで、5型TMAX530のサービスマニュアルしか持っていません。


さすがに、これを書く為だけに、ゆうに1万円以上する7型のサービスマニュアルを買うわけにはいきませんから、


5型のサービスマニュアルの延長線上で、ある程度推測も交えながら「7型もたぶんこうだろう…🤔」と書いていきますから、間違って事を平気で書いている可能性…本当に大いにあります。


この記事は、正確な情報提供が目的ではなく、皆様にインスピレーション(イメージやヒント😃💡)を提供するのが目的です。


従いまして、読んでいただいたら、書いてある内容を鵜呑みにせず、必ずご自身の手で、ディーラーなどで確認してもらいたいです。


その点、くれぐれも…よろしくお願いします。


それでは書いていきたいと思いますm(_ _)m。



2万㎞メンテメニューの概要


今回は、2020年5月に登場した…7型TMAX560(B7M3)のオーナーに、2万㎞メンテに直面している方が多いと思うので、7型にFocusして書きます。


[ ]内は「現時点でのParts単価」もしくは「その作業をProにお願いした場合にかかる費用目安」です。


■ミッションオーバーホール(必須)


(1) Vベルト交換

[9,372円×1]

(2) スライダーピース交換

[385円×8=3,080円]

(3) ウェイトローラー交換

[638円×8=5,104円]

(4) ミッションのグリスUP


[ミッションオーバーホール全体で、部品代17,556円+工賃イメージ3万円+α⏩️約5万円位]


〈補足コメント💬〉

この作業工賃約3万円は高いと感じるかもですが、実際に自分でやってみると分かるのですが、TMAXの場合は、ふつうのスクーターと違い…かなり難易度高いヘビー作業。


カウル外し、ミッションケース外し、内部清掃、消耗パーツ交換、時間のかかるグリス打ち直し、ミッションケース戻し、カウル戻し…とやると、戦闘力の低い僕の場合、丁寧にやると…1日仕事になります。それぐらい大変な作業。それでもド素人の僕はQuality低い作業しかできない。


Proは2~3時間ぐらいでやっちゃうと思いますが、SHOP工賃は1万円/hぐらいだと思うので、これぐらいかかってしまうと思う。


ちなみに…下の図だと、6番がVベルト、3番がウェイトローラー、5番がスライダーピースと呼ばれるPartsです。






セカンダリーシャフトメンテ(必須)


(5) セカンダリーシャフト スプラインのグリスUP

[工賃1.5万円イメージ]


〈補足コメント💬〉

「セカンダリーシャフト」とは、最終駆動ドライブベルトを駆動するフロント側スプロケにつながる…エンジンから伸びているシャフトの事。


TMAXの場合、このセカンダリーシャフトには、スプロケと噛み合わせる為に、縦溝が彫られており、それをスプラインと呼ぶのですが、これを2万㎞毎にグリスUPし直すことがマニュアルで求められています。


グリス切れが起きてしまうと、スプラインが錆びさびになってしまう⏩️その錆び粒子がサンドペーパーのようにスプラインの山が削り落としてしまうと、セカンダリーシャフトを交換する必要が出てきてしまいます。


セカンダリーシャフト…そのものは、1万円程度のPartsですが、それを交換するには、エンジンを下ろして割る必要があるとも言われており、それは30万円ぐらいかかる話かもです。


こう説明すれば、ここの定期的なグリスUPがいかに大事か?分かって頂けると思いますm(_ _)m。


ここのグリスUPは、5型では2万㎞毎指定ですが、おそらく7型でも同様なハズです。


「たかがグリス塗布に1.5万円の工賃は高いよ」と思うかもですが、ここのグリスUPは、単にグリスを塗りたくれば良いわけではなく、グリス炭化を防ぐ為、グリスの中に気泡が一切残らないように作業する事が求められます。


かなりのベルトテンションと駆動力がかかるところであり、いい加減にグリスを塗布すると、最悪な場合、グリス炭化による…前述のシャフト交換に至る可能性がありますから、スキルが求められ、単なるグリス塗布とは違います。


ちなみに、セカンダリーシャフトとは、下の図では5番のシャフトで、その右端にある縦溝がスプラインです。





■エアエレメント交換(必須)

(6)  エンジン吸気エアクリーナーの交換

[1,760円]

(7) ドーナツ型エレメント2の清掃or交換

[3,080円]

(8) エレメント1の清掃or交換

[2,739円]


[3つでParts代計7,579円。ミッションオーバーホールと一緒にやれば、交換工賃はたぶん…2,000~3,000円程度だと思うので、計1万円ぐらいみておけば良いと思います]


〈補足コメント💬〉

エンジン吸気エアクリーナー(エレメント)は2万㎞毎の交換指定。


一方、ミッションケース用のドーナツ型とタイル型のエアエレメントは、交換の指定ではなく、圧搾エアを吹いて定期清掃することがマニュアルでは求められているハズですが、虫の死骸や砂やホコリなどで本当に汚く汚れるので、多くのTMAXライダーは、清掃対応ではなく、これを2万㎞毎に新品交換しています。


下の図で、10番がエンジン吸気用エアクリーナー(エレメント)です。



下の図の24番がドーナツ型エレメント2、1番が筒型エレメント1です。





ここまでが、TMAXの2万㎞メンテの中核部分で、ミッションオーバーホールに約5万円、セカンダリーシャフトグリスUPに約1.5万円、3箇所のエアエレメント交換に約1万円。合計7.5万円ぐらいは、これらの2万㎞毎メンテでみておいた方が良い思います。




■上記に加え…やった方が良い事(強く推奨)


(9) ブレーキパッド残量確認

(10) キャリパーのもみ出しメンテ

(11) ブレーキフルード交換

(12) フロントフォークオーバーホール

        [Parts代+工賃で約2.5万円]

(13) 点火プラグ交換

(14) 最終駆動ドライブベルトの洗浄

(15) 冷却水の交換

(16) レバー類等稼働部のグリスUP



〈補足コメント💬〉

先ほどの…ミッションオーバーホールやセカンダリーシャフトスプラインのグリスUP、エアエレメント交換に加えて、安全の為、2万㎞毎にやっておく事を強く推奨するのが、上記の8項目。


長く GOOD CONDITION でBikeに乗りたければ、☝️これらは本当にやっておいた方が良いと思いますm(_ _)m。過剰整備とかそんなんではなく…マジです。


「ええ?そんな長くGOOD CONDITION を維持しなくても良いよ。どうせそんなに長く乗らない」って方がいらした場合でも、ご自身の安全の為、先ほどのミッションオーバーホール、シャフトグリスUP、エアエレメント交換に追加して、赤字アンダーライン項目だけは、やっておいた方が良いと思う。


ブレーキパッドは、走り方にもよってLifeに大きな幅が出ますけど、一般的には3万㎞前後で交換。


2万㎞段階で残量点検した方が良いと思う。


フロントフォークのオーバーホールは、一般的に2万㎞毎でやるべきモノと言われています。



そして本当にそうだと思う。3万㎞も走ればフロントフォークはスッカスカになってしまう。


部品代+工賃で2.5万円ぐらいかかる作業ですが、スッカスカのフロントフォークだと、パニックブレーキを掛けた時に、フロントからスリップダウンしやすくなってしまう。危ないです🙅。



最後に


いかがだったでしょうか(・・?


まとめると、TMAXで2万㎞毎にやらないといけない必須メンテメニューは、ミッションオーバーホール、セカンダリーシャフトスプラインのグリスUP、エアエレメント交換、フロントフォークのオーバーホールとブレーキパッドの残量点検です。


これらをやるとして、SHOPに出すと、ミッションオーバーホールに約5万円、セカンダリーシャフトスプラインのグリスUPに約1.5万円、エアエレメント交換に約1万円、フロントフォークオーバーホールに約2.5万円…合計すると約10万円。


さらにBADNEWSをいうと、2万㎞というと、タイヤ交換サイクルともシンクロすることが多いんですよね。前後タイヤ交換に5~5.5万円ぐらい掛かりますから、それも考えておく必要があります。


そうなると、約15~15.5万円コース。


うーん、高いですよね。解ります。


でも、これが現実です。


ここら辺、新車販売時に、なぜか(・・?…ディーラーは顧客に説明しない。不思議です。


まぁ、ここら辺が分かると、250ccビグスクの良さが分かってくるようになるんですよね_(^^;)ゞ。


ユニットスイング方式の250ccは、Vベルト交換等のミッションオーバーホールも、3万円でお釣がくると思いますし、セカンダリーシャフトスプラインのグリスUP作業は存在せず。エアエレメントも1つ…2,000円以内で済むし、250ccビグスクは安いバイアスタイヤなので、前後タイヤ交換も3万円弱ぐらいで出来てしまうと思う。


TMAXが15万円ぐらいかかる2万㎞毎メンテが、250ccビグスクだと6万円ぐらい済んでしまう。


「6万円はなんとか…払えても、15万円はきつい」という方多いのではないでしょうか?


おまけに250ccビグスクとTMAXではガス代が大違いで、250ccは車検もありませんからね。


僕が「250ccビグスクも良いヨ😃✌️」とよくご報告するのはこういうコトなんですよね。


TMAXの維持費は、立派に…大型Bikeのそれです。


ただ…


TMAXは維持費高いが大型Bikeの中で法外に高いのか(・・?というとそういうワケではなく、


例えば、XJR1300を例に考えてみても、TMAX とXJR1300でそんなに維持費が変わるわけでないです。



確かに、TMAXには、MT車にはない5万円もする「ミッションオーバーホール」という費用が発生しますけど、その代わり、XJR1300で発生する…一般的には2万㎞毎目安と言われる「チェーン&スプロケ交換」がありません。



まぁ、チェーン寿命はメンテナンスの優秀さ次第で、5万㎞以上もつ場合もあるのを学びましたが、一般的には、あまり上手くメンテされてないと、上記のように2万㎞毎が目安と言われています。

そして、その費用は下記の通り、4万円ぐらいかかる、


そして、チェーンは1000㎞毎ぐらいの小まめさで、チェーンメンテしていかないといけませんが、チェーンの費用は、チェーン交換費用に加えて、度重なるチェーンメンテでの油脂代もチェーンコストに含めて考えないといけません。


チェーンルブ代、チェーンクリーナーを使うならそのチェーンクリーナー代…2万㎞走るまでに20回メンテしたとすると、それもけっこうな金額になる。


もしチェーンメンテをSHOPにお願いしたら、3,000円/回ぐらい掛かりますしね。


一方で、TMAXは最終駆動がドライブベルト駆動で、このドライブベルトはたぶん10万㎞ぐらいもつと思われます。



実際、7.5万㎞ぐらいまでドライブベルトを使ったことあります。サーキットでの転倒でドライブベルトを破損させてしまったので、そこでベルト寿命が終わってしまいましたが、破損させなければまだ更にもちそうでした。


ちなみにハーレーのドライブベルトも、そのLifeは一般的に約10万㎞目安と言われており、19万㎞台でようやくハーレーのドライブベルトが破断したというBlog記事を拝見したことも。


ということで、TMAXのドライブベルトは、MT 車のチェーンと違って、破損させない限り、基本的に交換しないで良いパーツ。


2万㎞毎に5万円相当ミッションオーバーホールが必要になるTMAX と、2万㎞毎に4万円相当のチェーン交換とそれまでのチェーンメンテ代等が必要になるMT車って構図なんです。


フロントフォークのオーバーホールが2万㎞毎程度に必要なのは、TMAXもMT車も一緒ですしね。


そんなわけで、大型Bikeの中で、特にTMAXが維持費高いわけでなく、大型Bikeそのものが、維持費高いんですよね_(^^;)ゞ💧



TMAX…他の大型MT車とそんなに維持費変わる訳ではない…ということはTMAXの名誉の為に、最後に書いておきたいと思いますm(_ _)m。


確かに…距離走れば、その高性能と引き換えに、大型バイクの維持費は高い。


でも、それだけの価値があるのも確か。


僕がこれを書いたのは、皆さんを脅すためではなく、現実を知って頂き、先々のボーナスで予め予算を組んでおくとか、そういう対策を取れば、慌てずに済む、家庭内で夫婦喧嘩起こさずに済む…と思ってなんです。


突然、高額な費用が必要になるから、大変なことになるわけで、予め予見できて対策取られていれば、なんとか乗り越えることが出来ます。


また、これを知って頂ければ、逆に…250ccの魅力も今まで以上に分かってくると思うんですよね。


距離を走る場合、あまりにも大型Bikeの維持費が高い。それでも楽しいので乗りたい。僕の場合、そこで、仲間の助けを得ながら始めたのが、セルフメンテなんです。


セルフメンテなら、部品代だけで済みますからね。ただ、工具🔧への初期投資が必要になりますから、トータルでみて、必ずしも安上がりになるとは限りませんけども。よほど長く乗らないと…_(^^;)ゞ💧

というわけで、最後はぐでくでになってしまいましたけど、TMAXが2万㎞に到達したらどのようなメンテをやらないといけないか?そしてそれにはどれぐらいかかるのか(・・?…についての話題まででした。

これが誰かの役に立つと良いんだけど、どうかなぁ…🤔。