年が明けて、早いもので1月ももう末となりました。
年初には宗徧流のお家元の初釜のお手伝いをさせていただきました。
茶の心には大切なものが二つあります。一つは美の鑑賞、そしてもう一つは奉仕の心です。流祖がお教えになる喫茶の偈は、利休の茶の心に通じるものであり、茶は仏に供え、人にも施すもの意であります。
宗徧流の聖地である「不審庵」の水屋仕事は、それはそれは緊張の連続でしたが、お家元の初釜を楽しみにいらしたお客様によい時間をお過ごしいただけますよう、精一杯務めさせていただきました。
流祖山田宗徧は、若くして千家三世宗旦に学び、その推薦によって三州吉田の城主小笠原忠知侯の茶頭となりました。宗旦はそのときに、「不審庵」及び「今日庵」の庵号を与え、利休伝来の茶法をことごとく授けたことを証しました。
現在鎌倉の「不審庵」は、十世四方齋が全国門人が侘茶を学ぶ場として建立されましたので、貴重なお茶室でございまが、多くの門人が不審庵での初釜を楽しむことができ、そのお手伝いをさせていただきましたことは、またとない経験であり学びとなりました。