この男は小さな会社経営を始めた
当然、従業員などいない小さな会社だ。
一生懸命働いていたある日気づく。
もし自分が倒れたら家族はどうなる?
男は思った。
自分に何があっても家族を守れるように会社を組織にしよう。
男は従業員を雇い組織を作り出す。
しかし、事業というものは、うまく行くときもあれば、うまく行かないときもある。
得てして、うまくいかないことの方が多いような気がする。
従業員とは苦しい時も辛い時も、そして達成した喜びも分かち合えるようになった。
男にとって従業員も家族のように思える存在になっていた。
男は思った。
家族を守る為に事業を拡大させる必要があると。
それから、十数年。
順調に事業は拡大していく。
事業が拡大し、取引先様も増え、十数年と年月がたつと、取引様とのお話しで、こんな場面に直面する。
会社をたたもうと思う。
理由は様々だ。
跡取りがいない。借金が返せない。従業員に裏切られた。。。
そんな深い話しを幾度となくしていると、男は取引様を家族のように考え出す。
そして、事業や会社を引き継いだりし、男には守らねばならない者がふえていった。
そして、再び自分に問うのである。
もし、今自分が倒れたらどうなるのだろう?