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朝の6時15分からウルサイわけですよ。
ボクんち。

珍しく、妻が何やら大きな声を出しているワケです。
ワタシが妻のもっとも愛しているところは、子供に対して怒鳴ったり、叩いたり、しつこくネチネチと感情的に叱ったりしないところなのです。
『ちょっと気の回らないところはあるけれど、逆に考えると、感情の起伏のない、穏やかな彼女の素晴らしい性格の逆の側面なのだ、、、、だから、その点についてはワタシは受け入れなければならないのだ』っと、いつもそう考えています。
その妻が、珍しく朝から大きな声を出している。

彼女はめったに怒鳴ったりしないので、感情的になるとヘンな声になるのです。なんかコモったような、咽喉をふり絞るようなヘンな声。
他人を恫喝することに慣れている人というのは、腹から声を出しますが、めったに怒らない彼女は、感情を露わにすることに慣れていないのだ。
そのヘンな声が、寝床にいるワタシの耳に届いて今朝は目覚めました。

『いいかげんに、いつまでもくだらないことを言うんじゃないのっ!』
どうやら、次男に対して声を荒げている。
何をそんなに大きな声を出しているかというと、、、、

昨日、次男は生まれて初めて床屋に行ったらしいのです。
学校で次男のボウズ頭を『ハゲ』と言って、クドクド言う同級生がいるらしく、次男がボウズ頭を止めたいと思っていることはワタシも知っておりました。長男には、ボウズ頭をしつこくからかうヤツがいれば、脇腹に突然に回し蹴りをお見舞してやれと教えていた(実際に1度、お見舞してきたことがあるらしい)のだが、次男にはそういう話をしたことはありませんでした。別に強制しているわけでもなく、イヤならいつでも止めて髪を伸ばせばイイとワタシは言ってきたつもりです。
長男はボウズ頭を屁とも思っていないようで、中学に進級しても『ぜんぜん、このままでいい。髪の毛なんかはどうでもいい』と言っているので、ボウズのまま。
次男は妻の強い勧め(どうやら、彼女は次男がボウズ頭を我慢していると思い込んでいるようだ)で、1000円カットの床屋に行ったら、うすらモヒカンのように、サイドを刈り上げてトップの部分が伸びたままの髪型にされたことを悔やんでいるらしいのだ。
『顔が長くなっちゃったみたいで、カッコ悪い。これだったら、もとのボウズ頭の方がぜんぜんいい、、、、あ~なんで、こんな髪型なんだ』
そういって、昨夜から涙を流して悔やんでいたというのだ。
そして、今朝になっても髪型を気にして暗い顔していたことを、妻が一喝している、、、、っと、そういうことらしい。

『おまえの髪型なんか誰も気にするわけねーだろっ!』と正論を吐く長男に心中ではハゲしく納得したワタシでしたが、原因のタネがボウズを半強制しているワタシにあると妻に思われると面倒なので、知らぬふりをしておりました。

妻が声を荒げる理由はなんとなく察しがつくのです。
おそらく、ボウズ頭を止めて床屋に行くことを次男にそそのかしたのは妻なのでしょう。次男がヨロコブと思いきや、まるで逆の反応だったがために、妻はガッカリしているのだと思います。
次男は、自分がどんな髪型なって生まれかわると想像していたのかはわかりませんが、ボウズ頭を普通の人のヘアスタイルに戻すには、ザンバラ髪をなるくらいまで伸ばし続けないとできませんからな。

『明日にでも、またボウズに戻してやろうか?』
っと、ワタシが言うと、次男は軽く頷いたような。
がしかし、ここで妻がまた声を荒げた。
『そんなことをしたら、意味がないっ!』
(あっ、出ちゃったね、、、、本音。あんた(妻)が次男をそそのかしたのは、これで確定だな)
っと、心中で呟くワタシ。

余計なことを言うと、妻から包丁で刺されそうだったので、いつもとは違う穏やかな人間にスイッチを切り替えた。
『そんなに大してヘンでもない。おまえは鏡で正面からしか見てないからわからないだろうから、写真にとって横からの姿を見せてやろう』
次男の横顔を撮影して見せてやる、心優しいワタシ。

『なんか、カッコつけているヤツに思われるのがイヤなんだ』
次男が呟く。
『だいじょうぶ、ぜんぜん、カッコよくないから』
そう言って次男を納得させた。
『だいたい、誰もオマエの髪型なんかに気づかないよ』
っと、長男の言った正論をワタシがもう一度吐いた。

さ~どうなることやら。
別にボウズを強制している覚えはないので、好きにするさ。
もう5年生だからいろいろあるのでしょう。
自我が目覚めはじめる年頃になったということでしょうな。
ちょっと気になったから、涼しい顔で朝飯食っている長男に『お前はどうするんだ?』と改めて訊ねたところ、
『オレは、髪型なんかどうでもいい。床屋なんかに行くのは面倒だから、このままでお願いします』
っと丁寧にお願いされてしまいました。

長男は生まれて12年のあいだ丸ボウズ。
ワタシはたぶん、土に還るその日まで、ボウズのままじゃないかな。