
今朝ほど読み終わった本は、ひさしぶりに小生の時空を曲げてくれました。
通勤電車の中が読書時間なのですが、あっという間に降車すべき駅に到着してしまうのです。
『巨鯨の海』(伊東潤著 光文社発行)
鯨漁師の短編小説が6篇おさめられています。
江戸の終わりから明治にかけて、今でいう和歌山県の鯨漁を生業とする村の歴史小説なのですが、民族学的な要素も多分に盛り込まれていて、なんとも味わいが深いのだ。現在でいう相撲部屋の株を発行することで資本と労働を分離していたはなしなど、いにしえの日本で上手く機能していた共同体の在り方と仕組みが鯨漁師の村の歴史を通して語られている。
鯨の生態にも触れられていて、実に興味深い。
なんか、こういう民族学的な要素のある歴史小説って楽しく感じられる。司馬遼太郎にも同じような要素があるし、吉村昭の歴史小説にも感じる。
今のところの今年ナンバーワン書籍。