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『ネイビー・シールズ』最強の狙撃手と言われたクリス・カイルの自伝。
イラク戦争で闘ったアメリカ海軍特殊部隊である『ネイビーシールズ』の狙撃手が自ら語った戦争体験の本でした。
著者のクリス・ガイルは、イラクへの4度の出兵で、公式には160人、非公式な数では255名のイラクのイスラム過激派の人間をスナイパーライフルで射殺したのだそうである。160人を狙撃したのは米軍の最高記録らしい。
 駐留していたイラクのラマディでは、『ラマディの悪魔』とイスラム過激派から畏れられ、著者の首には2万ドルの賞金がかけられていたのだそうだ。

 この本をどうして手に取ったのかというと、今年の2月に著者のクリス・ガイルはPTSDを患った元米軍兵に射殺されてしまったことがニュースに出ていて、英雄視されていた彼の本が紹介されていたのです。ネイビーシールズという米海軍特殊部隊チームは、ウサマ・ビン・ラディンを殺害したチームとして有名だ。特殊部隊に所属した精鋭の中の精鋭が著者というわけだ。
 本中には、著者の生い立ち、家族のこと、スナイパーとして殺害者数を増やしていくまでの記録、そして殺人者としての著者の心情が、著者自信と、彼の妻の言葉によって綴られている。
 戦争という暴力手段の是非を超えた人間心理が描かれていると感じましたね。殺人という自分の行為を正当化するための論理の組み立てがあったり、さまざまなライフル銃の解説は、軍事オタクのそれと同じであったり。
 正当な手段で解決に当たってもテロリストによる無差別攻撃があったりすると、先じて怪しき敵と思しきものをライフルで狙撃するしかないと著者は言う。仲間が殺されることで生じる怨念の情は、戦争映画に出てくる勇敢な部隊仲間のシーンそのものだ。
 イラクから帰還米兵の6割が失業、16%がPTSD患うという記録がある。ホームレスに多くの元米兵がいるそうです。そういえば、映画『ランボー』に出てくるランボーもいわばホームレスだ。
 この本を読み進むと、太平洋戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、、、戦争の前線に立った兵士の心情はいかにというものが垣間見えた気がします。何ひとつ良いことが双方なにないとわかっていながら暴力に訴える人間とは。
 
 ちょっと真面目に考えましたよ。


 この本を出版した原書房ってのは、この手の本ばかり出版していて、ちょっと面白い。
 『スパイ技術ハンドブック』
 『自衛隊の仕事全ガイド』
 『徒手格闘技術マニュアル』
 『世界戦車大全』
 『危機脱出マニュアル』
 などなど、、、、ちょっと読んでみたい本もある。
まったく本は楽しいなあ。