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 最近、通勤電車内での読書が滞っておりました。
 というのも、時間の実在に関する本を読んでいるのですが、読み進めるのが小生にとっては難解で、いくら読んでも頭のなかに内容が入ってこなかったのです。1頁読んでは2頁戻る、、、みたいにして読まないと理解できんのです、、、、とほほ。
 その本は、いまだに毎日持っている鞄の中に放り込んだまま。中途で投げ出すことは主義に反するので、頭の中がクリアな時間にいまだ必死に読んでいます。
 で、普段のボーっとしている通勤電車の中でも読める本ということで、今回の『深海の使者』なのです。
 
 この本は、戦中の日本海軍の潜水艦に的を絞り、太平洋戦争を描いております。
 日本の潜水艦というと、『伊号第○○潜水艦』とか『呂号第○○潜水艦』とかの艦名がついていることは知っておりましたが、戦中にどんな戦い方をしたのかなんてまったく知りませんでした。

 戦局の悪化し始めた日本帝国海軍がドイツとの連携を強めるため、武器や物資、人員を含めた情報の交流を保つために、ドイツと日本の交流ルートを保つ唯一の手段として潜水艦による往復をしていた事実が詳細に描かれています。
 英米が当時の最新技術であったレーダー網を張り巡らせている中海を、深く潜行しながら遠いドイツまで潜水艦で大海原を進むなんて、考えただけて悲壮感が走ります。当時の上官は遺書を書いて潜水艦に乗り込んでいたようです。位の低い乗組員は行き先すら知らされていなかったようです。
 潜航が続くと艦内酸素が薄くなって頭痛、吐き気なんてのもそうとうあったようです。
 暗い艦内で、敵の魚雷攻撃に脅えながらはるかドイツまで、、、、考えただけで小生は怖くなります。
 当時の軍人の使命感には感服いたします。
 戦争はあってはならないけれど、日本のために命を賭けて使命を果たさんとした日本人には敬意を覚えます。

 吉村昭のいくつかの戦中の記録小説を読んでいると、当時のソ連のことをかなり悪い印象を持って描いているように感じます。
 日本帝国と連合国軍のどちらにもつかず、自国が有利になる立場も模索する『キタナイ根性の国』として表現されていることが多いのです。ずる賢くて食えない野郎の国、ソ連。そんな印象も持たせるべく書いています。
 吉村昭自身が、ソ連を恨みに思っていることもあったのでしょう。
 生まれたときには、すでに戦後20年の時間が経過しているような小生には、実感としては感じることはできませんが、ソ連に良い印象を持てないのは戦後の教育思想のなかに同じ風潮があるからなのかもしれません。
 平和ボケしないためにも、こういった本がこれからも読まれるべきなのだと感じた今回の本なのでした。