
この小説の舞台は、震災後の日本。福島第一原発の事故が主人公の死生観に大きく影響を及ぼしている。
震災こそがテーマではないが、読み進むのに小生は若干の違和感を感じた。どんな違和感かと問われると、なんとも表現しがたいのだか、小説という架空の世界を描くのには、被災者にとっては現在進行形で、かつ終わりの見えない苦しみの背負っていることへの配慮のなさというか、、、うまく表現できないが、どうもそのところが終始引っかかった。
生きることが幻影なのか。
『現在』『過去』『未来』
時間のつながり、人の生死、地球と宇宙の始まりと終わり。
過去の偉人、哲学者も抱いた、永遠に人間が解くことのできないであろう疑問符がまた、小生の脳ミソにもやってきた。
希望も絶望もなく、見えない人生の先に歩みだす主人公の姿は、いつもの白石一文の小説の終わりだったような。