開高健著『夏の闇』 新潮文庫 『輝ける闇』『ベトナム戦記』につづく3冊目、『夏の闇』です。 訥々と語られることば。 変化する世界と、自身のこころ。 ベトコンでも南ベトナム兵士でもなく、ましてや戦うアメリカ兵士でもない。 第3国日本からやってきて、どっぷりと戦場に溶け込んだ筆者、開高健の想いがそのまま記されているように思えた。 真実を知るべく、命を賭しながらも、徹底した疎外感の絶望。 登場する、日本人を罵る女のことば、自らを罵る開高健自身のことばではないのか。 文字で表現する迫力を久しぶりに感じた本でした。