
著者の吉村昭が鬼籍に入られたことで発行されたということなのか、著者のこれまでの作品を描いた足取りを作品ごとにまとめた本です。
この本のなかで、太平洋戦争時の米軍による東京大空襲ことが思い出として語られています。B29が超低空飛行で東京に飛来してきたこと。現在の墨田区あたりに焼夷弾を落としまくり、被災して焼け出された人々が隅田川にあふれ、溺死した人々が川面を覆いつくすほど浮かんでいたと。
小生の両親も、著者が目の当たりにしたのと同じ光景の話を何度も小生にしてました。最初に聞かされたのは小生が小学校1年生くらいのときだろうか。
繰り返し、繰り返し、何度も聞いた記憶があります。たいがいは寝る前の布団の中で、小生の父親がうす暗い布団のなかで、その凄惨な状況を話してくれた記憶がありました。
吉村昭の小説に興味が惹かれるのは、そんな理由もあったのかもしれません。
史実を紐解くのに、徹底した事実の調査をもとに言葉を肉付けし、小説という作品をつくり続けた筆者吉村昭の小説を全て読破してみようかなと、そんな気にさせてくれた本でした。