
著者が12回にわたって講義した内容を書籍化したものであるせいか、本としてのまとまりは今ひとつ。
何より、幕末を生きた人々の行動指針を権力闘争だったいうスタンスがちょっと気に入らない。サラリーマンの出世の派閥闘争もしくはパワーゲームのように幕末の志士を語るのは、ちょっと違うのではないかと思った。
著者は東京大学を卒業して文藝春秋に入社した、出版界ではエリートという自負なのか、上からモノを視るような視点で語られている文章は、己の頭脳明晰さをひけらかすようで鼻につく。
人を動かす情熱、命をかけて日本を変えようとした幕末の志士が読んだら、さぞかし怒るだろう。
司馬遼太郎の小説に対してチクリと厭味を語るあたりは、どうも不快だ。
歴史はクーデターで作られるという観点は至極納得。
なんだか、たいして感想の沸いてこない教科書みたいな本でした。
こんな本を読むと、頭がよくなった気になったりするもんなのかもしれません。
エリートがエリートぶるために必要な歴史解釈、、、そんな本だったかな。