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 太平洋戦争の戦勝国アメリカが、日本本土を占領するにあたって人類学者のオバハンに日本人を研究解説させたのが本書『菊と刀』だ。
 『菊と刀』という本があることを知ったのは、小生がたしか、中学2年生のころの現代国語の教科書に掲載されていたからだったと記憶がある。
 時は流れて、あれから30年近く、、、、、
 小生は、ついに『菊と刀』を手にしたのだった。

 今から60年も前に記された日本人論。
 当時の白い肌の鬼畜米英が、日本人独自の道徳観、『義理』や『恩』そして『誠の精神』を論じていたことに驚きを禁じえない。日本人の持つ『義理』や『恩』の感性とは何なのか、歴史的見解や戦勝国としての統治体験などを通して定義づけられていた。米国人にもある『感謝』とは違う『恩』の感性など。

 敗戦国日本を下に見るような視線ではなく、むしろ賞賛する表現が印象に残った。
 巻末のほうには、惨めな敗戦をした日本が、将来的にアジアのリーダーになることを予見する表現すらある。
 
 おどろきなのは、筆者が日本の地を1度も踏んだことが無いという事実だ。
 つまり、日本の文化に直接触れることなく、この論文を書き上げたのだ。ある意味ではまったく信憑性に欠けるということになるのだが、歴史的側面からのみ考察を徹底することで、現実に近い日本人像が浮き彫りにされてきたのかもしれない。

 小生のなかに流れる、日本人の血と、自分自身の思考の方向性が、少し理解できたような気がした。

 『菊と刀』
 あと、10年くらいしたら、もういちど手に取るとしよう。

 ただ、売価1250円は高すぎ!
 講談社さんよ!文化を売っているという言うなら、500円くらいじゃないのっ!