
勤王の旗印のもと、明治維新の風が吹きすさぶ時代の中を『武士道』を貫きとおした長岡藩士、河井継之助の生涯を描いた歴史小説です。
明治維新の頃の英雄といえば、薩摩、長州、あるいは佐幕の武士たちの名ばかりが取り上げられるが、著者の司馬遼太郎は、幕末にあって沈黙を守りながら武士道を貫きながら散っていった河井継之助の生涯をえがくことにより、江戸時代の武士の生き方を表現したかったのであろう。
新しきこと、変じていくこと、動くことをを良しとする時代なかで、沈黙を守りながら武士としてのあるべき姿を模索する河井継之助の生き方に共感を憶えた。河井継之助の名も、この小説で初めて知りましたが、本中にある、河井が行動規範をおいた陽明学という教えも初めて知りました。
おのれの命のあることの意味というものを、維新前後の武士は探し続けていたのだな、、、っと。
戦いに明け暮れた戦国時代から徳川300年へ。
武士、サムライの生きる意味を問うた幕末。
そして、階級制度の崩壊から明治へ。
西洋との対立とアジアの抱合から世界大戦へ、、、
この小説の題目が『峠』であることが少し理解できました。
圧巻だと感じたのは、河井継之助の最期で、
おのれの死を悟った河井は、棺を作らせ、庭に火をたかせ、病床から首を曲げてそれを眺めたという。
なんという意志。
司馬遼太郎、もう1丁!