人生は、一度きり。
 男の一生の生業とは、なんだろうか?
 この疑問には、小生は明快な答えをひとつ持っている。

 男の一生の生業、それは自転車屋さんです。
 

 小生の自宅のそばには、1軒の自転車屋さんがある。
 屋号は、藍川サイクル。
 小生が子供のころからあるので、もうすでに30年以上は営業している。
 
 店主は、短髪で色黒で無口だけどカッコイイオッサンだ(小生がこどものころはお兄さんか、、、)。
 いつも青いツナギ服を着て、黙々と自転車を修理している。
 藍川サイクルで自転車を買うと、その自転車には、「アイカワサイクル」と印刷してある蛍光色のちいさな反射テープが貼られる。
 当たり前だが、このテープが貼られてる自転車は、藍川サイクルで購入された自転車だ。
 小生の住む集合住宅の自転車置き場にある自転車には、ほとんど「アイカワサイクル」のステッカーが貼られている。
 
 無口な店主は、パンクしたり、ちょっと調子の悪くなった自転車を、素早く直す。
 ちょっとした修理だと勘定はいらないという。
 パンク修理でも、300円か500円くらいだったと記憶がある。
 子供だった小生にも『カッコイイ自転車屋のオヤジ』だと思えた。
 無駄口をきかずに、手早く、確実に仕事をこなす自転車屋のおっさん。
 
 その仕事ぶりと人柄で、子供から近所の若い主婦、婆さんまでみんなファンになってしまうのである。
 小生が子供の頃は、藍川サイクルは商業地からほど遠い、道幅の狭い通学路で小さな店構えで営業していた。今では大きな道路沿いに立派な店構えで、1階の店舗のほか、2階部分はワンルームマンションにして賃貸にまで出している堅実経営ぶりだった。

 先日、子供の自転車を買うために、久しぶりに「藍川サイクル」を訪れたが、店主の人柄があまりにかわっていなくて、うれしくなってしまった。

 男たるもの、、、、
 あの自転車屋のオヤジのような生きざまが、少々うらやましくなった小生である。