1回目のバイパス手術後、止血の状態が芳しくないために、10時間後に2回目のの心臓手術を受けた小生の父親は、なんとか三途の川を渡らずに帰ってきました。

 動脈硬化が酷く、人工心肺を使用することが不可能な状態での手術だった。1回目のバイパスの手術後に大量の輸血、出血を繰り返している自身の身体状態から、父親は集中治療室で死を覚悟したそうだ。麻酔が残る朦朧した頭で、身体につながれたビニール管から流れ出る夥しい量の血液と、出血の状態を数分おきに観察に来る担当医師の顔を見て、自分の生命の危険な状態を悟ったという。
 麻酔から目覚めたばかりのところへまた全身麻酔を打たれ、縫合したばかりの執刀の傷口を再び開かれた。小生は担当医師から、術後の止血のほうが危険であると知らされたいたので、止血のための再手術の報を姉から聞いたときに、心の奥で、父親が帰らぬ人となりうる可能性を覚悟した。

 止血のための再手術の翌日の夜、父親に面会に行くと、集中治療室のベッドの上で、なんと普通に飯を食っていたので驚いた。なんというか、すっきりした顔をしていた。
 『死を覚悟した』『人生観がかわった』と繰り返し話していた。

 人の手で、一度止まった心臓を動かしてもらったこと。
 集中治療室のベッドの上で、担当の看護師に自分が生きるための全ての行動に手を貸してもらっていること。
 生きていて有難いという感謝の気持ちを持ったというのだ。
 
 まるで、子供のようにスラスラと自分の驚きとヨロコビを口にする父親を目の前にして、なんだか、ホントに生まれ変わったのだなと思った。

 人の手で再鼓動を始めたオヤジの心臓は、これからあたらしい人間性を生み出してくれるのかもしれない。
 
 俺も心臓が止まるその瞬間まで、悔いのないように、、、、 仕事も遊びも家族もバイクも、大切にしようと思った次第です。