
箕直しや箕作りに携わる人々が、関東まで行商にきた時に受けた差別問題をテーマとしています。熊谷達也は、東北に実在する箕作りの方に取材して、この小説を書き上げたようで巻末に謝辞としてその旨が記載されている。つまり、かつての日本、関東地方では箕の直しなどを生業としていた方々は、差別を受けていた歴史があるということだ。
箕のなんていうと、小生あたりは頭で想像はできても、実際に箕を手にしたこともないので、箕の関する知識などはカケラも無かった。
この小説は、被差別部落の問題に対してとてもストレートに描かれている。主人公、弥平が関東地方の群馬県で思いがけない差別を受け、被差別される側の人間としての疑問が実にまっすぐ伝わってくるのだ。
小生は、この本をただ、熊谷達也の本だというだけでネット通販で購入したので、被差別問題を取り上げている小説だと気づく小説の中盤までは、まさに主人公、弥平が冷遇されることに大きな疑問を持って読み進んでいた。読み進むごとに差別問題の根の深さを感じる。
それは、、、
被差別、、ということで話の成り行きを小生自身が納得してしまうことである。
『なるほど、そういうこともあるだろう、、』なんて小生自身が頷いてしまっているのだ。差別問題に関係しない人間は、差別問題に対して、大して関心を払わない危険性を感じたのだ。小生は生活のなかで、差別意識をもって生きたことなど誓ってないが、それでも、この小説を読んでの感想は、『そういうこともあるだろう、、、』程度であり、『差別問題を即刻解消しろ!』などと声を大にして問題提起しようとの感想は抱かないのが本音だ。
この小説を読了したあとの、自分自身の感想を客観的に考えた、2008年最初の本であった。
難しいテーマを小説にした、熊谷達也氏に賛辞を言葉を送りたい。