
三島由紀夫の作品は、小生読んだことがありません。市ヶ谷で自刃したことや「盾の会」なる組織を作り上げたことは知っていましたが、三島由紀夫自身が自衛隊の体験入隊を何度もしたり、過酷なレンジャー訓練を受けたりしていたことは、此度の書籍で初めて知りました。
ある記事で石原慎太郎が、「三島はボディビルという、肉体の鍛錬をしはじめてからおかしくなっていった」という主旨の発言をしていたが、この本に書かれていることが事実だとすれば、相当のトレーニングバカになっていたと想像できる。本中に、三島と同室で寝起きし訓練を受けた自衛隊員の「上半身の筋肉はすばらしく鍛えあげていたが、下半身がとても貧弱だった」という証言がある。まさに、スポーツジムによくいる筋肉オタクとまったく同じだ。上半身に比べ、下半身の鍛錬はとてもキツイのである。上半身の筋肉なんていうのは、その気になれば、誰でも見栄えのする程度にはなるが、強靭な足腰は、一朝一夕のトレーニングでは、つくり上げることできない。三島由紀夫は、何としても強靭に見える肉体を欲していたのだろう。
心と身体のバランスが崩れることで、心を蝕んでいき、最後はズレた精神論で、自刃していったのでないか。右よりな思想の究極は切腹にある、というのは小生にも十分理解できる。富と名声の行き着く先には、いつの世も、究極の精神論になってしまうのでろうか。
小生のような凡人には知る由もないのであった。