
「要するに、ワシらは毎日生まれて毎日死によるんよ。明日生まれんのが死によるということやろ」
本中にあった、このフレーズにすっかり考えこんでしまった。人生や死をテーマとしていることの多い白石一文の小説であるが、今回の主人公はうつ病を患っている男の話である。主人公の年代と近いせいもあって、響くものがずいぶんとあった。
小説家として、成功し、不自由なく暮らしていきながら、うつ病を患ったある意味で人生の落伍者の心持ちを描くというのはどんなものだろうか。
白石一文の小説は、結末は劇的なものではなく、「ああ、そうだろうな、、、」と思わせる内容で終わることが多い。読み進めた半ばあたりで、読者をグッと頷かせる言葉が埋め込まれている。
小生も、今日という1日を終えて、今夜また死ぬ。
そして、明日また生まれる。