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野球の動作分析家 佐藤康則のブログ

動作分析家としての活動や
野球に対して日々感じた事を綴っています

前回のブログでは、変化球の分類について書きました。


ナックルボール以外の球種は、

ボール回転軸の向きと回転数で変化する方向と変化量が決定されます。

 

ダルビッシュ投手は様々な球種を操れますが、

その中でも投げていない変化があります。

 

 

それは左上と右下の赤丸の動きをするボールです。

 

左投手で言えば、左上はストレート、右下はカーブになります。

 

右投手がそのような回転の向きで投げるのは不可能な感じがしますが、

この左投手のストレートに近い変化をするボールを投げる投手がいます。

 

ドジャースのケンリー・ジャンセン(Kenley Jansen)投手です。

 

彼のカットボールは左投手のストレートに近い動きをしています。

 

 

Kenley Jansen投手の動画を見てみましょう。

カットボールは1球目(0:05)と5球目(0:21)です。

 

 

左バッターの内角に浮き上がるように向かってきています。

 

 

では、どうやってこの変化をさせているのでしょうか。

 

ボールリリースを見てみましょう。

 

 

オーバーハンドの左投手が投げたストレートに近いボール回転軸になっています。

 

どうやってこの回転軸にしているかというと、

肘を曲げる事で前腕を垂直にし、手首も少し橈屈させて、人差し指と中指がほぼ垂直になってます。

これでほんの少しだけ前腕を回外し、この回転軸を作っています。

 

この肘だけを曲げて上から投げる方法(両肩を結んだラインより逸脱している)は

デメリットもあるので通常はあまり良いとはされていない投げ方ですが、

このようにボールの動きだけを見ると、他の投手とはかなり異質の動き方をするというメリットはあります。

 

 


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