「・・・でよー、エリシアが言うわけだ、『あたちパパのお嫁さんになるー』ってな! あのときの感動は、どれだけ言葉を尽くしたところで言い表すことなんか無理だ。だがな、ここで一つ問題が起きるんだ。俺にはグレイシアっていう女神がいる。だからといって、スウィートエンジェルの言葉も無碍にゃあできねぇ。嗚呼! 世の中にこれ以上の苦悩があるか!? えぇ、ロイさんよ!」

「あぁあるな。それは今まさに私の目の前だ。もう東方での用事は済んだんだろう。いつまでもおしゃべりばかりしてないで、とっとと中央に帰れ」

「冷てぇなぁおい。そりゃ俺だって、女神と天使の待つマイホームへ帰りたいのは山々よ。けどな、汽車の時間までまだ1時間もありやがるのよ」

「と、いうことは、だ。移動時間をさっぴいても、まだあと40分はお前の話に付き合わなきゃならんのか・・・・・・」

「おいおい、たっぷり旧交を温めあおうぜ!」

「その気があるなら一方的に家族自慢ばかりするな!」

「なんだ嫉妬かぁロイちゃん。悔しかったらお前もさっさと嫁さんもらえよ」

「べべべ、別に悔しいわけじゃないぞ!」

「なあリザちゃんもよー、そろそろ真剣に考えてやってよ。でないと俺にまでとばっちりが来ちゃうのよ」

「仰る意味がわかりかねます、中佐」

「・・・道のりは厳しそうだなぁ、ロイ」

「ほっといてくれ・・・」

「よし! じゃあ俺がお前を元気付けるとっておきの話をしてやろう! あれは三ヶ月前のことだ。エリシアが・・・」

「結局家族自慢か!」

「いいじゃねぇか。話したいお年頃なんだよ」

「ひげ面の男が、何がお年頃だ!」

「だがよ、ロイ。想像してみろよ、嫁さんそっくりの可愛い我が娘を!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「なッ・・・なんで私のほうを見るんですか大佐ッ」

「・・・うん、いいな。良すぎるぞヒューズ」

「だろ! だろ!? ついつい話したくなる俺の気持ちがわかるだろ!」

「待ってください私がよくありません!」

「いずれそのときが来たらお前の親バカ話はこの俺がたっぷり聞いてやる。だからロイ、今は黙って俺の話を聞け」

「あ、あぁ・・・・・・ん? いや待て。それとこれとは別問題だろう! いいからお前はとっとと中央へ帰れ!」

「よくありません大佐! なんなんですかさっきのは!」

「お! さっそく夫婦喧嘩かぁ? 犬も食わないっつーからな、ほどほどにしとけよ。こいつは先輩である俺からの忠告だ」

「中佐! いい加減にしてください! もうこれ以上こちらにいられると大佐の業務に支障が出ますから、別の場所で時間を潰してください!」

「な、なんだよリザちゃんまでそんな冷たいこというのかよ~。ロイ、お前尻に敷かれないように頑張れよ」

「生憎その忠告はもう手遅れだ・・・・・・」

「んもーー! いい加減にしてくださいと何度言ったらわかるんですかッ」

「ちゅ、中尉! 銃はまずい銃は!」

「リザちゃん! わ、悪かった! 調子に乗りすぎた! このとーり! 謝るから、銃を・・・・・・」



東方司令部に轟く銃声一発。



「お、やっと静かになったな」

隣の司令室で、少しばかり詰まらなさそうな表情でハボックが呟いた。

「なんにせよ、平和なこった」

とは、ブレダの言。

それに一同しみじみ頷く、とある日の東方司令部。 




相変わらず親ばかなヒューズさんとそれに振り回されるロイ、気がついたら乗せられていたリザでした。

うーん、だんだんカテゴリのsssと妄想小ネタの境が曖昧になってきたぞ。

ガンガン3月号を読んでの小ネタです。

あんまりお上品な内容ではないのでご注意。



==========



「とりあえず、自宅へ頼む」

「はい」

 後部座席に腰を落ち着けた自分に遅れて運転席に乗り込んだリザにそう告げて、ロイはシートに凭れて深く息をついた。

 それを、リザがちらりとミラー越しに見やる。

「ずいぶんとお疲れのようですね」

「あぁ、さすがにな。熱いシャワーを浴びてさっぱりしたい気分だ。中尉もだいぶ疲れただろう。・・・・・・すまなかったな」

「いえ。あなたさえご無事なら、私はそれで大丈夫ですから」

 軽く目を伏せた仕草に、リザがもう知っていることを、知った。

 外に視線を向ければ、おそらくはこれから仕事場に向かうのであろう大勢の人々が足早に歩いている。反対の車線は何台もの車が連なり、その間を自転車がすり抜けていく。

 いつもとなんら変わりのない朝だが、一方たった一晩でロイの周りは大きく変わった。まったく、切り札を手に乗り込んだつもりが、最初から相手の手のひらで踊らされていただけだったとは。ロイは苦く笑う。腹心の部下たちは切り離され、各地に散り散りになってしまった。

 だが、まだ負けたわけではない。大総統やホムンクルスたちの真の狙いはなんなのか。未だその全容を掴むことは出来ないままだが、ロイも部下たちもまだ生きている。

 これで終わったと思うな。命ある限りは、まだ。

 続いて過ぎったのは、ロイの宣戦布告に余裕の笑みで答えた大総統だった。無駄な足掻きよとのせせら笑いか、それとも、自分に何かを期待しているのか・・・・・・。

 そう思わないでもなかったが、いや、それはさすがに希望的観測が過ぎるなと、その考えは即座に捨てた。

 とりあえず、今はゆっくりと身体を休めよう。すべてはそれからだ。

 そういえば、ともう一つ。こうしてリザの運転に身を任せるのも、当分はお預けになる。無論、これもいつまでもそのままでいるつもりはないが。

 そのままぼんやりと思考の霧が晴れていくと、目を向けてはいてもまるで見えていなかった景色が鮮明に映り始めた。だが、先ほどとあまり代わり映えがしない。どうやらいくらも進んでいないようだ。

「渋滞にはまってしまったようです」

 外を気にしたロイの気配に気づいてか、それまで口を噤んでいたリザが告げてきた。前方に目を向けると、随分先まで車が連なったまま、動かない。

「だいぶ混んでいるな」

「ちょうど、朝の通勤時間帯ですからね」

 中央司令部はここセントラルシティのほぼ中央に位置しており、それを取り囲むように、その他の公的庁舎や大手企業などが立ち並ぶ。であるから、この近辺は朝の通勤時間帯ともなれば車や人で相当混雑する。ここのところセントラルでは急速に自動車が普及しつつあるから、こうして渋滞に引っかかることもしばしばだ。

 うんざりしつつも、苛立ったところで仕方もないとリザは諦観した。正直なところ、一晩中立ちっぱなしでかなり疲れたから一刻も早く家に帰りたいのだが。ロイもさぞ疲れているだろうにとミラー越しにもう一度一瞥すると、なにやらロイが落ち着かない様子でいた。

「どうかなさいましたか?」

「い、いや、なんでも・・・・・・」

 そういう割には目が泳いでいる。もぞりもぞりと身体を動かし何かを堪えているようなのだが、そこでリザはふと思い当たった。

「もしかして・・・・・・」

 びくりとロイが震えたのを見て、リザは確信を強めた。

「お手洗い、ですね?」

 言い切られてロイはやや逡巡を見せたが、やがてこっくりと頷く。

 だがわかったところでどうしようもない。この近辺はオフィス街で、手軽にトイレを借りに入れるような施設もない。

「子供じゃあるまいし、お手洗いくらい司令部で済ませてきてください!」

「しっ、仕方ないだろう! ほぼ軟禁状態で出るに出られなかったんだ!・・・・・・しょうがない、その辺の路地で・・・・・・」

「国軍大佐ともあろう方が、軍服のまま立ちションなんてお止めください」

「妙齢の女性がストレートに言うな!・・・うぅ・・・」

「とにかく、お止めください。人に見られでもしたらどうするんですか」

 誰か、特に軍関係者に見つかったらそれこそ嘲笑の的だ。だからといってどうすればいい。渋滞が動く気配はまったくない。

 家までもつだろうか・・・・・・答えは否だろう。ロイの額には徐々に脂汗が滲んできている。状況は切羽詰っていて、まったくもって予断を許さない。最悪の事態なぞ、想定するだに恐ろしい。

 リザは素早く辺りに視線を巡らせた。前方に路地が見える。同時に、素早く頭の中で地図を思い浮かべた。

「・・・・・・大佐、下腹部に力を入れて、どこかにしっかりお掴まり下さい」

「え?」

「少し運転が荒くなりますのでご注意を」

 言うや、リザは思い切りハンドルを切って、一気にアクセルを踏み込んだ。車は渋滞の列から外れて車一台通るのがやっとの路地に飛び込み、そのままスピードを緩めることなく疾走する。車の両脇すれすれを、目にも止まらぬ速さで建物の壁が流れていく。

 必死でシートにしがみつきながら、ロイは生きた心地がしなかった。

 危ない! 前から人が来たらどうするんだ!

 そう叫びたいのはやまやまだが、迂闊に口を開くと舌を噛みそうだし、何より気を抜くと、ヤバい。

「ここを抜けた先に中央公園があります。そこまで我慢してください!」

 叫ぶようなリザの声にも応える余裕はまるでない。ほんの僅かでもリザがハンドル捌きを誤れば壁に激突、このスピードではよくて大怪我、二人揃って仲良くあの世行きの可能性のほうが遥かに高い。

 いやだ! 負け犬で終わるのは絶対にいやだ! 頼む! どうか、どうか無事でいさせてくれ!

 うっかり信じてもいない神に祈りかけたとき。

「着きました」

 まるで天からの啓示のような声に、いつの間にやらぎゅっと瞑っていた目を恐る恐る開くと、公園の中と思しき場所で車は無事停止していた。

 あぁ、生きているって素晴らしい・・・・・・ロイはぐったりとシートに身を預けながらしみじみと思った。イシュヴァールのときですら、ここまで身に染みて感じたことはないのではないだろうか。

「さ、手遅れになる前にお急ぎください」

「あ、あぁ、そうだな・・・・・・」

 リザが開けてくれた扉からロイはよろよろと車を降りると、目の前の公衆トイレに内股で入っていった。


 奇跡的にも、車中でいたしてしまうという最悪の事態を免れたことに感謝しつつロイが至福の時を過ごしている間、リザはそっと呟いた。

「まったくもう・・・・・・当分私はあなたのお守りを出来ないのですから、ご自分でしっかりなさってくださいね・・・・・・」

 切ない淡い笑みを浮かべながらのその姿は、朝日に照らされて美しく輝いていた。



 これで、場所が公園の男子トイレ前でさえなければ・・・・・・。


==========



えぇっと、これはなんだろう・・・・・・。

リザさんが「御手洗いから・・・」と言っているのをみて、そういやロイはどうしたんだ?と思ったのがきっかけだったんですが、書いているうちに色んなこと詰め込みすぎて、なんだかまとまりがつかなくなってしまいました(^^;

2月号以前を全然読んでいないので、もしかしたらないように矛盾があるやもしれませんが、その辺ご容赦いただければと思いますm(_ _)m

・・・・・・ネタがアホすぎて、矛盾を気にする以前の問題か・・・・・・。

私はコミック派ですが、余所様の感想を見て矢も盾もたまらずに本屋に走って、そして立ち読みしてまいりました!

(牛先生スクエニさんならびに本屋さんゴメンナサイ・・・・・・)

ネタバレになるので以下反転。



ロイアイきたーー!!

きたきたキタキタきぃたぁぁぁ!!!(大絶叫)

レジから丸見えのところで堂々と立ち読みしつつ、顔がにやけるのをごまかすのに超必死。

リザさんのことに気づくの遅いよ増田!とは思ったけど、その後必死こいて走る増田に乾杯☆

そして増田、わかってないねぇ。

一晩まるまる待っちゃうバカなんですよリザさんは!

その愛の深さに幸せ噛み締めろ!

いやもうホント幸せ~・・・・・・vv


そして、久しぶりにロイのかっこいいところを見た気がするよ。

負け犬より飼い犬として野望達成の機会を窺う宣言、うっかり惚れそうになりました。

けどエルリック兄弟にカツアゲされる情けない三十路、地位は国軍大佐。

しかしよっぽどしけた額しか持ってなかったんだろうか。

まさかお財布の管理までリザさんに任せてたんじゃなかろうな。

自分はとりあえずコーヒー代程度のジャリ銭をポケットに突っ込んどくだけだったりとか。



以下、ブラックアルといじめられっこ増田妄想。


まずは増田からお財布を頂いたアル。

中身をきっちりチェックしつつも。

「とりあえずジャンプしてみてよ、大佐」

「こ、こうか?」

チャリンチャリーン

「なんだぁ、まだ持ってるんじゃん。出して♪」

「えぇ!?これは帰りの電車賃で・・・・・・」

「だ・し・て♪ ね?」

「ハイ・・・・・・(涙)」

エドよかアルのほうがこういう役回りが似合うように思います。

えーっと、純真なアルファンの方ゴメンナサイ・・・・・・。

もちろん、Full Chin Alchemistにはきっちり笑いましたとも。


今回はエドウィン、ロイアイ、リンランカプ好きにはたまらない回でしたね。

しかしランファン、切ない・・・・・・。

グリードさんがどう動くのかも気になるし、なにより大総統。

うーん、お父様と人間(ていうかエドとロイ?リンにも?)を天秤にかけてるのかな。

どっちについたら自分がおいしいか、じゃなくてね。

もしかしたら、ハガレンの中で世の中の行く末について一番考えてるのは、大総統かもしれないなーと思いました。



とりあえず、こんなもので。

感想というよりは好き勝手に叫んだだけだけど(^^;

まあ立ち読みですしー。

早くコミックでまとめて読みたいと、切に切に思うコミック派くじょらでした。






(・・・・・・手前味噌な話ですが、あんなカッコいいこといっときながら、実はあのときもオヤジ三点セット着用してるんじゃなかろうなと思うと、違った意味でにやけてしまう私・・・・・・)

にチャレンジしていきたいと思います。

基本ロイアイで。

このお題のコンセプトは、

1. お題に沿って、65字以内場面を描写

2. 具体的な描写が第一目標。描写から場面が想像できるように。

3. 65文字の中に独立したストーリーが見えるように。

どこまでコンセプトに沿えるかは微妙ですが、文章力アップのため、一つ頑張ってみます。


更新履歴

1/24 23. 彼と彼女

1/13 22. 噂

1/5 21. 神秘 25. 生

12/28 16. 遊び 18. 仕事 19. 化粧

12/19 05. 学ぶ 09. おとな 10. 食事 11. 本 14. 手紙 26. 死

12/11 02. 嘘 03. 卒業

12/01 20. 怒り

11/30 08. 癖 34. 今昔(いまむかし) 40. 贈り物

11/26 12. 夢 04. 旅

11/25 36. 浪漫

11/23 31. やわらかさ

11/22 17. 初体験


以下、お題一覧。


00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。


01. 告白  02. 嘘  03. 卒業  04. 旅  05. 学ぶ  06. 電車  07. ペット  08. 癖  09. おとな  10. 食事  11. 本  12. 夢  13. 女と女  14. 手紙  15. 信仰  16. 遊び  17. 初体験  18. 仕事  19. 化粧  20. 怒り  21. 神秘  22. 噂  23. 彼と彼女  24. 悲しみ 25. 生  26. 死  27. 芝居  28. 体 29. 感謝 30. イベント 31. やわらかさ  32. 痛み 33. 好き 34. 今昔(いまむかし)  35. 渇き 36. 浪漫  37. 季節  38. 別れ 39. 欲 40. 贈り物


お題配布元はこちら ≫ 文章修行者さんに40の短文描写お題

中庭を見やった上官が殺気立つのを、後ろを歩く部下はすぐに察知した。

視線の先には談笑する金髪の男女。

ご愁傷様と、心の中で男に呟いた。




とりあえず、逃げろハボ。

「少尉!またフラれたんですって?」

「いようハボ、自棄酒付き合うか?」

うるせぇお前ら!一応まだ継続中だ!

・・・事実になる日は近そうだが。




ハボがいつフラれるか、彼女と何ヶ月くらい持つか、東方司令部内ではそれをネタにトトカルチョやってそうだ。

 東方司令部の屋上、更にその出入り口の屋根の上、つまり、東方司令部で一番高い場所を今日のサボり場所として定めた。己の腕を枕にして、撫ぜるような微風と柔らかい陽光の毛布にうとうととまどろむ。

――――サボりだなんて人聞きの悪い。休憩といってくれないか。

 誰にともなくそんな風に言い訳をしながら、ロイはひとつ、喉の奥まで見えそうな大きなあくびをした。目元に滲んだ涙をごしごしと乱暴に拭う。

 視界いっぱいに広がる空には、青に溶けてしまいそうな薄い白の月が、出る場所を間違えてしまったかのように頼りなげに浮かんでいる。

 麗しの副官が見れば、「行儀が悪い」と冷静に斬って捨てる仕草だが、幸い見ているのは居場所を間違えた月だけだ。月は文句は言うまい。困ったようにただそこに浮かぶしかないのだから。

 早く姿を隠したいと思っても、一定の速度でしか進めないのはなんと不便なことだろうか。隙をついてするりと責務から逃げ出してきたロイは、月を憐れんでくつりと笑った。

 それでも、ここに来た時よりも少しばかりその位置を右にずらしている。それから時刻を推測してみれば、だいたい1時間ばかりが過ぎた頃だろうか。

 他人が聞けば科学者らしいと感心するかもしれないが、実のところけっこう適当な目測で、とどのつまり当てずっぽう。懐には時計が入っているが、こんな気持ちのよいときに、きっちり数字で分秒まで時間を把握するような無粋な真似はしたくない。

 きっともうすぐ彼女がやってくる。自分が射撃訓練に出た隙に、仕事を放り出した上官――つまり、ロイのことを探して。

 彼がどこに隠れても、彼女は必ず見つけ出す。ヒントもないのに、極めて短時間のうちに。その驚異的なスピードが司令部内の賞賛の的であることは、非常に不本意であるらしいが。

 ロイは、自分を見つけたときの彼女の表情が好きだ。莫迦な上司に心底あきれ返ったような、時に本気の怒りを露わにして、それでもほんの僅か、もしかしたら本人も知らないかも知れないが、ほっとしたような笑みが含まれるのだ。

 決して彼女を困らせたいわけではない。

 それを目にするたび、ロイの胸もまた僅かばかり痛むのだが、ただ、他の人間からみれば鉄面皮、あるいは氷の女と称されるほど感情を面に出さないリザが、自分のために表情を変えるのが嬉しくて、つい痛みをもねじ伏せる悦びを求めてしまう。


 あぁ彼女がやってきた。聞き覚えのある耳に馴染んだ靴音が、直接寝転がったコンクリートを伝って聞こえてくる。

 階段を一段飛ばしで駆け上がって屋上の扉を開けて周りを見回して、それから壁に埋め込まれた足場を上ってそこに顔を出すまで、もう少しの間だけ目を瞑っていることにした。




(「文字書きさんに100のお題 :052. 真昼の月」)

「これからが、本当の戦いだ」

砂礫の大地を、前を見据え確りと踏み締めながら歩く。後に残る三つの足跡を、風が少しずつ吹き消していった。




生きているからこそ己が為すべきことも見えるわけで。

「女体は男にとって永遠の神秘だ!」

即ち追求して当然と手を伸ばす男の額に、冷たい銃口が押し当てられた。

「時間外に別のところでどうぞ」




セクハラ三十路。

いったいどこでサカったんだか。

自分では選ばないだろう強い紅色を唇に纏っただけで、鏡に映るのは別の女のよう。
傍でにやける男に無性に腹が立って、その唇に噛み付いた。






目指せ・食えない増田!

・・・・・・のはずだったけど、やっぱりキモいだけで終わりました・・・・・・。