ガンガン9月号をようやく読んだ。
超久しぶりに感想アップでございます。


今月も牛先生どうもありがとう・・・・・・!!

反転するほどの内容じゃないですが、ちらともネタバレはイヤじゃという方の為に大幅改行します。














「ほかの男にとられちゃいましたよー」の台詞だけで今月はもう大満足でございました。

「しなないでくださいね」とか「中尉はやさしいな」にも悶えまくり。
しばらくは近距離別居(違う?でも近くね?)でがんばれロイアイ!

そしていよいよあの御方が動くとあって、来月も見逃せませんな。

女性からの電話と聞いて、山ほど女性のお名前が出てくるグラマン中将素敵すぎです。

ロイに女遊び教えたの、中将なんじゃないのか?
それにしても、リザさんの隣できゅんきゅん鳴くハヤテ号に私の胸がきゅーーん。
うーたん(My飼い犬)やらパイレーツの犬やらハヤテ号やら、犬にときめきが止まりませんがな。

ハボも笑って「またな」と言ってましたね。はようカンバックだよハボーー!!


先月号も思ったんだけど、リザさんのいう「次世代」には、ロイやリザさん自身の子供は含まれてるのかしら?

あの口ぶりからして含まれてなさそうだよなー。

でもぜひ含めてほしいと切実に思う。

ロイリザ派としてってことじゃなくて、彼らいわく「血に塗れた手」で作り上げる明るい未来から、自分たちを除外しないでほしいなぁと、少し真面目に思った次第でありますよ。

彼らは彼らなりに苦しんだからこそ幸せになってほしいなと。

まあ本人たちからしてみれば第三者からの勝手な意見かもしれませんが(苦笑)


なーーんて思う一方でマルコーさんの青ざめ顔に爆笑していたわけですが。

発売日にゲット!

買うことになんのためらいもなかった私は、また一つ階段を上ったらしいよ < 某海獣さんへ私信


この先ネタばれになるので反転~。



とりあえず思いつくまま箇条書きに。


・「リザ!!」

本編初の名前呼びキターーー!!!

(瀕死のおとーたまの絶叫ではまさかあるまい)


・最初の回想は、ロイが、リザさんを大総統に人質に取られてしまったから過去を思い出してチクショー!と悶えてるってことだよな!

ロイアイ思想で大暴走中。


・ロイは国家錬金術師資格より軍人になるのが先だったのか。

階級がすんごく気になったんだけど、見えなんだ・・・・・・。

准尉からスタートかな。


・ロイの錬金術の師匠は、基本がリザおとーたまで焔はリザさん!?

リザおとーたまが焔の錬金術の師匠かと思ってたら、基本しか教えてくれてなかったのね。

これって、リザ自身が錬金術を使える(使えた)ってこと?

それとも背中の錬成陣が全てだからそれを見せてもらえと?

いずれにしろエロイアイ路線が超強固なものに・・・・・・!!


・今際に娘のことをひたすら気にかけるおとーたまに愛を感じます。

ロイ、そこはしっかりと頷いておけ。

つーか、おとーたまとおじーたまからリザさんを任されたってことだよね!!


・リザさん、おとーたまが亡くなる時点ではまだピアスしてなかったのね。

いつもつけてるピアスはやっぱり増田からのプレゼント!?

士官学校に入学したときにでもピアスをもらってると、いいな!


・ハヤテ号、前肢が顔にめりこんでますがな。

あれなら鼻を押さえるくらいお茶の子さいさいと見た。


・私もリザさんに「だめっ」って叱ってもらいたい。

増田もああやって怒られているんだろうか。

ちくしょーうらやましいぜ!


・「ウィンリィちゃんを守ってあげてね」「大好きなんでしょう」

この一連の流れから、つまり自分がロイを守るのもそういうことだということか。

まあ知ってるけどな!!(まだまだ大暴走続行中)


・リザさんのお部屋に増田はいなかったか・・・・・・チッ。

もう一部屋くらい隠し部屋はないかね?

ないかな・・・・・・ワンルームっぽいもんね・・・・・・。


・ウィンリィ両親カッコえぇ。

しかし、なんか嫌な予感・・・・・・。

スカーが殺したには違いないのだろうけど、その前にアメストリス軍の襲撃があったりしないんだろうか。

「燃やす」ってことは、ロイかキンブリーあたりが関わってきそうな気もするんですが、どうなんだろう。



とりあえずはざっとこんな感じで。

ところでリザさんのおかーたま(グラマン中将の娘)はもうお亡くなりになっていたんだろうか。

だとしたら、研究に没頭するおとーたまと二人で極貧生活だったってことだよね。

そこへ増田が弟子入り志願でやってきて一時期一緒に住んでいたなんて妄想したら、超萌えた!!

だってホークアイ父子はあんまり人付き合いもなかっただろうし、そしたらリザさんにとってはおとーたまとロイがこの世のすべてといっても過言ではなし!

どっちかがバスルーム使ってる最中にもう一人が気づかずにドア開けちゃうドッキリハプニングの一度や二度はあったに違いない。


<もし増田が開けちゃったほうなら>

一気にゆでだこになって「ごめん!」と叫んでドアを閉める。後で、ほんのちょっとの時間ながらも網膜にしっかり焼きついたリザの裸を思い出してベッドで身悶え。もちろん鼻血つき。


<もしリザさんが開けちゃったほうなら>

「すみません、でも鍵くらいちゃんと掛けておいてください」と至って普通にドアを閉める。増田は全て見られちゃったショックとまったく動じなかったリザの態度にわーーん泣き。ちょうど第二次性徴期に差し掛かったころだと良い(まあぶっちゃけ生えかけのころ/お下品)。

「花より男子」で花沢類にトイレのドア開けられたつくし状態ですな。


おとーたまが亡くなった後は、リザさんはしばらく一人であの家に住んだのだろうか。

それとも増田がイーストシティに連れていったんだろうか。同棲ですか!?キィヤァァァァ!!

あぁ、なんだかもう妄想が止まりまへんがな!!

先月は衝撃のあまり妄想もできないとか思ってたけど嘘みたい!

牛先生ありがとう!

ある程度は皆様予想の範疇だっただろうけど、こうして牛先生によって描かれるとその感慨はひとしおやーー。

ありがたやありがたや。


それと、エド→ウィンフラグも立っちゃったかい?

お茶ふきだすエドとそれを引っかぶるハヤテ号、一緒になって頭を振る一人と一頭がとても愛らしい。


来月はいよいよイシュヴァール国家錬金術師投入編かー。

そこではどんなロイアイが見られるのか、今から超楽しみうっきうき。

これでまた一月が楽しく過ごせそうだ。

そしてこれを書ききればロイアイサイトめぐりも解禁!

あちこちで錬成されているだろうネタを見るのが楽しみだーー!!

本屋三軒、コンビニ四軒。

回ったけどガンガンゲットならずだったよワーン!!(>_<)

いや、明日が発売日ってのはよくわかってるんだけどさ、ならあちこちにあるネタばれはなんなのよ・・・・・・!!

明日は意地でもゲットしてやる心意気で、フンガー!!


あ、まだネタばれも見ていないので、くれぐれもばらさないでくださいねーー。

4/2に浅草橋で行われたBB2に行ってきましたー!

大好きなカプリだらけのイベントで超幸せ・・・・・・vv

興奮のあまり嬉ションするかと思った(本気度不明)。

その証拠に(?)、イベント行くときはいつもお昼くらいに待ち合わせる体たらくだったのが、開始時間前には会場について並んじゃうという気の入れよう。

おかげで、ほしかった本はほとんどゲットできなおかつその他諸々物色しまくってお財布のひもは終始緩みっぱなしでした(何冊か買い逃したけど・・・・・・/悔)。

この際、いくら使ったかは考えないことにするけど、帰りの荷物は驚くほど重かった。

ネットでお話したことのある方に直接会えたり(Tさん、Iさん、ありがとうございました!)、ゲームサイトのほうでお世話になった方がサークル参加しててビックリしたり(お話できて楽しかったです。10月も楽しみにしてますよ、Mさん!)、列に並んでいた前の方と思いがけず話が盛り上がったりと、ロイアイ好きさんとの交流でも大満足でした。


途中、発火布の落し物があったらしく、

「お心当たりの大佐は~・・・」

なんてアナウンスもあって会場内は拍手と爆笑。

きっと、増田の無能っぷりがレイヤーさんにも一時的に移ってしまったに違いない。


そんでもって10月にまたあるんですよね、このイベント。

いやー、そのときまでにまたお金貯めとかないとな!


それにしても、すごい人でビックリしました。

主催の皆様おつかれさまでした&素敵なイベントありがとうございましたー。

今回は春らしいピンクの服装でということだったけど、生憎ピンクなんて色は私の生活にはほとんど存在しないため、緑にジーンズという至極色気のない格好で行ってしまった・・・・・・。

いや私びっくりするほどピンクが似合わない人間なもので(^^;

※ ガンガン4月号を読んでの小ネタです。さっくりネタバレしておりますので、未読の方はご注意ください。














 ロイは、中央のリザの家には数えるほどしか来たことはない。おそらく一度か二度、その程度だ。
 東方から異動してきてまだほんの一月足らず、その間調査をしたり作戦を練って実行したり結果入院したりと目まぐるしく動き続けていたおかげで自宅にすらろくすっぽ帰っていないのだから、それも当然といえば当然のことなのだが。
 常にロイの手足となって動くリザも似たようなものだ。だから、最低限の荷解きしか終わっていない状態の部屋は、部屋主の匂いが移るほどにはまだ互いに馴染んでいないらしく、ほこりっぽさ、かび臭さばかりが鼻についた。
 それでも、すっかり年季の入ったベッドは東部のときと変わらず、ほとんどのりの落ちたカバーを纏った枕に顔を埋めれば、リザの香がしっとりと鼻腔に入り込む。
 すっかり身に馴染んでいるリザのベッドで、ロイは一人目をつぶった。汗と埃と疲れを洗い流したいからと、リザはシャワーを浴びている。
 昨晩は眠るどころの騒ぎではなく、眠気を覚える暇すらなかった。だから、ベッドに横たわれば即座に眠れるかと思っていたが、疲労が勝ちすぎてか、こうして瞼を閉じていても落ち着かない。
 一方で緊張は解けたせいだろう、まだ治りきらない左わき腹が今になってじくじくと痛んできた。
 リザがシャワーから出てきたらやさしく手入れをしてもらおう。それが終わったらリザのやわらかい肢体を腕に抱きこんで今夜は朝までゆっくり眠ろう。彼女にたっぷりと甘えることでしか、この疲れは癒せそうもない。
 寝不足のためかじんじんとざわつく後頭部を押さえて、ロイはまんじりともせずにリザが戻ってくるのを待った。
 だがそれよりも早く、こんこん、と。扉を叩く音がした。続いてなにやら声がしたが、シャワーの音にかき消されてロイのところまでは明確には聞こえない。
 ロイに先掛けて反応したハヤテが素早く駆けていき、わんわんと吠える。主人に来客を告げたのだろう。その様子を、一応顔だけはそちらに向けて、ロイはベッドにひっくり返ったまま耳だけで拾う。
 誰だ。勧誘か。セールスか。男か。燃やす。
 手は無意識のうちにサイドボードを探り、置いていた発火布に触れると素早くそれを装着する。
 人間は疲れているときには短絡思考に陥りがちなものだがロイも例外ではない。もともと肝心なところで短慮に走る傾向のある彼だ。ましてや、常日頃からリザが絡むと短慮どころかほぼ脊髄反射で動くのが、疲れがピークの今はそれに更に拍車が掛かっていた。
 その間に、愛犬の声に反応してかシャワーの音がすぐに止んで、シャワールームのドアが開く音に続いてリザの声が聞こえてきた。
「ハヤテ号? お客?」
 扉の向こうからなにやら応答があったが、やはりその言葉や声ははっきりとはわからなかった。
 しかし、その次のリザの言葉で、ロイはやってきたのが誰なのかを知ることになる。
「エドワードくん! どうしたのこんな時間に」
(なに? 鋼のだと?)
 なぜエドワードがこんな夜にリザの元にやってくるのだろう。家など知らないはずなのに。
 それに、エドワードといえば現在15歳。もうまもなく16になろうかという頃合だったはずだ。見てくれこそ平均身長にはるかに足りない小柄さだが、彼も男は男。
まだまだ子供だと思って油断していると足元を掬われかねない。発育途上にあるその頃の男は欲望が先走る傾向にあることを、ロイは己の経験上よっくわかっている。
 こんな夜に女性の一人暮らしの家を男が訪れるなら目的は一つしかない。と、ロイは思い込んだ。これも短慮の成せる業か。
 鋼のめ、私のリザに手を出すとはいい度胸だ!
 エドワードが知れば「アンタと一緒にすんじゃねぇぇ!」と大暴れするところだろうが、それを事実と決め付けて疑いもしないロイは、疲れた身体に鞭打って起き上がった。
「あらま、いつでもいいのに。ちょっと待ってて、すぐ出るから!」
 相変わらずエドワードの言葉はロイにはよく聞こえないが、何か返事があったのだろう。リザが言葉を返す。
「出なくていい、私が・・・・・・ッッッ!!??」
 それを制そうとして、ロイは廊下の入り口にしばし呆然と立ち尽くした。
 が、シャワールームから出てきたリザが髪を拭きながらなんの躊躇もなく玄関に向かおうとするのを見てすぐに正気を取り戻した。
「リっ・・・・・・っつぅ・・・・・・!」
 咄嗟に腕を伸ばしてリザと呼びかけたが、途端腹部の傷が引き攣れて、あまりの激痛に思わずその場にうずくまった。
(だ、ダメだ、リザ・・・・・・!!)



 上を・・・上を着ろ・・・・・・!



 それまでの疲労も相まって霞むロイの視界には、玄関へと向かうリザの、裸の背中が白くぼんやりと写っていた。
 下こそ部屋着にしている黒いゆったりしたパンツを履いているものの、上は首からタオルをぶら下げただけ。
 無駄な肉などいっさいついていないしなやかなラインを描く背には、その美しさとは対照的な、禍々しさを感じさせる練成陣が大きく描かれている。さらにその上には見るも痛々しい赤い火傷痕が残っているが、にも拘らず尚、いや、だからこそか、地の輝くような白さが際立ち、妖しいまでの妖艶さを醸し出している。
 鼻の奥でプチっと小さな音がして、つつーと生温かい何かがロイの鼻腔を伝って垂れてきた。この感触は覚えがある。鼻血だ。
 慌てて右手で拭うと、案の定、装着済みだった発火布が赤く染まった。
 あぁ今更見慣れた背中に鼻血を出すなんて、相当疲れている証拠だな・・・・・・なんて意識が遠のいている場合ではない。
 あれでは、背中のみならず前も当然モロ出しではないか。
 ・・・・・・冗談じゃない!!そんなものをみすみす獣(この場合はエドワード)の眼前に曝したらどうなる!そもそも私以外の男がそんな眼福に与っていいものか!
 ロイは気力を振り絞って立ち上がった。右手で鼻を押さえながら左の手で椅子の背にかけっぱなしだった上着を引っつかむと、その手で左わき腹を押さえてよろよろと歩き出す。
 すたすたと進むリザまで、通常ならば5歩、大股でいけば3歩の距離が今は遠い。


 果たしてロイは間に合うのか!?
 リザは扉を開けてしまうのか――――そのときエドワードは?
 次号、緊迫の展開!?








4月号ばかネタ第二弾。
これも、前回のネタ同様絵茶で出たネタを小咄にしてみました。
元ネタはやはり某方の絵。
実際問題こんなうっかりはないでしょうけど(あったらそれはそれでリザさんの人間性に若干難アリだろう/笑)、もし仮にあったとしたら、エドはどんな反応見せるんでしょうね。
だって、エドとリザさんの身長差が如何ほどかはよくわからないけど、下手したら彼の目線の位置がちょうどリザさんのお胸ですぜ?
きっと激しく鼻血を噴射して倒れてしまうんでしょうねぇというのが、参加者全員の一致した意見でございました。
一応、この話を書くにあたり軽くプロットなぞ立ててみたのですが、その中の一文。
「リザさんの生背中見て鼻血ブー」
頭が悪いことこの上なし。
あぁ恥ずかしい。

※ ガンガン4月号を読んでの小ネタです。大したネタバレではありませんが、未読の方はご注意ください。















 ズゴゴゴ・・・・・・グオォォォ・・・・・・ズゴゴゴ・・・・・・グオォォォ・・・・・・
 すっかり日が暮れて薄暗くなった部屋に、低い耳障りなノイズが、リズムだけはきれいに一定を保って響いている。
 その部屋の隅っこ、お気に入りの毛布の上で丸まっていたハヤテは、明らかにうんざりといった表情で顔を上げて音の発生源であるご主人のベッドを見やった。犬というのは案外表情が豊かなものなのだ。目をやった先には、彼の大好きなご主人ではない、黒髪の男が大の字にいびきをかきながら寝転がっている。
 ハヤテは昨日は一晩中フュリー曹長の寮の外で過ごしたのだが、若くて階級の低い軍人ばかりが住むその寮は夜間でも人の出入りが多く、また慣れない環境や夜になれば迎えに来てくれるはずだったご主人が来なかった不安も手伝って落ち着いて眠ることができなかったために、少しばかり寝不足だった。
 それなのに、部屋にこだまするこの不快な音のせいで寝るに寝られない。時折「ふがっ」だの「ごっ」だの大きい音を立てては止まるが、それもほんの一瞬のこと。またすぐに始まるのがますます落ち着かない。
 男はまだ日の明るいうちにやってくるなりベッドで寝入ったまま、ぴくりとも動かない。ついさっきまではご主人も一緒に寝ていたのだが、今は起き出してシャワーを浴びている。
 その水音もひっきりなしに聞こえてくるけれど、大好きなご主人と一緒にいるのだと思うと邪魔どころかむしろ安心を覚える。けれどこのいびきは・・・・・・。男のいびきを聞くのはこれが初めてではないが、何度聞いても慣れることができない。
 そもそも、なぜその男がご主人のベッドを我が物顔で使うのか。それがハヤテには不満だった。
 どうしてかは知らないがご主人は彼に絶対の忠誠を誓っているようなので、ハヤテもしぶしぶ、ご主人の主人に対して表面上はそれなりの態度を取ってやるのだが、男はそれに対して恩を仇で返すような真似を平気でしてくる。ときどきご主人とハヤテが暮らす部屋にやってきてはハヤテを邪険にし、ご主人に無体を働くのだから。その無体をご主人もどうして許すのか。大好きなご主人だけど、そこだけは理解できない。
 極々たまぁにご主人の目を盗んでこっそりハムやらソーセージやらをくれることだけは、それなりに評価してやってはいるけれど、それでも、トータルすればその評価ははるかにマイナスに傾くわけで、そんな男に気を使ってやる必要はない。むしろ向こうが気を使うべきなのだ。
 ハヤテはそれを声を大にして主張すべく、ベッドに飛び乗った。その勢いで少しばかりベッドが揺れた。だが男は起きない。
 試しにわき腹を前肢で突付いてみた。それでも男は目を覚まさない。
 しょうがないので胸の辺りによじ登ってみたが、眉間に皺を寄せるだけで、やはり目は閉じられたままだった。不快な音も、一瞬小さくはなったもののすぐに元の大きさに戻ってしまった。
 さてどうしたものか。
 そういえば、とハヤテは思い出した。前にも男が立てるこの音がうるさいといって、ご主人が鼻をつまんだら音が止まったことがあったような気がする。しかし、自分にはご主人のように自在に動く指はない。かじりついてやるのも一興だが、怪我をさせると自分がご主人に怒られてしまう。
 少し考えて、試しにハヤテは前肢で鼻の穴を押さえてみた。すると、音が止まったではないか。やった、これでようやく眠れる。さて自分の寝床に戻ろうかと、ハヤテが前肢を離した途端。
 ズゴゴゴ・・・・・・
 また音が鳴り始めた。仕方がないのでもう一度穴を押さえてみる。音が止まる。今度はさっきよりも長めに押さえた後で離してみる。
 ふンごっ・・・・・・ゴゴゴゴゴ・・・・・・
 ハヤテは学んだ。どうやら、ずっと穴を塞いでいないと駄目らしい。
 胸の上に乗っかったまま、ハヤテは再び思案に小首をかしげた。
 このまま穴を塞ぎ続けているととても眠るどころではない。かといって、肢を離せばまた音がうるさくて寝られない。それではどのみち眠れないことには変わりがない。なら、音がないほうがまだいい。
 それに、もうすぐご主人がシャワーを終えて出てくるはずだ。ご主人もこの音は嫌いらしいから、ご主人のためにもそのほうがきっといいだろう。いいに決まっている。そして、よくやったとハヤテの頭を撫でて褒めてくれるに違いない。
 そのことを想像して、ハヤテは穴を押さえる肢に力を込めた。時々肉球が吸い込まれて穴にぴたっとくっつく感覚もけっこう好きかもしれない。
 押さえてしばらくしてから、男の身体がぴくっ、ぴくっと動き始めた。人はそれを痙攣と呼ぶ。そのたびに、上に乗っているハヤテはうまくバランスをとらなければいけない。その動きはあっという間に大きくなってきていい加減バランスをとるのも難しくなってきたとき、シャワーの音に混じって扉を叩く音が聞こえた。誰かがご主人を訪ねてきたようだ。
 人間というのはハヤテよりも耳がよくないらしい。敬愛するご主人もそれは同じだから、シャワーを浴びながらではきっと気づいていないだろう。教えてあげなくてはいけない。
 ハヤテは一瞬ぐっとかがんで男の胸を思い切り蹴りつけると、一気にその身体、そしてベッドから飛び降りて玄関へ走った。



「・・・・・・ぶ、はっ・・・・・・・・・ぜっ・・・はっ・・・ぜっ・・・はっ・・・・・・」
 い、今のはなんだったんだ。
 浅い呼吸をせわしなく繰り返しながら、ロイは朦朧とした頭で考えた。
 疲れ果てて眠っていたところへ、突然胸が重くなったかと思うと呼吸がままならなくなった。誰かが鼻を押さえているということはわかったのだが、それを払いたくとも怪我が治りきらない身でホムンクルスと戦い司令部に乗り込んで大総統と直接対峙し完敗を期して心身ともにすっかり衰弱した今の状態では、己の意思ではぴくりとも身体を動かすことが叶わず、覚醒しきらないままだんだん遠のいていく意識の中、気がついたら目の前に一面明るい花畑が広がりその向こうに幅広の川が見えた。その対岸ではヒューズが写真を束で握り締めた両手をぶんぶんと振っていたような気がするが、はっきりとは思い出せない。
 ただ、思わずふらふらっと川の中に入っていこうとしたら、急にふっと辺りが明るい光に包まれて、それが収束したかと思ったら呼吸ができるようになっていた。
 直前、胸に鋭い痛みを感じたような気もするが、今は酸素を供給することに必死でそれどころではない。



 ロイは知らない。自分の鼻を押さえていたのがハヤテであったことを。
 ハヤテは知らない。自分が鼻を押さえることでロイがうっかり三途の川を渡りかけたことを。
 エドワードは知らない。自分のノックが窒息寸前のロイを救ったことを。
 リザは知らない。愛犬が上官に止めを刺しかけたことを。



 こうして、人知れず起こったアメストリス国軍大佐窒息殺人未遂事件は、当事者たちさえも知らないまま、夜闇に消えていったのである。



==========



某所様の絵茶に参加させていただいて、そのときに出たネタを小咄にしてみました。

エドがリザさんのところに来たときに、奥で増田がいびきかいて寝てたりしてね、うるさいからハヤテが鼻押さえてたりしてね、でも増田は疲れすぎてて動く余裕がなくてうっかり窒息しちゃうんだとかなんとか。
このネタで描かれた絵があんまりにも可愛らしくて・・・・・・!!

国軍大佐であり国家錬金術師でもある増田にとどめを刺すハヤテに最強犬の称号を贈ります。

いつものことながら、勝手に書いてしまって申し訳ありません・・・・・・。 < チャット参加者の皆様

予告どおり、買っちゃいました。

人生初ガンガン。

つーかそもそも漫画雑誌を買ったの自体、たぶん10年以上ぶりだよオイ!!

パプワくん懐かしすぎ。

昔単行本買ってたなぁ。



てことじゃなくって。

さてもう一度、感想叫んでみよー!!

ということで、以下反転。



リザさんの錬成陣、昨日は蜥蜴の上に太陽とか言ったけど嘘だ、下じゃん!

自分の記憶力がいかに頼りないかがよくわかりました。

しかし今月号は少佐から始まって大佐もちょろっと、ノックス先生、マルコーさんと順番にイシュヴァールに触れていって、トリがリザさんしかもあんな錬成陣。

やっぱりあれは、ノックスさんいうところの「人体実験」に関係するんでしょうか。

中心部分はやっぱりロイの錬成陣によく似てますね。

上の焔マークと下の火蜥蜴は若干違うけど。

リザさんの背中のほうが、蜥蜴が妙にリアル。

きれいなくびれあるし。

あれ、施術者が軍関係者かそうじゃないかでまたずいぶん話は変わるもんねぇ。

残念ながらそこまで考察能力も知識もないので自分で「どゆこと??」と思うだけで終わってしまうのが哀しいところですが。

所によってはあの陣に書いてある言葉の意味とか、印の意味とか、深く深く考察がされてて皆様すごいと思います。


まあリザさんの錬成陣はひとまず置いといて、他のところ行ってみよーっと。


リザさんの家の洗面所、ロイの私物が置いてありませんか?(唐突)

右端のカップはロイ用?

その上のビンは男性用トニックか何か?

なんだよアイツ、とっくの昔に中央の家にもお邪魔済みかよーー!!

つーかリザさんシャワー浴びてたの、まさかコトの後ですか?

まさかロイのやつ、エドが来たとき奥でぐーすか寝てるんじゃないでしょうね!?

それにしても随分年季の入った建物に住んでいるみたいだな。

なんか、そんなところにオットコ前だなーと思ってしまうのは私だけでしょうか。

濡れ髪リザさんが美人過ぎてたまりません。

くそぅ、うらやましいぞロイ!


そしてアレですね。

上官であるロイが助手席で少佐が後部席つーのはやっぱり物理的に無理だからですよね(当たり前)。

乗るときになにかひと悶着あると嬉しい。

ほらロイのやつ、前にアルに押しつぶされたことあったじゃん!

さりげなくトラウマだったら笑える(鬼)

「少佐、後ろに乗りたまえ。私は前に乗る」

「上官を差し置いてそのようなこと、出来ません」

「いい。気にするな(私を押しつぶす気か!圧死するちゅーねん!)」

「では我輩が前に・・・・・・」

「これは上官命令だ少佐!(私の中尉と密着する気かーー!!)」

「むぅ、そこまでおっしゃるのであれば従います・・・・・・」

その割には後部席で妙に偉そうな少佐(笑)

そこはやはりお育ちのなせる業か。

見た目だけなら一番上官ぽい。


荷造りブレダ、自分のより先にハボのをやったんだろうか。

なんかそうっぽい感じがするなー。

そのときに、

「あ!これ俺が貸してた雑誌(エロ/笑)!」

「これも俺の・・・・・・散々探したのに、あいつだったのかーー!」

と山ほどブレダからのパクりもんが出てきたりしたら面白い。

ハボさんブレダのものには遠慮なさそうだし(笑)


洗濯物にキノコが生えちゃってるノックス先生、残ってるマグカップが寂しいですね。

写真より物が捨てられないのって、なんだかわかる気がする。

日常的によく使っていたものほど、いろんな思い出が染みこんでるし、なによりおそろいのものを崩すのって、それこそ思い出を崩すような感じがするのか、もしくはまた一緒に暮らしたいという願望の現われか。

アルも切ないねー。

みんな元気で仲も悪くないのにどうして一緒に暮らせないのかって、ものすごく子供らしい素直な感情だと思いまふ。

それだけじゃやっていけないこともあるっていうこと、まだ理解は出来ないんだろうな。

大人びているけどそういうところは成長できないままに来たのかな。

やべー、先月カツアゲアルとか書いちゃったよ!ごめんね、アル・・・・・・。

でも無邪気に毒舌吐く君が好きなんだ(笑)


最後にもう一度リザさんの錬成陣。

最初見たときは火傷の痕もあって痛々しいと思ったけど、なんか妙な色気があって、萌ゆる。

背中のラインがほんに色っぽいです。

眼福眼福!

そしてあの錬成陣を焼くロイを妄想してはまた頭の中ぐるんぐるんです。


いろいろなところで今月号のネタばれを読んでいてもたってもいられなくなり、今月もまたやっちまいました・・・・・・。

牛先生、スクエニさん、そして某書店様、大変申し訳ありません。

いや、三軒目で立ち読みできないようになっていたら、今度こそ買おうと思ってたんだよ!

ホントだよ・・・・・・。


と、とりあえず!感想と勝手な妄想行きます。

反転しますので~。



車には少佐も乗ったのか!

先月の小ネタがあっさり崩れた(笑)

でもよくよく思い出してみれば、大佐や中尉と一緒に少佐も動いてたよな。

しかし、今後本気モードの少佐が見られるのか。

それはそれで非常に楽しみです!

彼の家はかなりの名家だから、家との葛藤やらそういうのも出てくるんだろうか。

まだ見ぬ彼のお姉さまが果たしてどういう地位にいるのか。

それが気になります。

そもそも北方にいるっていうのは、どういうことなんだろう。

かなりの名家でセントラルに居があるのなら、地方にいるっていうのは何かがあったのだろうか。

そしてアームストロング父も何か知っているのか?



ノックスさんやらシン二人娘やらお片づけパンダやらマルコーさんやらいろいろありますが、もうそれは今日は置いておこう。



今日の主題。



風呂上りリザさんーーー!!



濡れ髪がめっちゃ色っぽいんですが!

つーかあの腰のくびれ!下チチ!

そして背中のあの錬成陣らしきもの・・・・・・。

いろいろなところで考察をされていて、私自身はそれらを読ませていただき頷くばかりで特に目新しいことは何も書けないのですがとりあえず好き勝手に。


リザさんの錬成陣、あれを描いたのは誰なんだろう。
スカーの入れ墨と意匠がずいぶん似ているように思うから、ロイではないと思うんだけど。
火蜥蜴も入っているということは、ロイに関係があることは間違いないのでしょうけど、もしかして焔の錬金術の師匠?
ということは、その師匠はイシュヴァールとも何らかの関係がある人なんだろうか。
と、いうことは、リザもその師匠と関係があるっていうことだよなぁ。
それと確か(うろ覚え)火蜥蜴の上に太陽のマークがあったと思うんだけど、ということは、焔の錬金術について増幅作用があるの?
ああいう印にはまったく詳しくないのでよくわからないのですが、反対に抑止作用っていうことも考えられるんだよね。
実は、リザさんはイシュヴァール時代ロイが暴走したときは射殺してこれを止めよという密命を受けていたなんて話を書いていたのですが、もしリザの錬成陣がロイの抑止のためのものだとしたら、なんかもう、全然アマちゃんな話ですね。
リザ自身に錬成エネルギーを操る力がなければ、もしあの錬成陣が発動したら対ロイ用増幅作用にしろ抑止作用にしろ、リザの命が錬成エネルギーの一部になる可能性もあるわけでしょ。
もしくは発動した結果、あの火傷を負う程度でなんとか無事だったとか?
あの火傷(だよね?)はロイ自身の手によるものだと思っているけど。
錬成陣を背負っている以上、リザさんはそれがどういう理由であれ(たとえ本人が望んでのことだとしても)道具には代わりがないわけで、ロイはその枷からリザを開放したのではないかなー。
その上で、リザに側にいることを望み、それはリザの希望でもあったから二人はここまで一緒に歩いてきたのではないかと。
なんかもう、愛だ恋だどころの騒ぎじゃないですね、ロイアイの絆!
ノックス先生が「イシュヴァールは巨大な人体実験場だった」といったときのリザさんの表情、あれは自分自身も当事者だった故なのかもしれないんですね。


それにしても、今週末はいろんなところで茶会が開かれて皆さん大フィーバーだったようですね。

いいなぁ、私も参加してみたかったなぁ・・・・・・。

ぜひライブでロイアイストさんたちと熱く語ってみたかった!




あー、今回の爆弾強烈すぎて、まだ頭がぐるぐるしてます。

妄想も渦巻いてます。

もしかしたら明日あたり、本誌を買ってきちゃいそうな自分がおります。

そしたら初ガンガンだ!




・・・・・つーか確実にやると思います。

鋼アニメは初回全部と最終回途中(リザさんが「ロイ・マスタング!!」と叫ぶところまで)しか見ておらず、当然のことながら映画はまったくの未見である人間が、余所様の萌えと叫びとその結晶(=二次創作)のみを糧とし谷村●司氏の歌に妄想ネタをもらって無理やり書き上げた、「ロイの旅立ち~残されし者」な一品です。

従ってその内容はいつも以上に矛盾で穴だらけかもしれませんが、一ヲタクの戯言と思って広い心で受け止めていただければ・・・・・・。



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 ぱちん、ぱちんと鞄の留め金を掛ける音が、片付いて物の少なくなった室内に反響する。

「忘れ物は、ありませんか」

 荷物を用意したのは自分だし何度も確認もしたのだが、最後にはいつも、ロイにそう聞いてしてしまう。彼の副官になってからずっと、変わらないリザの癖だ。

 その問に、ロイはリザが見慣れない古びた重いコートを羽織りながら黙って首を振った。

 ロイが釦を掛け終わるのを待って、今度は封筒を差し出す。

「汽車の切符です」

 なくさないでくださいねという言葉まで、遠ざかった日々のままだ。

 あの頃と異なるのは、ここが司令部ではなく二人がこの一年ほど寝食を共にした部屋であること。格好も、ロイは伍長の地位に相応しい質素な旅装で、リザに至っては軍服でさえない。

 日が落ちて薄暗い部屋の中は、もともと据え付けられていた家具以外は全てきれいに片付けられ、人が住んでいた痕跡は、床に詰まれた僅かなダンボールにしか窺えない。その他人行儀な様相に、感傷よりも戸惑いが先にたち、そのことにリザはむしろ安堵を覚えた。

 ロイがたった一人、遠く北方へ赴任するという事実を、旅立ちの今日この日になっても、リザはどこか遠くの、まるで夢の世界の話のように捉えていた。がらんどうの部屋を見て戸惑うのもその証拠なのだと。

 だからリザは、行きましょうかと微笑むことが出来た。それが逃避にしか過ぎないことは、頭の片隅に取れない染みのようにこびりついてはいたけれど。

 鞄を取り上げたロイに、リザは「あ」と声を上げた。訝しげなロイに近づくと、襟元に手を伸ばす。

「襟、また立ってます」

 分厚い毛のついたコートの襟を、手馴れた動作で直してやる。

「あなたは片襟が立ちっぱなしのことがよくあるんです。・・・ご自分で気をつけてくださいね」

 これからは、と言いかけて飲み込んで、代わりに、そのまま出ては少しみっともないですよと、からかうように続けた。

 ぽんぽんと胸元を叩いてやりながら、リザはつい笑い声を漏らした。なんだか、母親が子を送り出すおままごとのようだ。

 けれどロイが低く「あぁ」と呟いた言葉が鼓膜を震わせて、それはそのままリザを揺さぶるのだった。



 冬のよく晴れた夜は、刺すような冷たい空気が肌に痛い。

 この時期、それよりも更に寒い北方へ向かう人々は想像以上に多く、プラットフォームの中でもとりわけ三等車両が到着する予定のこの近辺は、人や物で溢れかえっていた。

 そのせいで、リザは人酔いしてしまった。なんだかめまいがして、足元がふわふわと覚束ない。

 やがて汽車が到着して、続々と人が乗り込んでいった。三等車両の席は指定ではないから、早く行かなければあぶれて立ち通しになってしまうかもしれない。ここ中央から北部のターミナル駅まではほぼ一日掛かる汽車だから、三等の固い座面でも立つよりははるかにマシだろうに、ロイは動かず、リザも何も言わず、二人は吹きさらしのプラットフォームの隅に佇んでいた。

 喧騒が、どこか遠くに聞こえる。

 ふとリザは空を見上げた。近くに街灯があるせいで星はまばらにしか見えず、それらはなんだか作り物めいて見える。

 これが北方ならばとリザは思った。

 北方では、冬空は始終雪雲に覆われていると聞くが、たまの晴れた夜にはどんな星空が見えるのだろうか。ロイが赴任する地は、北部のターミナルで別の汽車に乗り換えてさらに半日、馬車で半日かかってようやく到着する北部国境地帯だから、中央にいては想像もつかないような、それは素晴らしい光景なのだろう。

 そして、目深に被っていた帽子を少し持ち上げて、隣で同じように天を仰ぐロイを見やった。

 不意にリザの心に、風が吹き込んできた。身体を芯から凍てつかせるような北の風だ。その中に一人佇んで、ロイは今や一つきりになった黒の瞳でどんな空を見つめるのだろうか。

 けれど彼が見つめる空を、リザは知ることが出来ない。その隣に、自分はいないのだから。居場所などないのだから。

 リザは今ようやく、自分が立っている場所をはっきりと知覚した。

 ここは中央の駅で、ロイはこの汽車に乗って北方へ行く。たった一人で、リザをこの場に残して。

 これまでずっと傍らに居続け、同じものを見て、共に走ってきたというのに。

 彼はこの先、残った右の眼で何を見るのだろう。そして何を思うのだろう。

 なぜ、私の居場所がない。なぜ、私に同じものを見せてくれない。なぜ・・・・・・なぜ、私を置いていくのですか・・・・・・。

 それでも結局、そんな言葉はどれ一つ言えはしないのだ。言うことをロイは望んでいないことをリザはわかっていたし、彼が望まないことを出来るはずもない。

 いっそ、気づかないふりをすれば。

 もしも本当に気づかなければ。

 泣いて喚いて、その腕に、身体に縋りつくことが出来たかもしれない。

 けれどもしリザがそのようなことをする人間であれば、そもそもここにはいられなかっただろうことを思えば、詮無い想像に過ぎない。

 だからリザは、笑んだ。それしか出来なかった。

「そろそろ、乗っておいたほうが良いかもしれませんよ」

 タイミングよく、汽笛が甲高い音で鳴った。それを合図に、ロイよりも先に鞄に手を掛けて持ち上げた。

 あぁ、なんて重いんだろう。

 支度をしていたときにはこれほど重くは感じなかったものを、いったい私は何を詰めたのかしらと思いながら、リザはのろのろとした動作でそれを差し出した。

 受け取るロイと手が触れ合ったが、手袋越しの接触は少しも温もりを伝えてはくれなかった。
「家に残っていた荷物で、必要そうなものは後ほどお送りします」

 やはり、その昔のごとく、慣れた物言いでしか言葉は出てこない。

「他に何か入り用なものがあったら、いつでもおっしゃってください」

 その中で唯一、リザが口にすることの出来た本心の欠片だった。本当に欲しいのは、ロイからの連絡ただそれだけだ。

 ロイは無言のまま帽子を被りなおした。

 きっと、連絡は来ない。

 もう一度汽笛が鳴る。まもなく汽車が中央を出発する合図だ。

「いってらっしゃいませ」

 昔よりも少し小さくなったように思う着膨れた背中に、リザはそっと呟いた。

 ロイは最後にほんの少しだけ振り向くと小さく頷くと、それきり一度も振り返らないまま汽車の中に姿を消した。

 その乗車口を、リザは微笑を湛えたままみつめ続けた。冷たい北風が時折吹きつけても微動だにしないで立ち尽くしながら。甲高い汽笛が長く二度鳴って、ゆっくりと汽車が動き出しても、窓に彼の姿を探そうとはせず、ただじっと一点だけを見据える。

 汽車は少しずつ、速度を上げながら遠ざかっていく。

 その最後尾がプラットフォームを抜け出したとき、微笑むリザの眼からぽろりと涙が一粒、こぼれた。それからは堰を切ったように、後から後から涙が溢れ出て、ついにリザはその場にしゃがみこんでわぁわぁと声を上げて泣いた。

 ホームに残っていた僅かな見送りの人々が何事かとリザを見たが、恥も外聞もなく、ただひたすらにリザは泣き続けた。

 行かないで行かないで行かないで。どうか私を置いていかないで。

 口に出来なかった言葉は涙となって零れ落ちていく。

 どれだけ声を張り上げても、もう届かない。








・・・アメブロって、追記のような形で隠すことって出来ないんだろうか。

できるよやり方知ってるよーという方おられましたら、どうぞご教授くださいませ。

というわけで、アニメ最終回後、映画の前の、ロイアイお別れの場面でしたー。

12/21の妄想小ネタを形にしてみたのですが、うーん、なんかもうちょっと淡々と情景描写のみでいこうと思っていたのが、気がついたらリザさんがどっぷりヲトメだ・・・・・・。

つーか増田のやろう、「あぁ」しかしゃべってねぇし!お前、もうちょっと他に言うことあんだろーー!!

と怒ってみたところでどうしようもなし。

せめて帰ってきた増田にリザさんはドロップキックの一つでもキメてやればいいと思います。

私は地味に、輪ゴムでぴちぴちと。

 あちゃ、降ってきましたねーという煙草臭い部下の言葉に後ろを振り返ると、外は小雪がちらついていた。
 道理で背中が寒いと思ったのだ。
 朝からの凍てつくような寒さと空一面の薄灰色の雲から見て、当然の結果といえば当然の結果か。

 この様子だと積もることはないだろうが、今夜帰り道の厳しさを思ってロイは辟易した。寒さは得意ではないのだ。では暑さはと問われると、これまた返事に窮する。要は辛抱が出来ない。
 そんなことを口にすれば、常日頃から己を律することに長けた副官から軟弱さを厳しく指摘されるのだろうけれど、生憎彼女は今、ロイの代わりにこの寒空の下を市庁舎まで出向いている。
「中尉とブレダも災難っすねー、こんな日に外出なんて」
 まったくその通りだ。
 こんな日は、部屋を抜け出す気も起こらない。といっても仕事に熱心になるというわけではもちろんなく、単にこの部屋が一番暖かいからというだけのこと。
 第一、追いかけてくれる人もいないのにどこへ逃げる。鬼のいない鬼ごっこほど空しい一人遊びもない。
 んじゃ失礼しまっすと退室の声。
 執務室に一人きり取り残されて、ロイはついつい一人ごちる。
 この部屋は寒いな、と。
 今日の天気と、いつもは傍らにいるはずの人の不在がそう思わせる。
 早く帰ってこないだろうか。寒いのは苦手なのだ、本当に。
 彼女が戻るまでに終わらせておかなければいけない書類を前に、ロイは溜息をつく。
 もちろん吐息が目に見えるわけはなく。



「ただいま戻りました」
 ようやく帰ってきた待ち人は、鼻の頭と頬がすっかり赤くなっていた。相当寒かっただろうにと思うが、彼女のきびきびした口調や態度は、それを感じさせない。

 大したものだと辛抱の足りない男は思う。これでようやく人心地ついたとも。
「ご苦労だった。寒い中すまなかったな」
「いえ」
 労いに対して返ってくる言葉はいつものとおりに簡潔。
「こちらが先方から預かってきた書類です」
「あぁ」
 大判の茶封筒を差し出してきた手にふと目が留まる。もともと軍人らしからぬ白さの彼女のそれだが、今日はいっそ青白く、短く切りそろえられた爪はすっかり紫がかっている。そういえば以前に、その性のご多分に漏れず冷え性なのだと言っていなかったか。
 書類を受け取る手をそのまま滑らせて掴んでみた。はなしてくださいと声音も冷たいが、手から感じる温度はそれ以下だ。
「ずいぶん冷たいじゃないか」
「当たり前です。セクハラですよ」
「そうじゃなくて。手だよ、手」
「外から帰ってきたばかりですから」
 事もなげにリザは言うが、放せとばかりにやんわりと触れてきたもう一方の手もまるで氷のようで、ロイは握った手に力を込める。リザの手が貪欲にロイの熱を奪ってゆく。
「でも、温かいな」
「さっきと言っていることが矛盾しています」
 眉を顰めるリザに、ロイはひっそりと笑った。
 解かれないまま温もってきた手が微かに震えているのは、気のせいではない。上司部下の境界線を簡単に踏み越えるような真似をする上官に対する憤怒と、結局は振り払えないでいる自分に対する叱責と。
 まったく彼女は自分に厳しすぎるのだ。欲するものを与えられたのなら素直に享受すればよいものを。
 こうして少しずつ少しずつ。互いの温度を移し合って。
 そのまま二人一つに溶け合えればいいなどとは、夢見心地にもほどがあるだろうか。






ホントにな。


と思わずフォントも、でっかくなっちゃった!(いい加減、古い)

伊右衛門のCM見てて、手が冷えたリザさんにロイもあったかいお茶を淹れてあげるといいと思って書き始めたんですが・・・・・・セクハラ増田が手を放さなかったために全然別物になりました。

書き出しも、CMの雰囲気が出せればいいと思って頑張ってみたんですが、ね・・・・・・。

内容が内容だから出来れば2月中に書き上げたかったけど3月に入っちゃったよ、くぅぅぅ!

いずれちゃんと書きたかったように書き上げてサイトにアップしたいものです。