きみはとてもではないが弱すぎる
もちろん私も弱いのは承知だ
足もとを振りかえれば
きみの歩幅に合わせて咲かせた
薔薇が移ろいを包んでいる
星がギリシャの物語を描く
雲の名前、虫の名前、土地の名前
本の名前、人の名前、歌の名前
ほんとうはどれひとつとして
私の趣味ではない
きみは私に合わせて欲しくないと言い
他の人は理解されようとするなと言う
きみは私に全く近くないし、私の傍(かたわ)らにいたくない
きみは息苦しくないか
きみを追いかけた足あとの分だけ
私の肺はおおきくなり
曇りの夜も晴れの日も、まぶしく呼吸する
ひろく、ふかく