社台地方オーナーズ全頭斬り2024 1-25 | Thoroughbred World

社台地方オーナーズ全頭斬り2024 1-25

※昨年までの300番代の番号ついててごめんなさい。

 

301.ノットオーソリティの23(リーチザクラウン)★★★★

 

社台ファームのフラッグシップはリーチザクラウン産駒。母は大活躍でしたが、産駒成績はそこそこなまま中堅どころの年齢に差し掛かっており、2600万円という高額募集の回収は非常に厳しく思えます。

4月下旬生まれの馬体はまだ幼さが際立ち、サイズはあるものの成長途上。トモの形は良く、今後の成長で筋肉量が増してこれば楽しみです。動きに力強さがありながら、可動域も十分取れているところもいいですね。とはいえ、現状は顔が大きく頭の位置が高い馬。走らせたところで、機敏な動きができるか、器用な立ち回りができるかにはやや疑問が残ります。

 

 

302.ウララカの23(レッドファルクス)★★★★

 

母はベテランに差し掛かってきました。なかなか産駒の成績が振るわなかったところ、現3歳のザイデルバストが早くも5勝を挙げるなど一転して素晴らしいスタートダッシュを切りました。血統面では社台ファームが推しているサンデーサイレンスの3×3配合。これが体質的に厳しくて全然走れていないのが引っ掛かります。

馬体は骨格がちょっとコンパクトにまとまりすぎているかなとは思いますが、筋肉量は豊富。背中が短いこともあって、緩すぎるというところが見られないのはいいと思います。繋ぎは短めでいかにも短距離小回りに向きそうで、地方競馬で使うという舞台設定として合っている一頭でしょう。

 

 

303.サンダーカップの23(リーチザクラウン)★★

 

母型にガルチやサンダーガルチを持つ馬は派手さこそないものの、ダートでの活躍が目立ちます。短距離から中距離まで幅広く活躍する馬は丈夫でとにかく数を使えるところが特徴。また、ほとんど父系を選ばないので、どこからでも狙うことはできます。

馬体は全体的に幼く、背中の緊張感が足りないのと、トモに薄さが目立ちます。両前脚が強めに外向しているので、これも成長によってどこまで真っすぐ向いてくるか。伸びしろはかなり残していそうですが、募集時にどこまでのスケール感になるのか掴みづらい一頭です。

 

 

304.グッバイガールの23(ホッコータルマエ)★★

 

母系の勢いはほとんどないといっていいレベルではありますが、若い繁殖牝馬ですのでまだまだ変わり身がありそうです。兄のクリアアレグレを非常によく見せて、高い評価をしたのですが2戦目で勝ち上がったまでは良かったものの故障してしまいました。

馬体は筋肉量豊富で、特にトモの容積とL字のラインが入るような盛り上がりが特徴。これは兄にも同じ特徴がありました。ただ、毛ヅヤが悪く体質面はどうでしょうか。

歩様は許容範囲を大きく超えるような外弧歩様。ここまで強烈に回す馬は珍しく、減点材料になりますね。横からの踏込は若干重そうではありますが、可動域は問題ありません。

 

 

305.プロネルクールの23(レッドファルクス)★★

 

地方オーナーズではおなじみのグラッブユアハートの孫にあたります。母プロネルクールはG1レーシングから中央にチャレンジして未勝利勝ち。地方でも勝ち鞍があり、募集馬の実績の中では上位の存在です。ただし、これも血統的にはサンデーサイレンスの3×3を内包しており、大きな心配材料になりますね。

4月下旬生まれで本格的な成長はこれからでしょうが、キ甲が抜けていないこともあって、かなり背中の緩さが目立ちます。動きも硬く、重く積極的に引っ張ってくれないと、なかなか動いていかない感じがありますね。

 

306.デロングスターの23(ロゴタイプ)★★

 

輸入時はなかなか注目度が高かったカチバの母系。勢いはあまりないのですが、久々にミカッテヨンデイイがブラックタイプになりました。母も中央で3勝しており、全然中央でおろしてもいいプロフィールのはずですが、地方に回ったのは成長が極めて遅いことにあるでしょうね。

1/30生まれでありながら366kgと相当なスモールサイズ。幼くて成長途上の造りだったりするのならばまだ狙えるのかもしれませんが、意外と体は出来上がってしまっているように見えます。動きの面ではトモが外弧歩様。とはいえ、踏込の鋭さや可動域の良さは持っている馬です。

 

 

307.マリアロワイヤルの23(フィレンツェファイア)★★★★

 

輸入種牡馬のフィレンツェファイアはレックススタッド在厩。昨年見せていただいたことがありますが、米国短距離ダートにしてはゴツゴツしすぎず印象ほど硬い感じはしませんでした。ただ、Gone West系が日本競馬に合わないイメージがあるので、全幅の信頼は置けないです。

母は欧州のステイヤータイプ。産駒にも成田特別を勝ったテトラルキアがいるようにスタミナ色が強いだけに、特に下級条件で短距離戦ばかり組まれる地方競馬においてはスピード不足の懸念が残ります。

馬体は牝馬らしく丸み十分の造り。幅があって、トモの大きさも目立ちます。ただし、踏込はトモがあまり入らない感じがありますね。また、地方馬にしては膝下が長く、やや不器用そうな面も残ります。

 

 

308.コロニアルスタイルの23(ダンカーク)★★★

 

母中央で3勝、近親イーグルフェザーが中央で5勝と地方募集馬としては、なかなかポテンシャルの高い血統をしている一頭。ダンカーク×ゴールドアリュールでクロスも少なく、健康そうです。

馬体は中サイズで胸がやや深く、地方馬としてはまずまず合いそうな造り。返しも鋭く柔らかいのですが、ややトモがついてこない面も見られます。減点材料は少ないので、ダンカークがあんまりなところをどう評価するかでしょうか。

 

 

309.ビジューミニョンの23(マインドユアビスケッツ)★★

 

サクラサクⅡの牝系で元値は高くなかなか優秀な繁殖と思われるビジューミニョン。産駒もまずまずで、マインドユアビスケッツとの配合でこの価格なら安いの一言。

でも、やっぱりそういう馬にはなんらか問題が潜んでいることが多いのもまた事実で、この馬についてはとにかく繋ぎの短さと右前の立ち方に課題があるように思われます。それが原因で膝が硬い動きになったり、立たせて弓脚になったりと悪い面が他にも波及している印象。そこ以外はむしろ上位と思える造りだけにかなりもったいないですね。

 

 

310.ピリカクルの23(シスキン)★★

 

パイタ系は全切り…と言われるぐらいとにかく産駒が走らないこの牝系。パイタもピリカも活躍馬で社台ファームも自信の繁殖牝馬だったはずですが、ここまで走らないのは予想外ですね。セールでの取引価格もどんどん下がってきており、厳しくなってきました。

父シスキンで変わり身を期待したいところですが、前肢の可動域が狭く、重苦しい動きはこの馬も変わらず。背中の緊張感もやや足りず、ここも課題でしょうか。

 

 

311.タピテールの23(ゴールドドリーム)★★★★★★

 

地方馬の中ではこの馬がダントツ一番よく見えました。

父ゴールドドリームは未知数ではありますが、昨年のツアーで産駒を見た印象としては、完全なダート馬というほど硬さが感じられず。かつサイズもあまり大きくならないというもの。そして本馬はTapit肌。母も一応中央勝ちがある馬ですので侮れません。

馬体は中サイズでそれほど大きくなりそうもないのですが、特に歩かせたときの雰囲気、体幹の強さが素晴らしい馬です。トモの容積フレームともに完璧で、なかなか深いところまで入ってくる踏込も見事。全部脚が真っすぐではないところと、厚ぼったさは感じるものの、それもわずかな減点というレベルでしょう。

 

 

312.クードロアの23(アルアイン)★★

 

皐月賞2着馬を輩出したアルアインですが、そのほかはかなり低調でこれまで6頭しか中央で勝ち上がっていません。社台グループで3頭だけですから、率を考えたら相当厳しいです。また、募集時かなり見栄えがする馬を多く出していたところも判断を難しくさせますね。しかもダートもこなせそうでこなせないので、地方競馬募集でも疑問です。

馬体は明白に細くて頼りないです。トモが薄くて、後肢はグラグラ。左後ろの踏込が浅いところも気がかりです。

 

 

313.ギブンアンソートの23(イスラボニータ)★★★

 

母父エピファネイアが地方競馬の募集馬に登場。父のイスラボニータはダートでもバトルクライを輩出しており悪くありませんが、エピファネイアは明白に芝馬なのでどうでしょうか。

馬体は初仔ということもあり幼い印象が強いです。まだ伸びしろはありつつも、馬体重などかなり足りないので、地方で戦うのはどうでしょうか。節々だけがしっかりして無骨な印象の馬体。動かすと案外軽いので前向きな気性の持ち主である可能性が高そうです。

 

 

314.ゴールデンフィジーの23(コパノリッキー)★★

 

白老ファームが地方オーナーズに出してくるのは珍しいのではないでしょうか。名門ゴールデンサッシュ牝系でどこからでも当たりが出る可能性はありますね。父コパノリッキーgとのカップリングで、これまたサンデーサイレンスの3×3。その時点でやはりちょっとトーンダウン。

馬体はやはり地方競馬で戦うにはガサが足りないです。膝下が長く、ひょろっと見えるので、器用さも感じません。また、脚も真っすぐ出ず、前肢の捌きが硬め。やや柔軟性に乏しい繋ぎの影響もあってか、前に出る推進力に欠くような歩様です。

 

 

315.イントロダクションの23(ニューイヤーズデイ)★

 

祖母ダークエンディングは勝ち上がり率が高く、さらに上級条件でも戦える馬を出しており優秀なのですが、イントロダクションは現状そこまで活躍馬を出せていません。2011年生まれですから、もう中堅になりますね。

馬体はひょろひょろで毛ヅヤも悪く、ここからの変わり身も期待薄。そもそもニューイヤーズデイでこの価格設定は通常あり得ないレベルです。

 

 

316.ステップオブダンスの23(ルヴァンスレーヴ)★★★★★

 

名牝ステップオブダンスの3番仔。母系からはハイランドピークも出ており、父も注目のルヴァンスレーヴですから、普通に考えて中央で募集した方がいいんじゃないかというレベルだと思います。価格設定2500万という破格ではありますが、上はシルクで3000万円募集ですからこんなもんでしょうか。

それほどサイズがあるわけではないですが、馬格が雄大でスケール感がある馬体。このあと筋肉がついてきてどれぐらい変わってくるかにもよりますが、今のところフレームとしては素晴らしいです。踏込も深く、収縮性に優れた歩き方。胴長でフレームばかり成長すると小回りコースでは不器用になってしまいがちですが、この歩き方なら問題ないのではないでしょうか。

 

 

317.シュクルダールの23(ニューイヤーズデイ)★★★★

 

マルカキャンディの牝系で社台ファームではおなじみの血統ですが、母は未勝利引退後繁殖牝馬セールに出されてノーザンファームがお買い上げという異色の経歴の持ち主です。母系からは芝ダート兼用のベルシャザールが出ているようにどちらでも行けるタイプですが、ニューイヤーズデイでこの馬は一気にダート寄り。

生まれが早いこともあって、地方競馬募集馬の中では力感はトップレベル。トモの容積や肩回りの筋肉など付くべきところに筋肉もついており順調な仕上がりと言えます。前肢・後肢ともに踏込が良く力強い歩様。唯一気になったのはちょっと毛ヅヤが悪いかなというところでしょうか。

 

 

318.シャーペンエッジの23(ヘニーヒューズ)★★

 

ファルコンビークとシャルフジンを産んで繁殖実績としては地方No.1といえるシャーペンエッジ。本馬は17歳時の仔となり、そろそろ生産時の年齢が気になるようになってきました。ヘニーヒューズとのカップリングなので、シャルフジンの全妹にあたりますね。

馬体はかなりの大柄でありながら明らかな成長途上。トモが高くやや崩れがちになっています。それも影響してか前肢の負担が大きそうな立ち姿。背中の緊張感もやや乏しく、ややずんぐりした印象を持ちます。

横の比較で大きく劣るわけではありませんが、2000万円の募集価格を牝馬で超えることはかなりハードルが高いので、ちょっと厳しめにジャッジしました。

 

 

319.ブリトマルティスの23(ホッコータルマエ)★

 

母は芝馬のブリトマルティス、ラビュリントスも芝で走ってしまったこともあって、ダート色がやや薄い母系ではありますが、ホッコータルマエとのカップリングで今度こそがっつりダート馬を狙ったのですが、やはりスラりとした芝かもと思わせる立ち姿。

馬体はそこまで悪くないのですが、動きは繋ぎの柔軟性が全くなく、かなり硬い歩様。外弧歩様も相まって動きは不安が大きいですね。カタログとは比較にならないぐらい右前が立っています。

 

 

320.レッドアマビリスの23(フォーウィールドライブ)★★

 

母系のリアリーハッピーはなかなかアベレージの高い繁殖で、複数勝ち馬を何頭も出してきました。キャロットで募集されたリアルアヴェニューが出資馬で3勝。ダート色も強く、パワーのいる馬場を得意としますが、一族の体質の弱さが地方競馬にマッチするか疑問です。

馬体は膝下が長く緩いつくり。トモの容積がやや足りないですが、逆に筋肉量は豊富です。踏込は少し硬い感じがありますね。数字ほど小さい馬とは感じないので、ちょっと意外に感じてしまいますが…。

 

 

321.フィロンルージュの23(モーニン)★★

 

スカーレットレディ一族。フィロンルージュもなかなかあたりを出せないままかなり高齢になってきましたので、ここから走る馬を出せるのかというところには疑問が残ります。

こちらもかなりサイズは小さめ。では、ありますが幼さや細さをあまり感じません。前肢や肩の造り・捌きともに綺麗な馬なので、もう一段階成長があるか。また、あまりにも従順でぬぼーっとした顔立ちも競馬に行って気持ちの面でどうでしょうか。

 

 

322.ユアメモリーの23(カリフォルニアクローム)★★★★

 

ソングオブウインドを産んだメモリアルサマーの牝系。最近は勢いが乏しいので、なかなか狙いづらいです。一方、現3歳の世代が初仔のカリフォルニアクロームですが、意外と勝ち上がり率は良く、穴っぽい種牡馬です。

馬体はソングオブウインドでも感じた細身でパリッとした凛々しい立ち姿が目を引きます。細いのは細いですが、前肢やトモの筋肉などはしっかりしており、要所はちゃんとカバーしている感じ。あとは脛が薄く、直飛気味の後肢がシンボリクリスエスの走らないパターンに該当しているので、ここがちょっと気になります。

 

 

323.ディミータの23(マジェスティックウォリアー)★★★★

 

細身でシャキッとした立ち姿とは真逆にいい方向なのが本馬。母系のレッドキャットは活力まずまずですが、肝心の母から走る馬が出ていないのは気がかりです。

馬体は肩回りとトモの筋肉に張りがありなかなか力強いつくり。毛ヅヤがめちゃくちゃ綺麗な馬で、膝下の短さもあって安定感を感じる立ち姿です。踏込も鋭く、なかなか良い雰囲気ですが、馬体が大きくなりすぎないことだけは期待したいですね。

 

 

324.ヨナグッチの23(フォーウィールドライブ)★★★

 

好きな馬体に出てくること多数のヨナグッチ。中央で大活躍する馬こそいないものの、南関東では勝ち鞍が多く、ストームゾーンも地方に入ってからまだ底を見せていません。ただし、産駒成績はここにきて急降下してきているのは気になります。

馬体はヨナグッチの仔らしい幅があって肩の筋肉の強靭さが目立ちます。横から見ると背中がかなり短く、短距離を得意とするタイプに成長しそう。雰囲気は悪くないですが、上の馬たちと比べると一枚劣るのと、フォーウィールドライブの牝馬で1400万円の募集価格に見合うのかというところは疑問です。

 

 

325.ガーネットチャームの23(ドレフォン)★★★

 

アンデスビエントが関東オークスを勝ち、地方競馬で活躍を見せるドレフォン産駒。中央はジオグリフだけですが、地方ではサーフズアップなど持ち前のパワーを生かして大舞台を勝ち切る仔も出てきています。母系はニキーヤですからダートはOK。

馬体は膝下が長めですっきり見せるものの、胴回りはなかなか力強いつくり。トモの容積がちょっと足りないので、そこが地方のダートでどう出るでしょうか。

力強い歩様で担当スタッフをグイグイ引っ張るような歩様で歩けていますが、頭を上げて反抗したり、ちょっとやんちゃすぎる面も見られますね。