G１サラブレッドクラブ全頭斬り2024 31-40

31.セブンスセンスの23（シルバーステート）★★★

シルヴァースカヤとデインスカヤが祖母で並ぶ時代がついに来たか。ノーザンファームと追分ファームでそれぞれの母系で育まれてきた両者のカップリング。ブブスカイアの3×3で牝馬クロス発生の野性的配合です。

馬体はカタログとはイメージが違い、トモが高い造り。キ甲が抜けてきていることもあり、背中はずいぶんと短く見えるようになりました。返しが鋭くシャキシャキと歩いているところには好感が持てます。あとは、健康面でしょう。わざわざ体質が弱いシルバーステートでやることないのになと思ってしまいますが。

32.サルサドゥーラの23（シニスターミニスター）★

シニスターミニスター×ゴールドアリュール。母は地方オーナーズ募集で800万円。故障もあってわずか1勝に終わりましたが、ポテンシャル的にはもっと勝てそうでした。産駒もやはり地方で活躍する馬が多く、ちょっと中央ではなあ…といった印象。シニスターミニスター産駒であることはわかりますが、ちょっと総額2800万円は高いように思います。

馬体は母の募集時に似てがっちりとして、トモの容積が魅力。しかし、強烈な立ち繋ぎで歩かせて柔軟性もありません。相当にリスクは高そうですね。

33.ゴールデンハープの23（ダノンスマッシュ）★★

姉に今年のオークスで大捲りを決めて府中を沸かせたホーエリート。コーナーでの加速は見事の一言で紫苑Sなどに出てきたらいい勝負しそうな印象です。本馬は父がダノンスマッシュに替わりますので、タイプが違う馬にはなってくるでしょう。

馬体は母父のステイゴールドが影響してか成長力が乏しいですね。決して細いとか小さいイメージはないので、骨格的な部分が大きいでしょう。動きは返しもよくてスムーズ。素質はありそうですが、フィジカル面で後れを取りそうです。

34.フィビュラの23（フィレンツェファイア）★★★★

ノーザンテースト、サンデーサイレンス、クロフネとつないできた社台グループの歴史を辿るような配合を重ねてこられてきましたが、ちょっと変わり種の父はGone West系のフィレンツェファイア。

馬体はサイズばっちりのダート牝馬。肩回りの発達が目立ち、腹袋も大きく力強さがあります。トモの入りも良いですし、動きも問題ありません。ダートオンリーの牝馬で狙いづらいですが、この価格なら。

35.ナターレの23（キタサンブラック）★★★★★

地方競馬で活躍しているファミリーではありますが、キタサンブラックとの配合で大物ガイアフォースを輩出。この母系だけにダートもきっちりこなしてフェブラリーSを2着と大健闘しました。全妹になりますので、当然期待したいところ。

馬体はちょっと成長が遅いのかサイズは足りない印象がありますが、膝下が長くバランスの取れたフォルム。トモの位置からしても今後の成長余地は大きそうです。スムーズかつダイナミックな歩様も魅力。父や兄のように先行策から渋く残すような競馬が合いそう。それが牝馬というのがちょっと未知数かなというところは正直あります。

36.ワッツダチャンセズの23（キタサンブラック）★★★★

母のワッツダチャンセズからはG１サラブレッドクラブで募集されていますが、かなりの不振。ロッタチャンセズが勝ったものの、そこからディープ、ディープ、カナロアで未勝利という状況です。

馬体はキタサンブラック産駒らしく大柄な造り。前から見ても幅の大きさが目立ちます。膝下が長めな大型馬ということで緩さが気になるところですが、動きに俊敏性があり、スピード感も十分です。トモの容積などもかなりパワフル。この壊滅的な繁殖成績から抜け出す馬を出すことができるかが最大のポイントでしょう。

37.ヴィルジニアの23（コントレイル）★★★

母系はシルヴァースカヤ。母ヴィルジニアからはヴィクティファルスが重賞を制覇しており、やはりポテンシャルの高さを感じます。父がコントレイルに替わり隙のない良血っぷり。

母父Galileoでもありますので、ある程度距離も持つタイプでしょうか。

馬体は背中が短めでコンパクトな造り。カタログの写真とだいぶイメージが違うので、ちょっと予想外だなと思いました。トモが若干薄めで脚も細めに見えて、ちょっと頼りない造りではありますが、これが逆にコントレイルの軽さになって末脚が切れるという可能性もありますね。小ぶりなコントレイル産駒は他にもいますが、私はサンデーのシユーマの方が好きかなと思っています。

38.スパイスドパーフェクションの23（コントレイル）★★★★★

矢作厩舎のコントレイル産駒。母はStorm Cat系の活躍馬でスピードを強調するカップリング。輸入して2番仔になりますので、もう血統や生まれなどからするといかにも走りごろの良血馬ですね。

馬体はトモが若干高いところはありますが、サイズ的に極端に足りないところはなく許容範囲。成長を加味すればちょうどよくなるでしょう。

歩きは外弧歩様気味ではありますが、横からの弾むような軽さの歩様は一見の価値あり。いかにもバネはありそうで、滑らかなギアチェンジから一気に差し切るような競馬が今にも目に浮かぶようです。

39.アレイヴィングビューティの23（コントレイル）★★★

母はドイツ産馬でありながら、米国の芝路線を席巻。母系にデインヒルを持ち日本競馬にマッチしそうな血統構成です。母の産駒は2頭連続の未勝利。セレクトセールの取引価格と比べるとずいぶん足りない成績ではありますが、まだ2頭ですから変わってくる可能性はありそうです。

馬体は4月生まれで成長途上。膝下が長く、すっきり細身ですが、まだまだ成長余地は残していそうです。いかにも柔らかい脚捌きができそうなのにどうもちょっと踏込が甘いですね。ちょっと不器用そうなタイプに育ってしまうかもしれません。

40.スピーチの23（コントレイル）★★★

Unbridledのクロスを持つコントレイル産駒。母のスピーチはGⅠ勝ち馬でクラシック路線でも活躍。輸入産駒が一頭いて2番仔と一気に花開く可能性がありますね。母父はA.P.Indy系でちょっと米国色が強すぎるかもしれません。

馬体はトモ高で5月生まれということもあって、大きな成長余地を残しています。現状ではかなりサイズが足りないので、どこまで追いついてこられるか。ちょっと時間がかかりそうです。

意外と背中が短く、歩様にはまとまりがありますね。ちょっと胴が短い感じもするので、成長とともにもう少し伸びてくるといいですね。