G1サラブレッドクラブ全頭斬り2024 21-30 | Thoroughbred World

G1サラブレッドクラブ全頭斬り2024 21-30

21.アラゴネーゼの23(ナダル)★★★★

 

飛ぶ鳥を落とす勢いのナダル産駒。芝でもダートでも結果を出しており、まさに買い時という人気になりそうです。母系はアイランドファッションでまずまず活力はありますし、ナダルを配合したことによって初仔のサイズ懸念は払しょくされています。

馬体はかなり尺がしっかりしており、数字面ではほとんど問題なし。胸が深く、トモに容積があって非常に力強いです。踏込も深くスムーズで柔らかい。あとはトモにもうワンパンチあればいいですね。

 

 

22.シャルムダムールの23(クリソベリル)★★★

 

完全ダート馬のクリソベリルの産駒はダートを意識した配合をされており、母父ディープインパクトはわずかに2頭しかいません。意図としては軽さを出したいということかもしれませんが、必然的にサンデーサイレンスの3×3がついてくるので、あまり狙いたくはないですね。

馬体は胴詰まりで肩が立ち気味。トモも高く成長途上の造りですが、上には伸びても横には伸びなそうな雰囲気が漂っています。返しは鋭いですが、トモの容積が特別あるタイプではなく、ダートでパワー負けしそうな雰囲気。安さはいい点ですが…。

 

 

23.ハーエミネンシーの23(イスラボニータ)★★★

 

ひとつ、ふたつは勝つけどその先がない。というのが、この母の印象でしょうか。北米GⅠ馬の仔ではありますが、芝でそんなにレベルが高くなかったのかもしれません。ここまでいい繁殖がつけられてきましたが、結果が出せずイスラボニータ。同じサンデー系で新味もあまり出なさそうではありますね。

馬体はトモの容積、胸の深さなどパワータイプの馬によくある特徴を持っています。動きも若干硬いぐらいでそれほど減点材料はありませんが、社台ファームからG1に流れてきた馬の他と同様、大物感という意味では欠けてしまいますね。

 

 

24.グルファクシーの23(ニューイヤーズデイ)★★★

 

ゴールデンサッシュ牝系、母はG1出身で2勝を挙げました。ニューイヤーズデイは初年度好調ですが、母系はサンデー系がほとんどであり、ハービンジャーのようなタイプとの配合はちょっと珍しいですね。

中サイズの母産駒で決して大きいタイプを産むとはいえないニューイヤーズデイの配合ですが、サイズ的にはまずまずといった具合に出てくれました。とはいえ、1月生まれなので、ちょっと伸びしろには疑問が残ります。

馬体は厚みもあって、筋肉量も豊富。キ甲の感じから劇的な成長は期待できそうにありません。繋ぎが短い分どうしても前肢の捌きが窮屈に見えるところがマイナスポイントでしょうか。

 

 

25.デュアルネイチャーの23(シスキン)★★

 

母系はデインスカヤからインコグニート。名門系でアベレージは高いですが、大当たりという意味ではちょっと衰えてきた感じがありますね。シスキン×ゴールドシップという社台グループ系ではまず見ないカップリングなので、なかなか判断が難しいです。

母はまだ若いですが馬体は中サイズ。トモが若干薄いので、その分頭が高い歩様になってしまっています。肩回りは発達し、前肢の捌きも硬めなので、母父の影響はあまりなく短めの距離でも活躍できそうではありますね。

 

 

26.クライリングの23(シスキン)★★★★

 

ターンバックジアラーム牝系ですが、もう大昔からいるのに、ほとんど活躍馬も出ず、細く長く生きながらえている母系ですね。母は地方馬で、姉は地方競馬募集で800万円ですから、そこからすると対して活躍馬が出ていないのにめちゃくちゃ値上げしたことになります。

体高十分で脚長に発達した馬体は適度に胴伸びがあり、柔らかい歩様で歩くことができています。トモは薄めなので、そこが気になるところではありますが、フレーム自体は良いので鍛えて実が入ってこれば楽しみですね。

 

 

27.サンソヴールの23(シスキン)★★

 

サンデーレーシングのイメージが強いヴィクトリーバンクの牝系。母のサンソヴールは未勝利を勝ち上がれず地方回りとなりましたが、短いキャリアの中で重賞2着と活躍しました。出戻り組もだいたい壁に当たる中、この馬は稀有な例。イコール晩成の匂いがします。兄に4勝馬クールミラボー、まだ中堅クラスの年齢ですので、血統のクオリティは高いですね。

馬体は骨格がしっかりとしていてよいのですが、かなり幼くてトモの幅とハリが足りません。歩様は及第点で、可動域はまずまず。晩成タイプで成長に期待というのはありますが、ちょっと時間がかかりそうですね。

 

 

28.リバースシンキングの23(ポエティックフレア)★

 

ポエティックフレア産駒はちょっと体高が低めであまりストライドが伸びない馬が多いですが、この馬はまさにそんなタイプ。母は南関東で4勝ということで、中央競馬でどうでしょうか。

生まれが早いわりにはサイズが厳しく、トモ高とはいえそれほど変わってくるような気配がありません。背中の緊張感もやや足りず。右前だけが外向きなうえ、斜めにスナップを利かす歩様ですから、ちょっとどうでしょうか。

 

 

29.シータリズムの23(サトノダイヤモンド)★★

 

日本競馬でも活躍が期待されるLope de Vega×Invincible Spiritという配合の母。シーティスの仔が今のところ若干期待以下ということはありますが、母系の血は今後非常に楽しみです。ただし、本馬は初仔になるのでやや注意が必要。

馬体は大きなトモが魅力ですが、それ以外が若干貧弱。毛ヅヤも悪くずんぐりして幼い印象が残ります。歩様は良く伸びて及第点ですが、サトノダイヤモンド産駒ということもあって、このあとに良い変化が起きるとはちょっと思えないですね。

 

 

30.ディレクタの23(シルバーステート)★★★★

 

輸入馬で母の2番仔。Anabaaの血統ですから、アクアリングやアナアメリカーナが持っていますね。頭数の割にはもうちょっと走ってもいいかなと思いますが、全然ダメということはありません。

馬体は上体が逞しく力強い造り。一方でトモはちょっと薄めなので、前後のバランスがちょっとよくありません。歩かせるとなかなかの外弧歩様ですが、バネを感じる勢いのある歩様。素質は高そうですが、とにかく脚元が心配になる一頭。あまり重くなりすぎないといいですね。