サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2024 61-70 | Thoroughbred World

サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2024 61-70

61.フォースタークルックの23(キタサンブラック)★★★★

 

今年の3歳世代のなかで、相当にPOG人気したドゥマイシング。まさかの未勝利で抹消されてしまいましたが、これだけ人気するのは繁殖への牧場の期待の表れと思えば、ハイエナのように弟や妹を狙いたくなるものです。

馬体はこちらも高い完成度。生まれの早さを考慮しても十分な出来です。トモの容積、胸の深さが魅力で、背中の長さがちょっと足りない分、マイルなどにも対応可能でしょう。やや外弧歩様気味なのでちょっと評価は落としましたが、酷いものではないのでそれほど気にしなくていいかもしれません。

 

【ツアーチェック】

体調OK。まったく問題なし。よく食べて、よく寝る。でも、競馬は秋口かなという評価。成長が早いわけではないが、健康面に不安なしと解釈しました。

 

 

62.ティグラーシャの23(モーリス)★★

 

非常に注目度が高いシーズアタイガーの血統。もうちょっと連続して走る馬が出てもよさそうですが、なかなか評判以上の結果が出ていません。ティグラーシャも相当評価が高かった一頭。お値段考えたら手放しに喜べないですが、3勝できれば及第点でしょう。

馬体は母がそれほどサイズがあったわけではないにしろ、やはりディープ牝馬の初仔ということで数字以上に非力な印象が残ります。

膝下が長く、筋肉量が少なめで、飛び跳ねるように安定感のないような返しは気がかり。1月中旬生まれでもあり、劇的に変わってきそうな雰囲気はないですね。

 

 

63.ドナウデルタの23(モーリス)★★

 

ドナブリーニ牝系。ドナウブルーは孫世代どんどん誕生しています。血統的には母父ロードカナロアという最先端すぎて極めてサンプルの少ないカップリングですので判断が難しいところ。ジェラルディーナの影響もあって、モーリスをこの牝系につけているのではないかとも思えますが、当たりハズレは大きそうですね。

馬体は即切りレベルの右前内向があり、大きく減点せざるを得ないのですが、一方で動きの機敏さはピカイチ。前肢が短いながらもしっかり可動域が取れていて、短い距離への適性が高そうです。

 

 

64.ノチェブランカの23(ドレフォン)★★★

 

初仔のウィンターベルがいきなり新馬戦を勝利するという抜群のスタートを切ったノチェブランカ。母系はナイトマジックなので、それほど仕上がりが早いタイプと思えないだけにちょっと意外でした。ドレフォン×ディープインパクトはワープスピード、カワキタレブリーなど芝馬を輩出。さすがにこの母系でダート一辺倒というわけにはいかないので、まずは芝向きであるという前提で見ていきたいですね。

馬体は2月生まれにしては完成度が低めで、特にトモの筋肉がペラペラ。一方で前肢はよく出ていますし、短い首でグイグイ行く勢いの良さも感じます。ドレフォンの特徴は正直あまりないですが、グレートマジシャンを産んだこの母系のものであるということであれば納得でしょうか。

 

 

65.ブエナビスタの23(ドレフォン)★★★

 

ブエナビスタにドレフォンとは全く想像がつかないカップリングですね。細身で軽すぎるブエナビスタの弱点を補う意図で配合したのでしょうか。いずれにしても、これもまたダートで頑張りましょうとは言えない血統構成ですね。

綺麗なバランスで前後のバランスに優れた美しいプロポーション。完成度としては高いのではないでしょうか。歩様もドレフォンのいい意味での硬さが出ており、完成までに時間がかかるということもなさそう。

気になったところとしては右前球節付近、怪しい位置の差し毛でしょうか。

 

 

66.ドバイマジェスティの23(ドレフォン)★★★★★

 

まさかドバイマジェスティにドレフォンとは驚きましたね。種付け日が5/7なので、ジオグリフの皐月賞制覇を見届けてから配合したことになります。配合の狙いとしては、最近のドバイマジェスティの仔が薄く出すぎて競馬を使うまでに時間がかかってしまうというところを考慮してのことでしょうか。弱点を補って、ドバイマジェスティの本来の能力を早いうちから発揮しようということならすごく理解できますね。

馬体は確かに幅が出て、測尺的にもやや薄めぐらいで収まっています。ドレフォン×A.P.Indyというダート感満載な体型ではなく、いつもよりちょっと硬いけどしっかりしているドバイマジェスティというぐらいです。ドンピシャにハマれば芝のマイル路線ですごい活躍をしてもおかしくなさそうです。

 

 

67.ジェンティルドンナの23(ドレフォン)★★★★

 

こちらもまさかですね。ジェンティルドンナにドレフォン。同じくジオグリフの皐月賞制覇を見届けてからの配合です。ジェンティルドンナの仔はどうしても募集時にはかなり幼い馬が多く、早めの成長を促すという意味でのカップリングだったのかもしれませんが、あまり変わらなかったですね。

とはいえ、トモの容積は大幅にアップしましたし、歩様もしっかりしています。母系には緩いタイプも出ていたことから、ドレフォンとの配合でいい具合にネジがしまってくると仕上がりも早くなりそうです。

 

 

68.エイプリルミストの23(サートゥルナーリア)★★★★★

 

早くも初勝利を挙げて一気に注目度が上がったサートゥルナーリアの産駒。ロードカナロアもエピファネイアも母父ディープインパクトとの配合は数の割に微妙な成績です。祖母のスターダムバウンドからは高額募集馬が連発しましたが、一流馬を輩出できず。勢いという意味では今一歩というところでしょうか。

まだ母は若い時期ではありますが、馬体は水準レベルのサイズ感。前後のバランスに優れ、良いプロポーションの立ち姿です。後肢の返しもよく、この母系にしては可動域も十分。やや胴長でありながら緩さを感じさせず、切れ味も十分備えていそうです。懸念はやや繋ぎが短いところ。繋ぎ以外の馬体の造りとはちょっとマッチしないかなという印象でしょうか。

 

【ツアーチェック】

まだちょっと細めですが、順調に育ってきているようです。牡馬にしてはちょっと軽めかな。メンタル的にも落ち着いていてよかったです。

 

 

69.シュプリームギフトの23(サートゥルナーリア)★★★

 

こちらも母父ディープインパクト。シュプリームギフトもやや高齢の部類ではありますが、2番仔からはすべて勝ち上がり、ブラックタイプ2頭と十分です。母の仔の特徴は募集時にはみんな小さくて目立たないこと。特に管囲18cm台で重賞制覇を果たしたプレサージュリフトの例もあり、成長力を計算に入れてちょっと基準を変えて検討したい一族です。

本馬も馬体はやはり生まれよりもずいぶん幼く見えます。毛ヅヤもあまりよくないですし、ずんぐりとした第一印象。踏込もそれほど目立たず目つきにも怪しさを感じます。

それでも結果を出す一族なので、「これはチャンス」とあえて突っ込んでみるのもありかもしれません。

 

 

70.コパカティの23(アドマイヤマーズ)★★★★

 

初週からあわや新馬勝ちという競馬を見せたアドマイヤマーズ産駒。まだ突き抜けて目立っているわけではないですが、ダイワメジャーの正統後継種牡馬として、マイル界を引っ張る存在になりそうです。母中距離系×父短距離寄りの配合は同牝系のジオグリフに通ずるところもあり、配合的にはかなり好みですね。

馬体は1月生まれにしては若干フレームが小さいかなという気もしますが、バランスはとても良いですね。トモの容積はそれほどですが、筋肉はしっかりついていますし、伸びやかな歩様。特に前肢の可動域が抜群です。

母はメンタル面に大きな課題があっただけに、そのあたりが悪さをしてちょっと細身になっているとしたら嫌だなというのはありますね。

 

【ツアーチェック】

407kg。1月生まれとしては黄色信号。生まれた時点で小さく、なかなか大きくなれない運命か。牡馬だけど430kgで競馬できれば御の字。性格はOK、グイグイと仲間を引っ張る。

(★5→★4)