サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2024 21-30 | Thoroughbred World

サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2024 21-30

21.フローレスマジックの23(サートゥルナーリア)★★★★

 

母のフローレスマジックは当時の牝馬としてはかなり高額な6000万円の募集。ラキシスとサトノアラジンが現役バリバリだったので、マジックストームの価値が最も高まったところの募集となりました。重賞には手が届かなかったものの、4勝を挙げ獲得賞金から見ても十分な活躍でしたね。

本馬は3番仔となりますが、上2頭は募集されておらずクラブに出てくるのは初めの一頭。濃いクロスを二本持ち、健康面は若干気になります。

早生まれでボリューム感があり、体重など尺もしっかりしていますが、トモが高く大柄に成長しそう。現時点では体高が低く、首が短い短距離向きの体型となっていますが、マジックストームですから古馬にかけてじっくり成長してくるのではないでしょうか。

可動域のしっかりした歩様から運動性能は高そう。やや未知数なところも残しつつでギャンブル性はありますが、成長に期待したいですね。

 

 

22.ファイネストシティの23(サートゥルナーリア)★★★★

 

ロードカナロアでは相性がさっぱりだった、母父ミスプロ系との配合になります。父がサートゥルナーリアに代わってこの傾向がそのまま生きるのかは現時点では不透明です。エピファネイアなどは母父ミスプロ大好きなので、どちらが出るでしょうか。

母のファイネストシティは米牝馬チャンピオンスプリンターを引っ提げて来日後、3頭連続でセレクトセール億超え。(税込み)

ただ、これが全く期待外れで、2022年度産からガタっと落ちました。産駒成績は残念だけど、ちょうど走りごろの年齢にかかってきたので判断が難しいところです。

馬体は早生まれということもあり、こちらも完成度は高め。前後のバランスは取れていながら、肩回りの筋力は十分です。また、トモの容積が大きく、首が太く短めの距離を得意としそう。首位置が高めで少し背中の緊張感が足りない感じはします。

動きも可動域はしっかり取れており、硬さはありません。

期待外れの兄たちもグッドルッキングホースなので、見掛け倒しはやはり怖いですが…。

 

【ツアーチェック】

446kg。短距離向きの前向きさがあり。見た目にはよく見えましたが、口をそろえて「上が走っていないですからね…」という感じで牧場側も試行錯誤中という印象でした。

 

 

23.ジューヌエコールの23(アドマイヤマーズ)★★

 

安心と信頼のソニンク牝系。近年その勢いは止まりませんが、なぜかそれほど値上がらないところがいいところですね。母のジューヌエコールもスプリント路線で活躍した一頭。フィジカルを生かし若いうちからスプリント路線で活躍しました。

父アドマイヤマーズは新馬戦でいい競馬をしたエンブロイダリーの存在もあり、今後ダイワメジャーの後継種牡馬としてマイル界の中心になることが期待されます。

本年サンデーサラブレッドクラブ募集の牝馬の中で第2位となる巨体の持ち主。早生まれということもありますが、キ甲が抜けておらずまだまだ成長余地を残しています。胸囲が示す通り排気量も十分で、マイル以下を得意としそうなタイプです。

それに反して脚が細めであることがちょっと気がかり。管囲が20cmを切っていることもありますが、歩かせて繋ぎの柔軟性が乏しいところがどうでしょうか。

 

 

24.ロサグラウカの23(アドマイヤマーズ)★★★

 

華麗なるバラ一族出身のロサグラウカ。近親のスタニングローズが秋華賞を制し、バンゴールからもいかにも当たりが出そうな雰囲気で勢いに乗ってきた感じがあります。母のロサグラウカはステイヤーの気質があり、若いうちから牡馬を打ち負かすパワーを兼ね備えていました。スピードを補うアドマイヤマーズとの配合ですし、2番仔で走りごろ、尺も悪くなくて、姉にあった管囲の細さも解消されています。

馬体は大きなトモに背中の短いどちらかというと父の特徴が出ていそうな体型。ただ、ルーラーシップ肌なので若干飛節の折れが深い感じはあります。横から見る分には可動域もスムーズさもよく見せるのですが、前から見るとハの字のように外側に足が向かっていく歩き方です。外弧歩様でもあるのですが、ちょっと癖がある感じはしますね。

 

 

25.カービングパスの23(ナダル)★★

 

今季オークス馬を輩出したハッピーパスの牝系。母のカービングパスはハービンジャー産駒ということで共通点も垣間見えます。初年度のスクルトゥーラが2勝を挙げて、2世代空胎明けの3頭目。新種牡馬ナダル産駒は未知数ですが、いかにも狙い頃というプロフィールです。

しかし、空胎明けにナダルということで馬がしっかりしすぎてしまったようで、明らかに外れ値のようなデカさになってしまいました。さすがにここまで大きくなってしまうと、緩さや重さは否めません。大柄で緩いタイプが得意な相沢先生というのは頷けるものの、さすがにちょっと狙いづらいですね。

 

 

26.レティキュールの23(ナダル)★★

 

祖母のファッションプレートの初仔としてサンデーで募集され3勝を挙げたレティキュールの初仔です。3勝クラスでも掲示板に載っていたように高い能力を持ったステイヤータイプの馬だったのですが、結構パドックで入れ込みが激しいタイプでした。

初年度はサイズを考慮してかナダルを配合し、その狙い通りのサイズ感で出てきました。腹袋がしっかりしてRoberto系らしさも出ているのではないでしょうか。

ただ、歩かせると後肢の踏み込みが浅く、全体的に硬めに感じられます。また、後肢の幅がやや足りないのと、背中の短さが母の成績のイメージとリンクしづらいので、ちょっと完成系が読みづらい一頭かなと思います。

 

 

27.ワンブレスアウェイの23(ルヴァンスレーヴ)★★★★

 

ステイゴールド系との相性が抜群で、重賞勝ち馬を4頭も輩出したストレイキャットの母系。ただし、ステイゴールドが母父に入った馬たちの成績が厳しいように、この母系もまた孫の代になって活躍馬を輩出できていません。

馬体はルヴァンスレーヴの仔らしい低重心で、幅がある馬体。サイズもちょうどよく、力感がある歩様です。ただ、肩が立ち気味であり少し硬さも感じますし、ちょっと躓くようなところもありますね。ほんの少し弓脚気味なので、上が重くなりすぎないといいですね。

 

 

28.ワンミリオンスの23(ルヴァンスレーヴ)★★

 

ディフィカルト牝系で一族にはダートでの活躍馬が多数。ルヴァンスレーヴ×ゴールドアリュールはこれからのダート系のスタンダードになっていきそうな配合です。産駒の状況ですが、初年度は腰フラ、アルナイルは骨折で地方競馬から出直し、ヘリオトロープはボーンシストと体質面の課題は顕著。なかなか40口の馬で勝負するにはリスクが高そうです。

馬体は4月下旬生まれとはいえ明白に小さいです。まだ成長が見込めるとはいえ、背中が短めで小ぢんまりしており、劇的に変わってくるとは考えづらいですね。

トモが薄くて飛節がブレるところもあり、パワー不足は否めません。

 

 

29.シユーマの23(コントレイル)★★★★★

 

体質の課題や完成に時間がかかることから、なかなか順調に使っていけないシユーマの産駒ですが、2歳のクライスレリアーナはその状況を打開して開幕週からデビューすることができました。父がサートゥルナーリアからコントレイルとなり、久々にクラシックを目指したくなるような馬が出てきたのではないでしょうか。

中サイズで出てきやすい母系ですが、その中ではちょっと小さい部類。それでも、体高があって、伸びしろは十分に感じられます。そして、課題に感じられるところはそれぐらい。

利発そうな澄んだ目をしており、前後のバランスが良く、立ち姿もばっちり決まっていますし、前後の可動域は十分。動きに軽さがあって、ディープ直仔のような雰囲気の持ち主です。

 

 

30.ヴァシリカの23(コントレイル)★★

 

母のヴァシリカはアメリカ芝のマイル~2000mの路線で大活躍。初仔はセレクトセールで金子オーナーに落札されたものの5戦連続着外ですから、ちょっと厳しい船出となりました。母系が日本ではなかなかいないタイプの血統構成になるので、コントレイルに替わってプラスマイナスというのが掴みづらいです。

馬体はサイズがやや足りず、トモのボリュームもかなり乏しいことから現時点ではあまり目立ちません。体高に対して、胸囲が足りないところや、脚が細いところ、繋ぎが短く可動域がやや不足しているところ、どれも致命的ではありませんが気にかかるところが多いです。