サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り 11-20 | Thoroughbred World

サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り 11-20

11.ハウメアの23(キズナ)★★★★

 

ジャスティンミラノ、ライトバック、サンライズジパング、サヴォーナ…今、多くの人に注目されているキズナの黄金配合、デインヒルを母型に持つ一頭です。母がスプリント路線で活躍したことも、ミスプロもキズナと相性良いですし、いかにも狙いたくなるプロフィール。

初仔のバンビーノデオーロも未勝利で苦戦していますが、気性の問題で明らかに脚力はありそうです。

馬体は生まれが遅いこともあり、尺としてはやや足りないものの、管囲がしっかりしていて、筋肉量も悪くないので、先々は十分なサイズに成長しそうです。返しも鋭く、運動神経も高そう。ただ、右前脚だけ強い外向なので、左右でずいぶん繋ぎの角度が違うように見えるのが相当気になります。

 

 

12.ライジングクロスの23(キタサンブラック)★★★★

 

全兄のクロワデュノールが物凄い内容で新馬を勝ち、一気に注目を集めることとなりました。クロワデュノールは19歳、本馬は20歳の時の産駒となるので、晩年に連続で当たりが出るのかというのはちょっと疑問です。

馬体は大柄に出た全兄と比較してかなりコンパクト。背中が少し短くて、まとまりがある体型です。膝下が長いところは父の特徴で兄に似ているのではないでしょうか。外弧歩様気味で前から見ると気になりますが、横から見る限り可動域は十分で運動能力は高そうです。4月生まれで成長余地が見込めますが、体型が大きく崩れているということはないので、それなりのサイズに収まるのではないでしょうか。

 

 

13.プリンセスノーアの23(キタサンブラック)★★★

 

3世代目で芝の重賞クラスを全く輩出できなかったキタサンブラック。ここからは初年度の活躍を見ている世代にはなるので、逆襲したいところですが、まずはこの馬が筆頭格になるでしょうか。母系にずらりと並ぶブラックタイプで母も7FのGⅠを制覇。まったくセオリー通り賞金TOP3と同じく母父ノーザンダンサー系でもありますね。

馬体は4月下旬生まれということもあって、かなり薄っぺらい印象は残ります。トモ高で、肩も立ち気味なので、やや硬くは映りますが、いかにも今後よくなってきそうな雰囲気はありますね。

 

 

14.エクセランフィーユの23(スワーヴリチャード)★★★★★

 

祖母のエクセレンスⅡからは続々と高額で募集される馬が出てきましたが、成績としてはイマイチ。その中でも初仔だった本馬の母は抜群の見た目で★6を付けた良駒でした。デインヒルのクロスが強く、体質的な問題を抱えてはいましたが3勝を挙げました。そして、いかにも母になって楽しみな血統構成ですよね。

母系はデインヒルがアクセントになっているのですが、今年のクラシックを沸かせた2頭のスワーヴリチャード産駒レガレイラとアーバンシックも母父ハービンジャーなので、出インヒルを持っているのも共通点です。

馬体はどちらかというとお母さんの印象が強いです。背中が短めで筋肉質。前肢は若干硬いですが、ボリューム感のあるトモは可動域も十分。ちょっと距離適性は短めかもと思わせつつ、またしても木村哲也厩舎からスワーヴリチャードの楽しみな馬が出てきたのではないでしょうか。

 

【ツアーチェック】

他馬に対して気が強く、人には従順で手がかからない理想的なメンタルの持ち主ですね。競馬に行って爆発力につながれば。

 

 

15.アースライズの23(モーリス)★★★

 

こちらもクロワデュノールの近親にあたります。母のアースライズはクロワデュノールが出るまでの稼ぎ頭で、もともとの期待ほど走れていなかった母系の中ではかなり良い方でした。ただ、産駒成績もパッとせず、お値段ほどの安定感がないのがやや気がかりです。一方で、モーリス×マンハッタンカフェはハセドン、メイショウソラフネ、フレーヴァードなどを輩出しており悪くありません。

馬体はかなりの大柄ではありますが、モーリス産駒にしてはすらっとした造りで、背中と脚が長く、ストライド走法で駆けていきそうな中長距離タイプ。まだ成長余地を残していそうでありながら456kgですから、かなりのサイズで競馬することになりそうです。

特段悪いところはないようですが、大きさが重さにつながってスピード不足にならないかというのはちょっとリスク高めかなとは思います。

 

 

16.アルミレーナの23(モーリス)★★★

 

母系はナイトマジックですから一発の魅力がありますが、当たりハズレが大きいタイプ。ディープ肌なので、昨年のドレフォン、今年モーリスとサイズを大きく出す意図の配合でしょうか。Sadler’s Wellsとサンデーのクロスが入り、血は濃い感じがありますね。母系は中距離以上のタイプですが、モーリスにサドラーのクロスを持つ馬はどちらかというと短距離寄りです。

馬体は中サイズに出ていて、あまりモーリスらしさがない感じです。前から見ると幅がない反面、動きには素軽さがあって、鋭い返しが魅力。膝下が長く距離が持ちそうな雰囲気もありますね。

 

 

17.アロマティコの23(ドレフォン)★★★★★

 

出資馬ジオグリフの全弟になります。お値段は3200万→7000万にアップ。今季の値上がりっぷりを見る限り、妥当な印象すら持ってしまうのが恐ろしいところ。代表産駒と全く同じ配合なので、文句つけるところはもちろんないですね。母父キンカメとのカップリングも、クールミラボー、デシエルト、コンティノアールとダートで当たりも出ています。

馬体は確かに生まれの違いというのはありますが、ジオグリフからはちょっと一枚劣るかなと思います。違いは胸囲でムキムキ感は欠きます。ただ、逆に距離が持つタイプになる可能性は秘めていそうです。

アルビージャやチルカーノなどタイプの違う兄姉も走っていますので、シンプルにアロマティコが優秀な繁殖牝馬であることは疑いようがありません。正直、普通に活躍しても何ら驚けませんね。

 

【ツアーチェック】

446kg。ここにきて一気にジオグリフに似てきたとのこと。というかジオグリフよりも大きくなってしまいそうなスケール感でした。芝がもしかしたらこなせないかもしれないとのことで、ダート路線の馬でしょうか。(★4→★5)

 

 

18.グロリアーナの23(ドレフォン)★★

 

芝でもダートでも活躍馬を輩出するフェアリードールの牝系ですから、ドレフォンとのカップリングはぴったりマッチしそうです。同配合のマスクオールウィンはフェアリーS2着から桜花賞とNHKマイルに挑戦しましたし、これもまた悪くありません。

馬体は早生まれを加味しても迫力十分で、キ甲の抜け具合からまだまだ成長の余地を残していそう。現状ではダートの方になっていくのではないかと思います。

懸念点は短すぎる繋ぎ。歩様の硬さや外弧歩様にもつながってしまっている感じもありますし、クッション性にも乏しいので、重くなると脚元への負担も大きくなりそうです。

 

 

19.タンタラスの23(ドレフォン)★★

 

母のタンタラスはブエナビスタの仔のなかでは一番馬体の雰囲気が良かった馬で★5を付けました。総じて期待外れな中では4勝を挙げましたし、よく頑張ったのではないでしょうか。タンタラスのよかったところは幅があったこと。その特徴は本馬にもしっかり受け継いでいるように感じられます。

血統面ではドレフォン×キンカメ×サンデー系という黄金配合ですね。

馬体は幅がある分、上がかなり重い印象。踏込も浅いというよりは脚取りが重い感じがあります。そして、立ち姿では左前脚がかなり弓脚気味。脚元のリスクはちょっと高めでしょうか。

 

 

20.ガールオンファイアの23(サートゥルナーリア)★★★

 

サートゥルナーリア×アグネスタキオンで皐月賞馬同士のカップリング。さらに、牝系は今春最も注目を浴びた一族ですね。シーザリオ、ウインドインハーヘア、サンデーのクロスとステレンボッシュに通ずる要素が目白押しです。

母の仔はこれまですべてセールで取引された馬でクラブには初登場になりますが、母系の期待値とは裏腹に散々な成績。タキオンで未出走だった母の体質の弱さを継いでしまっているのか、ホウオウライジン以外は競馬を多く使うことができていません。

馬体は5月生まれということもあって、現状ではそれほど目立ちませんが遅生まれのなかではむしろ目立つレベル。鋭い返しでしっかり歩くことはできています。

現時点で繋ぎが緩めではあるので、成長して重くなってくるとどうかなというのはちょっと気になります。