社台サラブレッドクラブ全頭斬り2024 71-80

71.サツマキリコの23（クリソベリル）★★★

ミルレーサー牝系で一族は芝の中距離を中心に活躍。母は地方でおろしたように、元からダート馬ですから、この馬もまたダートの方が得意そうです。クリソベリルは超大柄でしたが、この馬は多少軽さもあって、中サイズぐらいに収まりそう。

馬体はクリソベリル産駒にしてはちょっとスラっと見せます。やや前肢の入りが硬めでそれもダートでは問題ないでしょう。ちょっと強調材料に欠く造りで、まあまあかな…と思わせる一頭です。

72.ハッシュゴーゴーの23（イスラボニータ）★★

祖母のハッシュバンバンの仔は社台サラブレッドクラブでは募集されておらず、馬体の特徴が掴みづらい母系です。この馬もまた祖母からのブラックタイプが薄く、血の勢いは感じられません。

馬体は牡馬の中ではかなり小さい部類。今後の成長に期待したいところですが、全体的な造りからかなり時間はかかりそう。歩様はゆったりして癖が少なく、かといって前進気勢もあまり感じません。

73.デジマノハナの23（イスラボニータ）★★

ここ最近はブラックタイプに地方での勝ち上がりしかなく、祖母からも母からも勢いはあまり感じられません。サンデーサイレンスの3×4×4と濃いクロスを持ち、体質の面でもちょっと怖さがありますね。

馬体はフレームもしっかりしていますし、可動域も悪くないですが、現時点ですでに両前の膝が被っているように見えます。これはなかなかリスキーではないでしょうか。

74.コッパの23（イスラボニータ）★★★★

兄のトゥードジボンが米子ステークスを制覇。母もまだまだ若く活力にあふれており、全妹にあたる本馬にも期待がかかります。

馬体は素晴らしいフレームでトモの容積十分。幅のある馬体で歩様にも余裕のある所作が感じられます。可動域も十分ありますので、重くなりすぎなければ距離も持ちそう。早いうちに体が仕上がれば早期移動も可能でしょう。

75.アドラータの23（ニューイヤーズデイ）★★★★★

祖母のアドアードはかなり期待の繁殖でディープインパクトを何度も配合されましたが、結局ブラックタイプに載るような活躍を見せることはできませんでした。母のアドラータはオルフェーヴル産駒で2勝。2勝クラスでも2着が2度あり、能力はそこそこあったように感じます。

馬体はそこまですごく目立つというわけではないですが、トモの容積もまずまずで幼いながらもバランスは秀逸。そして何よりこの馬のいいところは動きですね。首をうまく使った理想的なフォームで歩くことができていますし、スピード感があっていいですね。

【ツアーチェック】

性格は「まろやかな雰囲気の仔」とのこと。人に囲まれても落ち着いており、冷静な立ち振る舞いでした。

76.リトミカメンテの23（ニューイヤーズデイ）★★

かなり古くから根付いた血統ですが、ここ最近は産駒成績が不安定で唯一走った馬ぐらいの牝馬を順につないできた母系図です。このアベレージが低いなか、今回が初仔となるため、やはりサイズには大きな課題が残りますね。

パッと見小さい馬体は、それほどトモが高いという印象でもなく小ぢんまりまとまってしまっているように思えます。筋肉量も動きもまずまず良いですが、どうも器から小さいというぐらいのイメージですね。

77.エリンズロマーネの23（サトノクラウン）★★★

ダービー馬を輩出したものの、その他の活躍馬が全然出てこないサトノクラウン。オークスを勝ったものの、産駒の成績は全く振るわないエリンコートの血統。相当にアベレージは低そうですが、それでも一発の魅力はありそうです。

馬体はサトノクラウンとノヴェリストの配合だけあって骨太でがっちりとした造り。かといって歩様が硬くなることはなく動きについても及第点。サンデーの血が入っていないのと血統的な面も含めてギアチェンジで末脚が伸びてくるようなところがなさそうなのが、どうかでしょう。

78.エマソングの23（ダノンキングリー）★★★

父ダノンキングリーはディープインパクト×StormCat血統。古馬になって安田記念を制しており、スピードをうまく伝えられれば結構楽しみな種牡馬になると思います。母のエマソングの仔は安定していますし、勝ち上がり率は良好。王道種牡馬からちょっとグレードが下がった分がどう影響するでしょうか。

馬体はやや小さく、生まれが遅い分目立ちません。頭の位置が若干高く、まだトモに力が付ききっていないのでしょうが、ディープ系らしいトモの形で決め手はありそうです。

歩様は硬さもなく変な癖もないので、まずまず及第点といったところ。ここからの成長に期待したいですね。

79.サボールアトリウンフォの23（シルバーステート）★★★★

東サラでいきなり活躍馬を出したので、そっちのクラブのイメージが強い母。3頭目もきっちり勝ち上がっており、意外と打率も高そう。ディープ系との配合で結果が出ているうえ、まだ若めでもあり、十分狙いが立つ一頭でしょう。

馬体はややサイズが足りませんが、大きなフレームを持ち、まだ実が入っていない分が足りていないだけではないでしょうか。可動域十分、膝下長めで芝の中長距離タイプ。まさに東サラの兄のような路線で一発を期待でしょうか。

【ツアーチェック】

ちょっと華奢なイメージがありましたが、だいぶバランスが整ってきているように感じました。

80.インディアマントゥアナの23（パイロ）★★★★

いきなりジャンタルマンタルを輩出した母の2番仔。母は芝の中距離でしたが、パイロとの配合で今度はダート路線といったタイプでしょうか。パイロの仔は比較的早熟で、早いうちから活躍した兄に続きたいところですが、若いうちにダート路線の牝馬はあまり確立さていないので、そこはちょっと気になります。

馬体は予想通り完成度の高さが特徴。馬格もさることながらすでにとにかく成長が早いです。スナップが利きすぎて前から見ると怪しいですが、横から見る限りスムーズで可動域もOK。気性の難しさがあるといわれるパイロ産駒だけにメンタル面で脆いところが出ないといいですね。