シルクホースクラブ全頭斬り2023 71-77 | Thoroughbred World

シルクホースクラブ全頭斬り2023 71-77

71.モアザンセイクリッドの22(レイデオロ)★

 

半兄のドゥレッツァがなかなかの活躍を見せているモアザンセイクリッドですが母は昨年のミックスセールでわずか850万円で売却。おそらくクラブに出てくるのはこれが最後になるのではないでしょうか。父レイデオロはここまで不調ですが、同じキンカメ系で結果が出ているのは良い材料です。

ただし、馬体の成長がかなり遅くサイズ的にもかなり不安が残ります。トモの容積が足りず頼りない印象ですし、脚元を見ても左前がめちゃくちゃ外向しており、いくら影響が少ない外向とはいえここまでの左右差はなかなか見られません。

 

 

72.サダムグランジュテの22(ルヴァンスレーヴ)★★★

 

こちらもシルクお馴染みの繁殖牝馬となりました。一頭だけキャロットで募集がかかりましたが、それ以外はすべてシルクでロコポルティが3勝を挙げていますが、残りはなんとか勝ち上がった馬が数頭と全部追いかけていたら相当赤字が膨らんでいそうです。

そこまで結果は出ていないですし、種付け料150万円のルヴァンスレーヴなら2,000万ぐらいかなと思ったところ、これが3,000万円というのが一口バブルの恐ろしいところ。

馬体は2月上旬生まれらしく、すでにしっかりとした造りではありますが、ダート馬ということならもうちょっと体重が欲しいところ。トモの容積があって、胸の深さもあるところは良いエンジンを持っているという意味では良さそうです。

歩かせると背中の上下が激しく連動性という意味ではイマイチで、繋ぎが短い分クッション性もあまりないように思います。ダートの競馬を使うという意味では良さそうですが、育成段階でトラブルがないことを祈りたいです。

 

 

73.ルシルクの22(フィエールマン)★★

 

今の世代から8~10ぐらい上がこの繁殖牝馬のピークだったということでしょうか。かろうじて勝ち上がる馬は多いものの、募集価格に見合った活躍をできている馬は近年ほとんど見られません。母も高齢ですし、フィエールマンの牝馬ならもうちょっと値段を下げてでも?と思うのですが。

父フィエールマンはキ甲が発達していたものの、背中にはゆとりがあるステイヤー寄りのディープ産駒でしたが、本馬は背中が短いタイプであまり特徴は出ていません。生まれが遅いというのもありますが、骨格的に大きくなりそうもないので、それほど成長はしてこないかと思います。トモの容積もやや不足、トモは流れ気味で、やや立ち繋ぎとほかのパーツもちょっとアンバランスでしょうか。

 

 

74.ジーナアイリスの22(ニューイヤーズデイ)★★★

 

新種牡馬でなかなか勝ち上がれていないニューイヤーズデイですが、ダート種牡馬とするならばこれから勝ち鞍は増えてくるのではないでしょうか。代表産駒がドーピングでクロということなので、種牡馬成績的にも暗雲が立ち込めていますが、日本で合うかは別問題だと思います。

母系はかなり古めかしい血統であまり勢いはないですし、ディアジーナの子もなかなか活躍できていないので、評価は難しいところ。ゴールドアリュール肌は良いと思いますが、ダート一本の牝馬がそもそも狙いづらいというのもありますね。

馬体は筋肉量が豊富で、トモの容積と可動域の良さを感じる造り。横からだとなかなか高い評価をしたいところが、前から見ると右前脚の出し方に癖があるように感じます。

 

 

75.クローバーリーフの22(ワールドエース)★★★

 

先日種牡馬引退が発表されたワールドエース。順調ならGⅠを勝てていたでしょうし、そうすればもうちょっと良い繁殖牝馬にも恵まれたのではないかと思うので、もったいないという気持ちになります。一方、母系はダート寄りであまり合わないように思えますが、ワールドエースの代表産駒が地方で活躍するシルトプレなので、走らないわけではないでしょう。

馬体は一目見てバランスの取れたコンパクトな造りなのですが、管囲の太さと生まれからしてもこのあとグッと大きくなることが想定されます。飛節の伸びはありますが、引きつけが弱かったり、前から見るとフラフラしたり頼りない面はあるものの、今後がっちりした馬になりそうです。

 

 

76.ソーディヴァインの22(アジアエクスプレス)★★★★

 

初仔のレゾリュートは順調さを欠き、大きくなりすぎて絞りながら使っていく段階で故障リタイアとなってしまいました。父がアジアエクスプレスに替わりますが、多少兄よりはサイズ的には小さいものの、それでもかなりの大型馬で順調にいくかが最大のカギになりそうで、能力は見限れないかなと思います。

馬体はトモの容積が抜群でこれまた兄に似ています。可動域もまずまずあってダート馬だと思いますが、硬さはあまり感じません。繋ぎは短めでダートを使うにはいいかなと思うのですが、負担は大きいでしょうから脚が持てばというのはありますかね。

 

 

77.パリスビキニの22(American Pharoah)★★

 

一つ上にサンデーRで募集されたUncle Mo産駒がいて、この馬が国内で2頭目。○外とならないのはありがたいですが、ダート一本という血統だけに牝馬に出て、5,000万円募集というのはなかなか難しいですね。

馬体は大柄でダートでいかにもよさそうではありますが、背中が長く、緩そうな雰囲気が漂っています。トモが高く、キ甲が抜けてくればもうちょっとバランスは良くなると思いますが、今度は巨体化の恐れもありますね。キャロットなら活躍すればアワブラとして何でも付けられる良繁殖となりそうですが、シルクではあまりメリットはないかなと思います。