シルクホースクラブ全頭斬り2023 11-20
11.パーシステントリーの22(キズナ)★★★
今年度は高額募集が相次いでいるキズナ産駒の牡馬。パーシステントリーとの配合でこの値段は破格に安く感じますが、その要因は母の繁殖成績にあるかもしれません。期待馬がトラブルに見舞われる不運な面もありますが、これだけ高額募集されてきたので、印象は良くないですよね。
馬体は一言で表現するなら「いつものパーシステントリー」でしょうか。体高と管囲が他馬に比べて抜け気味で、胴も長めでスケール感のある造りです。
張り詰めたような筋肉の美しさは圧巻ですが、背中の甘さや歩様の不安定さは感じざるを得ません。脚長で不器用な面もありますが、夢を追い求めてみたくなる雰囲気は持っているんですよね。
12.グラマラスライフの22(ハービンジャー)★★★★
こちらも母は15年生まれ黄金世代。未勝利を勝てず園田の出戻りから1勝クラスを勝ち上がり、2勝クラスでも3着好走があるように仕上がりの遅さがネックになりましたが、能力はなかなかのものがありました。
本馬が初仔になりますが、ハービンジャーを迎えたことでそこそこのサイズに仕上がりました。馬体は母の印象から牡馬になった分、一回り逞しくなったような造りで前重心や胸前の発達など似ているところも多いです。
この馬の良いところは動かせて出てくるようで、良い具合の前進気勢、可動域の良さ、ブレの少ないボディバランスの良さなどがあります。あともうひとつ全体的な成長があって、パワーがつけば力の要る馬場でグイグイ伸びてくる稼げる馬になりそうだなと思います。
13.エノラの22(ドゥラメンテ)★★
母はお馴染みのドイツオークス馬。導入されたのが2016年で、国内種牡馬との配合の馬はすべて勝ち上がっています。昨年度サンデーで募集されたヘルミーネは募集時から見栄えが良く、早期入厩、新潟開催でのデビューの目途が立っていますので繁殖の質としては高そうに思えます。
馬体は遅生まれということもあって、あまり目立ちませんし姉と比べてもかなり小ぶりに見えます。前から見てもかなり薄さを感じます。また、父のドゥラメンテの特徴である立ち繋ぎでさらに歩かせても沈まないようにも見え、脚元のリスクも高いタイプになりそうです。
14.メジロツボネの22(ドゥラメンテ)★★★★★
いきなりグローリーヴェイズを輩出したあともコンスタントに勝ち上がる馬を出していますし、結果には繋がっていないもののエゾダイモンはPOG人気するなど、まだまだ繁殖としての活力がありそうに見えます。
キンカメ系種牡馬で母父ミスプロはNG配合ですが、ドゥラメンテ産駒の牝馬についてはむしろプラス材料で配合としても悪くありません。
馬体はスラっとしてドゥラメンテらしい造り。トモは少し薄いものの全体的なシルエットの良さがあります。やや硬めですが、脚は真っすぐ出ていますし、安定感は十分です。
15.プラウドスペルの22(ドゥラメンテ)★★★★
本家で高額募集馬を連続したものの、なかなか期待に応えることができなかったプラウドスペル。シルク募集のサンサルテーションが未出走引退ということもあり、ヘイトが溜まっているのではないでしょうか。
馬体は3月生まれながら、やや腰が高く少し成長が遅い印象もありますが、トモの容積やしっかりした腹袋など良いところも出ていて、繋ぎの柔軟性などもちょうど良いと思います。ただし、歩かせると外弧歩様というよりも両前脚を外側に張り出してハの字の形になっており、そこはやや不安が残ります。
16.ユキチャンの22(ドレフォン)★★★★
活躍が続くシラユキヒメ一族ですが、活躍馬は見事にシルクを避けているように、どうもユキチャンの仔は突き抜けた活躍ができていないように思えます。母も金子さんの所有馬ですし、不思議ですね。父にドレフォンを迎えてダート一本ですが、牝馬に出たことでやや狙いづらくなりました。
産駒は一貫してビッグサイズのユキチャンの仔で、この馬もまたそういったタイプ。デカくなりそうであるとか、鈍重な印象があっても、500kg以上に増えすぎてしまうことがなく、仕上がりが早いところがいいですね。トモの容積と筋肉量は抜群。前肢の可動域も取れていて、安定感のある歩様です。
17.マイハッピーフェイスの22(キタサンブラック)★★★★
母はアメリカの活躍馬。Tiznowの血は近年ノーザンファームが力を入れているようで、どんどん入ってきますね。姉もダート一本で使われているように、パワータイプを産む配合で、キタサンブラックの仔ではありますが、22.1cmという管囲ならさすがにダートでしょうか。
馬体はトモの容積十分、低い重心で勢いよく歩けていますし、可動域も十分で硬さは感じられません。しかし、膝下の短さはキタサンブラック産駒と真逆の特徴なので、これがどうでるかというのは疑問が残ります。
18.ラッドルチェンドの22(キタサンブラック)★★★★★★
母はラヴズオンリーミーの系の超良血牝馬。産駒はテルツェットが大活躍したものの、それ以外の産駒は期待以上という感じではありません。アベレージの悪さは母父のDanehill Dancerが由来でしょうか。しかし、この血を持っていると、馬体にハリがあって、募集時に本当に良く見せる馬が多いのも事実です。
そして、本馬もまた非常に良く見せます。上体は非常にまとまっていて、背中が短めでも胴が長く見える理想的な造り。トモの容積も良く、四肢の連動性が良くスムーズな歩様で歩くことができています。脚元はクッション性が良く、膝下が長いキタサンブラック産駒の特徴を良く表現した造りだと思います。4月下旬生まれでまだ両前が外向気味だったり、筋力が足りずフラフラした面は見られますが、成長とともに解消してくるでしょう。
19.ムーンライトナイトの22(ルーラーシップ)★★
鬼門の母父ステイゴールドですが、大柄な産駒が多く配合としてマッチしそうなルーラーシップとの組み合わせでも、3歳以上で16頭中4頭しか勝ち上がっていません。サイズとメンタルの二重苦ですし、初仔となるとさらに苦しいですね。
体重は標準よりちょっと下ぐらいの数字ではありますが、現時点で腹袋がしっかり見えることと、体高が足りないことからも成長の余地はあまりないのかなと思わせます。
また、踏込の深さは及第点ではあるものの、外弧歩様で力感が足りません。立ち写真で前脚の繋ぎの長さに左右差があるところも気がかりです。
20.ジーナスイートの22(ルーラーシップ)★★
こちらも全く同じルーラーシップ×ステイゴールド。しかも、初仔の5月生まれということもあり、早期から行ける雰囲気は微塵も感じません。また、母も6歳の3月まで現役だったということもあり、まだ体が出来ていなかったところでの配合だったのかなと思わせます。
馬体はトモが高く、伸びしろはあるように感じますし、動きは素軽く、可動域もまずまず持っているように思います。繋ぎの柔軟性が高いので、より柔らかく見えるのもあるかもしれません。前から見ると左脚だけ外向気味で肢軸も少しブレているようにも感じるので、そういったリスクもありそうです。