サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2023 121-130 | Thoroughbred World

サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2023 121-130

121.プペフラッシュの22(オルフェーヴル)★★

 

抜群の出来に見えた兄フラッシュキューブはまさかの2度骨折で現在休養中。

怪我の具合から普通には未出走引退であろうところを長期休養であったとしても現役を続けようとするあたり、

実際にはかなり手応えを感じていたんだろうということは想像できます。

そして本馬はオルフェーヴルを配合。白老ファームの期待のほどがうかがえますね。

牝馬で4月生まれということもあってか、かなりサイズ的に厳しいというのが現状で、

体高も低く、各パーツもやや成長が遅めなところが見られます。

また、歩様もインに刺さるような感じで左右差があります。

 

 

122.タッチングスピーチの22(ルーラーシップ)★★★★★★

 

今年の3歳世代で物凄い高実績合戦となったルーラーシップ産駒キングズレインの全弟になります。

キングズレインは年明けからペースを乱したものの、ホープフルSは一番強い競馬をしての3着。

リッスン牝系とはいえ、2頭目でしっかり走る馬を出してきたのも素晴らしいことですし、

ルーラーシップ×ディープインパクトの良さを凝縮し、この馬も同じように活躍できる素質がありそうです。

馬体はキングズレインからもう一段スケールアップ。

伸びやかな馬体から胴回りがさらに強くなり、パワフルさがアップしています。

踏込は鋭く、強烈なバネの返しがあり、トモの踏込もスムーズ。やや直飛気味の飛節は兄と近いものがあります。

若干毛ヅヤが悪いところと、大きくなりすぎる懸念はあるものの、楽しみな存在であることは間違いないでしょう。

 

 

123.アルミレーナの22(ドレフォン)★★★★

 

激減してしまったドレフォン産駒はこの世代は底と言ってもいいかもしれません。

頭数も少ないですし、狙いづらさはありますが、その中ではこの馬が一番と言えるのではないでしょうか。

母系はナイトマジックですから、基本的には晩成タイプでこの時期良く見せるタイプが少ないことを考えても

この馬は良い方と捉えることができるでしょう。

馬体は中サイズで、背中の伸びは良く距離の持ちそうな芝馬タイプの造り。

トモの容積と前進気勢や可動域はドレフォンのいいところも持っているように思えます。

生まれに比して体高が低いという部分がどう出るかというのはちょっと懸念としてあるかもしれません。

 

 

124.シャンデリアハウスの22(リアルスティール)★★

 

2年連続でサンデー募集となりました。

エアグルーヴを経ないダイナカール牝系ですが、こちらにもブラックタイプがずらりのお馴染みの血統ですね。

ヴァーミリアンをつけても結局芝で4勝を挙げてしまうあたりがこの牝系の強烈な芝適正でしょうか。

馬体は父がキズナからリアルスティールに替わり、がらりと印象も違うタイプになりました。

膝下が長く、立ち気味の方とトモがちょっと薄めで直飛といったところなどはまさにリアルスティール産駒です。

活発な雰囲気がありますが、前肢の膝あまり伸びずやや被り気味。

それとやはり前から見るとかなり薄っぺらいので、ここはもうちょっと成長を見たいですね。

 

 

125.ゾンザの22(サトノダイヤモンド)★★★

 

初年度の募集時にはかなりの注目を集めたサトノダイヤモンド産駒ですが、

現3歳世代を見る限り、なかなか厳しいスタートを切ったように思えます。

期待値も高そうで、各クラブでもかなり人気になっていましたのでちょっと物足りないですね。

その弱点として、仕上がりの遅さと俊敏性が足りないというところがあったと思いますが、

その二つを見事にカバーしてくれそうなプロフィールなのがこの母でしょう。

馬体は背中の長さこそステイヤーの父の影響が色濃い感じはありますが、胸も深く歩様にはまとまりがあります。

トモの容積や前肢の捌きを見てもパワー不足という印象はありません。

あとは首が短めであることが体のフレームや膝下の長さとマッチしていない印象があるので、

走らせてみてどんな感じかというのはちょっと気になります。

 

 

126.ジョンブドールの22(マインドユアビスケッツ)★★★★

 

祖母シャープキックからはダートでの活躍馬を連発。

地方オーナーズでもよく見かける牝系ではありますが、

最初の世代から結果を出したマインドユアビスケッツの牡馬なら中央募集も納得です。

ただし、ここにも母父ステイゴールドで、これがアベレージを下げているような気はしますね。

馬体はハリ感十分のダート馬という造りで、いかにも父のイメージが先行します。

胸が深く、トモも大きく、繋ぎが短めで硬めでクッション性のない歩様ではありますが、

それが適性をはっきりとさせているのではないでしょうか。

 

 

127.ダンサールの22(レイデオロ)★★★★

 

アルゼンチンの名牝バラダセールはサトノフラッグ、サトノレイナスをはじめ活躍馬多数。

2番仔のダンサールは募集時出色の出来栄えで、その後巨大化して計算外になるところはありつつも3勝。

秋華賞出走も実現しました。この馬はその初仔にあたりますが、

比較的小柄になるレイデオロは初年度でなかなか選ばれない相手なので、そこはバランスを考えてのことでしょう。

馬体は初仔でどちらかというと似ているのは父の方。

腹回りがシュっとして、前後ともすっきり見せますし、踏込に軽やかさすら感じます。

繋ぎが長めでちょっと緩いところはあるものの、芝馬と考えれば悪くないでしょう。

400kgを切る馬体で募集がかかること自体この牝系では珍しいことなので、

それをプラスと捉えるか判断が分かれるところだと思います。

 

 

128.デアレガーロの22(レイデオロ)★★

 

昨年の募集No.101を飾ったレガーロデルシエロの妹。

順調な仕上がりで6/18の新馬にルメール騎手で出走し3着でしたが、内容は良かったですね。

父は同じキンカメ系でもレイデオロに替わり、正直馬体の成長はスローに感じます。

馬体は背中が短めでコンパクトな造り。トモの容積は良いものの、全体的な筋肉量が乏しくかなり脚が細いところも目立ちます。両前がかなり外に開き、薄っぺらいのでこれから成長してくると変わってくるとは思いますが、

兄のように至極順調にレールにのって、早いうちから活躍というタイプには見えません。

 

 

129.リナーテの22(レイデオロ)★★★

 

こちらも母父ステイゴールド。名門マルペンサの牝系で自身も活躍馬。

フォルラニーニの評判も良く、母父ステイゴールドで良いのが出るとしたら、まずはここでしょうと考える方が多いと思います。これだけ主流血統を集めて四代クロスが一つもないのも珍しいですね。

馬体は比較的小柄な馬が多いレイデオロ産駒だけに、

ステイゴールド肌ではこうなりますよねという尺の足りなさは感じますが、逆に気になるのはそれぐらいで、

前後のバランスが取れて、背中が長めの中距離体型としてはまずまずいい馬だと思います。

捌きも軽くて、スムーズに歩くことができています。

キ甲の感じからは成長余地も残していそうですから、そこに期待するならありではないでしょうか。

 

 

130.チェッキーノの22(ブリックスアンドモルタル)★★★★★

 

ブリックスやチェッキーノ。

今年のPOGや6月の新馬戦まわりでよく聞いたコメントで、トレンドに敏感な会員の多くがまず目が行く馬ではないでしょうか。社台ファームのほうでは価格のインフレが激しかったことを考えるとかなりお得に見えます。

牧場側の種牡馬への期待値の違いが価格に跳ね返っているものだと理解できますので、これは間違いなく人気するでしょう。

今年もやはりやや早めの生まれということもあって、馬体の完成度は抜群です。

前肢は良く伸びますし、かなり大きく使って歩くことができています。

首の使い方も良く強い前進気勢も感じます。

返しが若干弱かったり、前肢の繋ぎに若干左右差があるものの相対的に見てかなり高い位置にいる馬だと思います。