社台サラブレッドクラブ全頭斬り2023 1-10
1.デアリングエッジの22(エピファネイア)★★★
母系は昔から当クラブで何度も募集されてきたデアリングダンジグの血統。
ファミリーからはやはりデアリングタクトのイメージが強く、本馬は言うまでもなくその血統を完璧にトレースしています。
通称エピカメと言われニックス扱いされてきましたが、
今ではサンプル数が多すぎて本当にニックスなのかは判断がつきづらくなっていますね。
馬体はバランスが良くコンパクトにまとまった造り。尺からは悪いところはないように思えます。
ただし、曲飛気味が影響してか歩きは少しパワーを感じずフラフラしているように見え、
前肢ももうちょっと出るといいかなと感じます。
2.アブソリュートレディの22(エピファネイア)★★★★
ラクレソニエールとともに社台ファームで募集馬を毎年のように送り出していますが、
クラブ馬ではなかなか結果を出せていません。
それもあって超高額から少しずつお値段は下がってきたので狙いやすくはなったかと感じます。
牝馬にしては大柄の馬体は、単に筋肉量が豊富という感じではなく、背中に伸びがあって、
ゆとりのある造りに対して丁度良い筋肉という感じなので、上品さも兼ね備えています。
やや長めの距離に適性がありそうな印象ですね。
一方、前から見ると左前脚だけ外向していたり、肩の動きに比較して膝が若干硬い感じがあるなど、
細かい弱点はあるかなとは思います。
3.プロヴィナージュの22(エピファネイア)★★★★
母はポルトフィーノ秋華賞除外事件でヒールになりながら3着に入るなど、芝ダート兼用のタイプで長く活躍しました。
初仔から5頭連続セール取引で、クラブに来たのはこの馬が2頭目にあたりますので、やや比較は難しいかなと感じています。
同配合のサンライズジークが3歳の2月で2勝目を挙げたのは安心できる材料ですね。
馬体は5月中旬の生まれを考慮するとかなりしっかりしています。
背中はコンパクトですが、キ甲が抜けておらず伸びしろも残していますね。
歩様について可動域は十分あるものの、繋ぎの柔軟性がちょっと足りないので、ややリスクが高いかもしれません。
4.マスクオフの22(ドゥラメンテ)★★★
祖母のビハインドザマスクから非常に活力のある血統で、
兄のトゥーフェイスも長距離路線で花開きOP入りするなど今期募集のドゥラメンテ産駒の中では非常に楽しみな血統。
社台サンデー含めて最高値タイですね。
ただし、血統の相性からするとドゥラメンテ×ディープインパクトは2勝馬が一頭だけで未勝利を頻発する狙いづらい配合です。
馬体は若干毛ヅヤの悪さが気になるものの、馬体の造りは無理がなく良い意味で軽さを感じます。歩様も軽快ですね。
母も早期引退ですし、姉にも1戦で引退した馬もいるように、
血統的にもあまり重くならないほうが安心できそうでもありますね。
5.ラフォルスの22(ドゥラメンテ)★★★
堀厩舎のドゥラメンテ産駒ということで人気を集めそうな一頭。
ドゥラメンテ×ノーザンダンサー系は頭数も多いですが、
3歳世代からもシャンパンカラーが出るなど、相変わらず安定感がありますね。
馬体は胸が深く、背中が短めでパワー系マイラー牝馬らしい造り。
背中がちょっと甘めではあるものの、力強い脚捌きが目につきます。
完成度が高いのは生まれからも想像がつくところでそこまで高く評価できないのと、
若干前肢を置く位置が安定しないのは気になります。
6.ジョイニキータの22(ロードカナロア)★★★
輸入して現3歳世代が初仔で一年開けての2番仔なので、ちょうど脂ののって狙いたくなるころでしょうか。
しかし、母父ミスプロ系のカナロア産駒は相変わらず成績がふるわず、今年の3歳世代も2勝馬を一頭も出せていません。
馬体は5月生まれの牝馬とは思えぬトモの容積と筋肉量で、小ささを感じさせないものがあります。
やや背中の短いタイプでありながら、まだキ甲にも抜ける余地が残されていそうですので、成長力にも期待できそうですね。
心配は上体が軽いにもかかわらず、繋ぎが緩いところ。重くなると沈みすぎるかもしれないなとは思います。
7.ラブリーベルナデットの22(キズナ)★★★★★
今年の3歳世代で忘れな草賞をしっかり勝ち切ったグランベルナデットの全弟。
母は北米の芝重賞を勝っていますので、中距離タイプでありながら、スピードとパワーは十分に感じさせるものがあります。
脚が太目で四肢がしっかりした造り。筋肉量が豊富でパワフル。
目つきも聡明な感じがして、メンタルコントロールもよさそうです。
毛ヅヤが悪いところだけがちょっと気がかりではありますが、高いアベレージは期待できそうです。
8.プレイプリティーの22(キズナ)★★
母のプレイプリティーは日本ではまだ結果は出せていないものの、
Unbridledを持ち、ディープ系種牡馬への適性も感じさせます。
母父Indian Charlieは活躍馬こそシヴァージしか出ていませんが、勝ち上がり率は悪くありません。
サンデー系との相性もまずまず。
馬体はいかにも5月生まれという感じの幼さでこれから成長する余地は残しているように思えます。
ただし、トモの容積がかなり薄めだったり、右前が内向気味だったり、
成長以前にどうかなと思える部分も残しているので、ちょっと高い評価は難しいかなという印象です。
9.ダンスロマネスクの22(キタサンブラック)★★★★
飛ぶ鳥を落とす勢いのキタサンブラック産駒ですが、
世代的に今年の募集馬は底という感じでそれほど良い配合の馬がついていない印象です。
それでも、キタサンブラックで結果を出し、同じファミリーのキタサンブラック産駒でも
クラシックに駒を進めた厩舎に入るということで、母系の評価以上のものが引き出されることに期待したいですね。
馬体は4月下旬の生まれということもあって、まだ頼りない面は残ります。
特に父産駒では高いことの多い体高が足りていないですね。
それでもトモの容積はありますし、胸の深さからエンジンもよさそう。
シンボリクリスエス肌の悪いところが出ていないようですから、
しっかりと成長が追い付けば一気に面白い馬になっていくかもしれません。
10.チャリティーラインの22(ブリックスアンドモルタル)★★★
新種牡馬として2歳戦で結果を出しているブリックスアンドモルタル。
この世代は社台ファームで一気に募集価格が上がっているため、なかなか手の届く馬は少ない印象です。
そんな中でもこの馬は比較的狙いやすく、母の産駒からは結果は出ていないものの、
牝系からは日本競馬への適性を見せる馬も多くいますね。
馬体は生まれの分、小ささは否めませんが、トモの容積などは及第点の出来にあるように見えます。
全体的なバランスも悪くないし、気性的にも強いところがあるようなので、あとはどこまで成長できるかでしょうか。