今日は野球の話とは全く違う話を書きます。
朝から重い話題ですが、興味のある方は一読頂ければ幸いです。




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近々、東京で上映予定の「月光」。
身近な人間からの強姦に苦しむ主人公カオリの苦悩を
描いた衝撃作が話題を呼んでいる。

日本国内で1日平均3件発生しているというレイプ、
実際の数字はそんなモンじゃない。

声にならない叫びの数をかき集めればきっとそんな数は
実数とはかけ離れたものに違いない。

ワシも含めて、ワシの周囲の大事な友人たちは未遂も含めて
その被害の大小は関係なく心に、魂に大きな傷を負い、未だ
その後遺症を抱えながら生きている。

だからこの映画で被害を負ったカオリが通ったパニック障害
などの恐怖との戦い、二次被害による苦悩の道は容易に理解
できる。

その命を奪われたものも居る、だけど当時相手が未成年で
財力と権力のあるバカな親がてめぇ達の名誉と世間体を守る
ために弱き被害者に圧力を掛け、もみ消した。

自ら命を絶ったものも居る。

死に切れずに自殺未遂による後遺症で身体障がい、精神障害
を背負いながら、その後、加害者を訴えるべく訴訟を起こし、
それまでには前例のなかった強姦罪での勝訴を勝ち取った、
凛ちゃんのような友人も居る。

それでも一時期は仕事も家族もお金も何もかも失い、心身の
後遺症で介護が必要、働くこともできず、ホームレスに追い
込まれ、裁判に勝ったからと言っても彼女の生活が保証され、
安泰した訳でもなく、むしろ地獄で、目と鼻の先には加害者の
自宅がある環境に苦しめられながら身も心も凍え切っていた。

裁判に勝っても、レイプ被害の生々しい行為の一部始終を
その苦しい記憶を公の場で告白しなければならない、
恥ずかしさ、苦しさ、絶望感、好奇の目で見られる二次被害に
消耗しきってしまった心…。
裁判に勝っても彼女の負った傷は癒えることはない。

なぜ抵抗しなかったのか、声を上げて助けを求めなかったのか、
簡単に言うけど、自分がその立場になれば同じことが言えるの
か?
ワシだって相手を思い切り引っかいて蹴り飛ばそうとした。
だけど実際にそれをしていたら、
「八つ裂きにして殺していた」と相手は悪びれることもなく
言い放った。
幸いワシの場合は運よく未遂に終わっているが、相手が外国人
だったこともあり、日本では裁かれず、また日本の刑法177
条のの愚かさに翻弄され、泣き寝入りとなった。

1日1本のバナナを食べて生きていた彼女が当時、故筑紫哲也
氏がメインキャスターを務めるNEWS23で取り上げられ、
涙が止まらなかったことを今も鮮明に思い出す。

一切の身体障害認定、生活保護を認めなかった市にワシが
そんなんおかしいやろと訴えて、更に理解のある旦那様が
彼女を救済、保護した。
今、凛ちゃんはアルバイトだけれど仕事もして、心身の病を
抱えながらも戦い続けている。

当時は25種類ほどの処方薬を飲んでいたがだんだんと
少なくなっては来ていると言う。

自殺未遂をして、生きる気力を失い、人間不信に陥っていた
彼女に、それでも生きて欲しいと残酷にも言ったワシ。
生きる希望などなくても、その傷は一生魂に刻まれることに
なっても、それでもいつかもう一度笑える日が来ることを
信じたかった。

裁判で戦って、それで死んでしまったら、彼女が砕かれた心
を奮い立たせて戦ってきたことさえ無意味になってしまう気
がした。
彼女が立ち上がったことで多くの被害者が勇気と希望を与え
られ少なからず救われた。
レイプ=泣き寝入りを崩すきっかけを築いたのは凛ちゃんだ。

ワシの自分勝手で生きて欲しいと言ったことを今も残酷だと
も思う。
だけど人はいつか死ぬから、それまで生かされるのは
意味のあることかと言われたら正直言葉に詰まるけど、
あの日、貴女が心に響いたというワシの書いた詩のコトバを
何度でも言う。

「止まない雨はない」
いつか虹が出て晴れた青空が広がる日が来る。
いつまでも雨が降り続くわけじゃない。
だから一緒に戦おう。

今は生きる意味がなくても、命があれば人生のやり直しは
できる。
死ぬこと以外はかすり傷って誰かが言ってた。
貴女の傷を、レイプをかすり傷とは到底思わないし思えない。
それでも死んでしまったら終わり、やり直すことも出来ない
から。

だから一緒に生きよう。。。

今朝のニュースで強姦罪に関する刑法の改正、見直しが
100年ぶりに行われるとの報道があった。
刑法39条(心神喪失者による犯罪)、
41条(未成年犯罪)もそうだけど、
こんな法律間違ってる、おかしい!

国は、国を背負って立つ、国民の代表たるものは
強姦した人間の性器を使い物にならんようにちょん切るか
叩き潰す位の重罪なんだってコトを理解してもらいたい。
それは女性だけではなく、現刑法で強姦罪の対象として法的に
認められていない男性被害者についても同様。


「魂の殺人」
今は自分には関係がないと思っていることでも、自分自身や
大切な人に降りかかった時に他人事で済ませられますか。
「誘惑されるような格好だったんだろ?」
「合意だったんだろ?」
「隙があったんだろ?」
「そんな時間に一人で歩いているからだろ?」
そうやって責めるのも二次被害で相手を追い詰める。

レイプは見ず知らずの異性からの被害ではなく、顔見知り
による犯罪が最も多い。
だからこそ告発できない苦しみが伴い、泣き寝入りするケース
が多い。

見えている数字は真の数字じゃない、
見えていない数字は未知数だ。

幼い子供から老人まで、対象は誰にでも当てはまる。
どうか人事ではないという認識を持って考えて頂きたい。

東京の方はこの「月光」という映画、劇場に足を運んで
是非御覧になってください。

Excentric*Kanon