り,後藤 由紀子,今井 真実,按田 優子
板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh感想
棟方志功の半生を妻・チヤの視点から描いた作品。棟方がゴッホのような絵描きになりたいと、ひたすら絵に打ち込む姿はまさに芸術家だなと思う一方、妻や子の生活が犠牲になっているところはやはり気持ちの良いものではない。結果的に版画が評価され、名が売れたから良いものの。評価されたのは、いろいろな偶然が重なって柳宗悦に出会えたことも大きい。努力だけではなく、環境や運も左右するなと感じた。
読了日:05月11日 著者:原田 マハ

アンソロジー 舞台! (創元文芸文庫)アンソロジー 舞台! (創元文芸文庫)感想
舞台をテーマにしたアンソロジー。5編収録。近藤史恵「ここにいるぼくら」、乾ルカ「モコさんというひと」、雛倉さりえ「ダンス・レッスン」が好み。雛倉さんは初めて読んだけど、他の作品も読んでみたい。
読了日:05月12日 著者:近藤 史恵,笹原 千波,白尾 悠,雛倉 さりえ,乾 ルカ

しんがりで寝ていますしんがりで寝ています感想
雑誌の連載他収録。時期的にはほぼコロナ禍真っ最中のものなので、テーマは普段の生活で起こった出来事が中心。等身大ピカチュウを購入して日々話しかけているというエピソードと、EXILE一族(※EXILEが好きな友人たち)が集まって、EXILEの映像を流し布教するというエピソードが好き。EXILE一族の解説を聞いたら、私もEXILEに興味をもてるかな…。本気で笑ったのは、EXILE一族の「エモ!」発言を聞いて著者が「エモやん」と聞き間違えたというもの。
読了日:05月13日 著者:三浦 しをん

茶柱の立つところ茶柱の立つところ感想
コロナ禍に書かれたエッセイ。普段の生活のことが中心だが、年齢を重ねて感じられる身体の変化、写真の写りの変化、所有物の管理等についての文章に、私もこの先こういう風に感じることが出てくるのだろうと思いながら読んだ。病気をしたときに、ひとりで死んでいくんだなと、ある種の覚悟をされるところが切なくもあった。
読了日:05月14日 著者:小林 聡美

ゆれるマナー (単行本)ゆれるマナー (単行本)感想
マナーをテーマにしたエッセイ集。小川糸氏、戌井昭人氏の文章が元々好きなので、こちらのエッセイのなかでも特に楽しく読んだ。
読了日:05月16日 著者:青山 七恵,戌井 昭人,小川 糸,温又柔,恩田 侑布子

彼女がそれも愛と呼ぶなら彼女がそれも愛と呼ぶなら感想
日本人の母とモロッコ人の父との間に生まれた高校生の千夏。母と母の3人の恋人と暮らしている。さらに母の友人・絹香は夫が不倫していて、倦んだ生活のなかで魅力的な男性と出会う。いろいろな愛、恋愛、結婚の形があり、どれが正しいともいえないが、DVは絶対ダメ。
読了日:05月18日 著者:一木 けい

味見したい本 (ちくま文庫)味見したい本 (ちくま文庫)感想
食に関するエッセイ等38冊の紹介と解説。著者の文章自体も、食べ物エッセイもどちらも好きなので楽しく読んだ。
読了日:05月18日 著者:木村 衣有子

殺める女神の島殺める女神の島感想
リゾートアイランド(という孤島)に集められた美のコンテストのファイナリスト7人。そのファイナリスト等が順に殺されていくというミステリー。最後が尻すぼみ感あって物足りない印象。
読了日:05月19日 著者:秋吉 理香子

キャラメル工場から ――佐多稲子傑作短篇集 (ちくま文庫 さ-55-1)キャラメル工場から ――佐多稲子傑作短篇集 (ちくま文庫 さ-55-1)感想
1904年長崎に生まれた著者の短編集。「虚偽」、「みず」、「時に佇つ その五」が好みの作品。
読了日:05月20日 著者:佐多 稲子

口の立つやつが勝つってことでいいのか口の立つやつが勝つってことでいいのか感想
文学紹介者によるエッセイ。20歳で難病指定(潰瘍性大腸炎)を受け、現在は宮古島で暮らすという著者の作品を読むのは初めて。タイトルに関連してのエッセイには同意。口がうまい人の胡散臭さは感じるところ。その他の部分では、わかるなあと思う部分もあれば、そうでないところも。さらりと読了。
読了日:05月22日 著者:頭木弘樹

なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)感想
タイトルをみて、仕事に疲れて本が読めない人の読書術ではと期待して読むと違う内容だと感じると思う。読書に限らず、その他の趣味や活動するだけのエネルギーが残せる程度の働き方ができる社会であるべきでは、という提言。概ね同意。
読了日:05月24日 著者:三宅 香帆