3月の読書メーター
読んだ本の数:38
読んだページ数:9058
ナイス数:890

め生えるめ生える感想
ハゲをテーマにした作品。ハゲる人が多い社会で、頭髪が生え始めると地毛であることを気づかれないように隠すというのが面白い。マイノリティはマジョリティ側に擬態して生きていくというのをシュールに描いている。
読了日:03月31日 著者:高瀬 隼子

BlueBlue感想
第170回芥川賞候補作。テーマはトランスジェンダー、貧困、性差別。生物学的には男性の真砂。自身の性別に違和感をもち、高校では通称名を使い、演劇部では人魚を演じる。女性になることを目指しつつも、数年後には現実の壁(適合手術やホルモン療法にお金がかかる、就労を考えると男性の方が収入面でメリットが大きい等)から女性になることを諦めるというもの。葉月が彼氏に振り回されているのを心配する真砂が、葉月から余計なお世話と思われるのも、性自認と戸籍状の性別、友情と恋愛のラインがぐらぐら揺れる感じがした。
読了日:03月31日 著者:川野 芽生

二人キリ二人キリ感想
阿部定事件をテーマにした作品。リズムに乗るまでがあんまりページが進まなかったけれど、後半になって面白くなってきた。熱量がすごい。事件関係者の証言からその事件の真相を探ってゆくストーリー。
読了日:03月30日 著者:村山 由佳

夜明けの花園夜明けの花園感想
ゴシックファンタジーといって良いのか?シリーズもの(理瀬シリーズ)のスピンオフ短編集とは知らずに読んだ。これは元々の作品を読んでいる方が楽しめそうな作品かと思った。
読了日:03月30日 著者:恩田 陸

君を守ろうとする猫の話君を守ろうとする猫の話感想
『本を守ろうとする猫の話』続編。中学2年生のナナミが図書館で不思議な猫に出会うというファンタジー。私は著者の医療をテーマにした作品が好きなので、少し物足りなさがあった。ラストに、最後まで諦めないこと、希望を失わないことの大切さについて描かれていた。若い人の方がいろいろと感じるところがありそう。
読了日:03月29日 著者:夏川 草介

黄金比の縁黄金比の縁感想
会社で望まない人事異動により人事部に在籍する小野が、新規採用で会社の不利益になる人間を採ることで会社に復讐を図るという物語。その選考基準は「顔の黄金比」のみ。この設定だけでも面白いが、中身も十分に面白い。「とっとと辞める秀才と、ずるずる勤務年数を重ねる凡人と、一体どちらを選ぶのが、会社にとり"いい"採用担当なのか」、「採用担当は数多の評価軸を打ち立て"総合的に"とか"多角的に"と謳う。しかし実際は曖昧な評価軸が増えるほど"公正かつ客観的"からは遠ざかるのがオチだ」、→
読了日:03月28日 著者:石田 夏穂

熊本かわりばんこ熊本かわりばんこ感想
熊本で暮らす吉本さん、田尻さんが交互に書き綴ったエッセイ。おふたりの日々の暮らしや熊本の植物や生物について書かれている。おふたりがそれぞれ書かれていた立田山でのお花見、吉本さんがかつてご両親と阿蘇へ行かれたドライブの話が印象的。文章は全体的に田尻さんの方が好み。吉本さんはスワローズファンというのが嬉しい。
読了日:03月27日 著者:吉本 由美,田尻 久子

インド超特急!カオス行き (わたしの旅ブックス)インド超特急!カオス行き (わたしの旅ブックス)感想
ひと月を超える、列車でのインド一周旅レポ。現地の空気感が伝わってくる。が、かなり体力に自信があって、どんなトラブルも楽しめるくらいでないとインド列車の旅は難しそう。
読了日:03月26日 著者:嵐 よういち

禁断の罠 (文春文庫 よ 29-50)禁断の罠 (文春文庫 よ 29-50)感想
6編収録のアンソロジー。面白かったのは新川帆立「ヤツデの一家」、結城真一郎「大代行時代」。
読了日:03月24日 著者:米澤 穂信,新川 帆立,結城 真一郎,斜線堂 有紀,中山 七里,有栖川 有栖

置かれた場所であばれたい置かれた場所であばれたい感想
タイトルに惹かれて読んでみた。内容は世間に逆らった行動や社会に意見をするといったようなものかと思いきや、著者の日常生活や小さい頃の思い出、幼稚園教諭・保育士として勤務していたときのこと等のエッセイで、タイトルからイメージした内容とはちょっと違った。
読了日:03月23日 著者:潮井 エムコ

風に立つ (単行本)風に立つ (単行本)感想
父・孝雄が補導委託で、春斗を迎え入れると決めたことに納得いかない気持ちであった悟。春斗を迎え入れて共に暮らすことで、悟はあまり知らなかった孝雄の一面をみたり、春斗を応援する気持ちが湧いてきた。うまくいっているようにみえた補導委託を突如中止するように春斗の母がやってきて…。孝雄と悟、春斗と両親の2つの親子関係がこの物語では出てくるが、最後のパートで特に親子関係のあり方について考えさせられた。親が良かれと思って導く方向が必ずしも正しいとは限らない。
読了日:03月23日 著者:柚月 裕子

夫婦・パートナー関係も それでいい。夫婦・パートナー関係も それでいい。感想
パートナーというと、夫婦、恋人をイメージすることが多いが、もっと幅広く捉えてもいいんだと感じられる。ひとりでいてもいいし、その時々で違うパートナー(趣味の友達など)と一緒にいることも良いんだと、パートナーの捉え方を良い意味で考え直せる一冊。
読了日:03月23日 著者:細川 貂々,水島 広子

YUKARIYUKARI感想
源氏物語を題材とした物語。水商売をしていた紫がこれまでに思いを寄せた相手に手紙を綴る形で物語が進む。前作の『トラディション』があんまり面白く感じられなかったけれど、今作の方が好みだった。個人的に帯の三浦瑠麗コメントは気に入らない(使ってほしくない)。
読了日:03月20日 著者:鈴木涼美