ユノの白い手を天からのギフトのようなその指をとって訴える。
あなたが遠くにいってしまうような、姿が見えなくなるような焦りをわかってください。
僕のものになって欲しいとか多分そういうのじゃない、僕の兄だけでいてください、誰のものにもならないでください。
何回も何回も頭のなかで繰り返したはずなのに、衆目のなかでは気の効いた表現が出てこない。僕たちが何年かぶりにゲスト出演した、20周年で互いへの気持ちを話すという絶好の企画なのに。
どう言えばいい?
僕は正直にユノが歩いていき距離が離れていくことがツラい!とさらけ出すことができずに負担だ、裏切らないで、等、どうとでも取れるような表現をし続けるしかできなかった。感情のぶつけかたが僕には分からなかった。
ユノは変わらず熱心で、泥臭く努力して、世の中はそういう人を改めて見直す流れになっていく。
僕はますます焦る・・・ような。
「チャンミナー、これどう?」
ユノが差し出したスマートフォンに画面には白いかぶりものをしたユノの写真。マリアベールみたいだ。
「フード?にひっかかってる十字架モチーフいいですね。綺麗な感じで」
ありがと、と素直に言ったあとえーでもそうかな、と照れている。ふふ、と思わず笑ってしまう。ユノはなんというか、毒気を抜く。
「チャンミン。あと少しでコンサートだな」
「はい」
「すごい鍛えたもんな、お前。がんばろうな」
ユノといる。それは東方神起としているということで、毎日が色をましていく。
時にしんどく時に天にもあがるような、こんな本音。毎日が面白い。