MMT・現代貨幣理論の混乱に呆れる | ヤモリのつぶやき

ヤモリのつぶやき

日々のニュース解説等をつぶやきます......

 特亜関係のネタが錯綜している間にMMTの話が謎の紛糾をしている。
 何度か触れたこの話は、現代社会が抱える経済的な壁を打破する可能性がある。
 そもそも世界経済が停滞する問題は、従来の仕組みが飽和状態にあるからだ。
 何かのルールが現実に則さなくなれば改定するのは当然のことで、ルール墨守で問題が拡大していくのは愚の骨頂と言える。
 日本経済に目を落とせば、デフレは解決まで道半ばで、貧富の格差が拡大していて消費が先細り、少子化が加速しているのに問題解決は見ない。

 屁理屈をこねてる暇があったら問題を解決するべきだと思うし、理論的正当性を求めて批判を繰り返し、現に起きている問題を一切解決できないのは愚かとしか言いようがない。
 卑近な例を出せば、火事の際、火が燃え盛っているのに、正しい消火の仕方や消防署への連絡ルートを議論していたり、放水したら財産が無くなって困ると騒ぐのは馬鹿者のすることだ、ということだ。
 やるべきことは、速やかに避難誘導をしつつ消防署へ連絡をし、初期消火をし退避できる財産は移動させるなどの措置だろう。
 この手際が非常識なほど悪くて被害を拡大させれば、あちこちの責任問題になるはずだ。
 リアルで起きる問題については、問題処理の不手際が取り沙汰されて批判を浴びるのに、こと経済に関しては、こういったバカげたことを繰り返して誰も責任を取らない。
 
 それにしても、リフレとMMTの混同もしばしば見られるし、リフレ派もMMTにはかなり厳しいコメントが並ぶ。
 まぁリフレ派が文句をいうのも当然で、既存の枠組の中でも解釈が可能だから新理論と言うほどのものでもないのだ。
 以前、リフレ派があれほどインフレ率やGDP成長率をきちんと管理せよと言っていた際、反対派はハイパーインフレになっちゃうぅとか喚いて大反対だったのに、アベノミクスで物価上昇率2%を目指しますと言ったら、何故かそのまま通った。
 インフレ率と物価上昇率が同じことなのに解ってなかったのか?という疑惑が湧くほどだった。

 思うに、既存の枠組みで対応可能な上に用語でちょろまかし可能なら、学問的に厳密なこだわりを見せるよりも、とにかく形にして押し切る方が先決なんじゃなかろうか。
 どのみち、リフレとMMTの差も解ってなければ、数値で管理することもよく解ってない人間が、なにか邪な理由を持って反対しているのに過ぎないのだ。
 筆者は学問的な正当性より実利を大事にするタチなので、尚更そう思う。

 まず、MMTとはこれだ。
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現代貨幣理論
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E7%90%86%E8%AB%96

 次に反対派の論から。
 日経にかなり集中している。
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MMTと財政改革(十字路)  2019/5/17
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44759740U9A510C1ENI000/?n_cid=SPTMG002
最近、MMT(Modern Monetary Theory、現代貨幣理論)という考え方を耳にすることが増えた。その趣旨は、自国通貨の発行権限を持つ政府は債務不履行に陥るリスクがないため、財政健全化が不要ということだ。

総需要が不足し失業率が高い時に、公債を発行して財政出動をするという短期の経済政策はこれまでもある考え方だ。それとは違い、長期の完全雇用の下でもマクロの貯蓄が投資を上回っているなら、財政赤字を続ける必要すらあるというのがMMTだ。

MMTも財政赤字が広がりインフレが進む可能性を否定しないが、通貨発行と課税によって秩序ある財政赤字を続けられるという。通貨の量で物価が決まるとするマネタリストやリフレ論者の見方ともMMTは根本的に異なる。

現在の日本や米国では、失業率が下がっても問題のあるインフレが生じていない。財政赤字を気にせず低所得者支援や環境対策のための政府支出を増やすべきだという文脈で、MMTは左派からの人気があるようだ。

途上国を含めて通貨発行権を持つ国は気前のよい財政運営が許される、という理屈は本当に成立するのか。仮に政府が破滅的なインフレを回避する力を持っていたとしても、それを起こさない保証もない。大規模課税にしろ、ハイパーインフレにしろ、行き着く先で最も困ることになるのは経済的弱者ではないのか。

インフレをしっかりコントロールすることや、いざという時の課税は容易でないという教訓を忘れてはならない。政府債務が大きく膨らんでも金利が低いまま投資が低迷しているならば、財政運営への信認が不十分で、それと一体の政策である成長戦略が信頼されていないと疑うべきだ。MMTを、財政改革を怠る口実にしてはならないだろう。
(大和総研 政策調査部長 鈴木準)

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日銀総裁、現代貨幣理論は「必ず高インフレに」  2019/5/17
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44946010X10C19A5EA4000/?n_cid=SPTMG002
日銀の黒田東彦総裁は17日、都内で講演し、財政赤字の拡大を容認する「現代貨幣理論(MMT)」について、「正しい理論とは思わないし、日本はやっていない」と述べた。その上で、「MMTの解釈次第だが、無制限に(財政赤字のツケを中央銀行にまわす)財政ファイナンスをしてよいというのは必ず高インフレをもたらす」と否定的な見解を示した。
MMTでは、自国通貨の発行権限を持つ政府は債務不履行に陥るリスクがないとされる。黒田氏はMMTに伴う財政ファイナンスがインフレにつながる懸念を表明したうえで、「その収束のために経済に大きなダメージを与えるというのが歴史の教訓だ」と語った。

講演で黒田氏は国内景気についても言及した。3月の景気動向指数の基調判断が2013年1月以来の「悪化」となったことについて「減少したとはいえ、輸出や生産の水準はなお高い」と指摘した。着地点の見えない米中貿易摩擦は不透明感があるとしたが、海外経済は今年後半にかけて回復するとの従来の見通しを繰り返した。

経営環境が厳しさを増す地域金融機関については「低金利や人口・企業数の減少などの構造的要因が下押し圧力をかけ続ける」とした。経営効率の抜本的な向上にむけて「統合や他業種との提携なども有効な選択肢になり得る」と述べた。

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日銀・原田審議委員 MMTは「インフレ制御できず」  2019/5/22
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45118610S9A520C1000000/?n_cid=SPTMG002
日銀の原田泰審議委員は22日、長崎市内で記者会見し、財政赤字の拡大を容認する「現代貨幣理論(MMT)」に否定的な考えを示した。「必ずインフレが起きる。(提唱者は)インフレになれば増税や政府支出を減らしてコントロールできると言っているが、現実問題としてできるかというと非常に怪しい」との認識を示した。

MMTでは自国通貨の発行権限を持つ政府は債務不履行に陥るリスクがないとされ、米国の提唱者は「日本政府と日銀はMMTを長年実証してきた」と主張する。

原田氏は物価安定目標を掲げる日銀の政策とMMTとの違いを問われ「(インフレ対応を)財政でやるといっても増税は難しく、急に支出を止めると言っても簡単にできない。金融政策は少しずつ金利を上げていくことができる。全然違うのではないか」と強調した。

内閣府が20日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は実質の年率換算で前期比2.1%増だったことについて「この数字をもって(景気が)回復しているとは言えない。難しい状況にあるのは事実だ」と指摘した。10月に予定する消費税率10%への引き上げに関しては「景気が微妙な時に増税をすることで景気後退になるリスクは当然ある」と語った。

原田氏は会見に先立つ講演で「景気が悪化し、2%の物価目標の長期的達成も困難になれば、ちゅうちょなく金融緩和を強めることが必要だ」と訴えた。その後の会見で追加緩和の具体策として「金利、量、質の3つだ。さらに政策金利の先行き指針(フォワードガイダンス)を長くすることも考えられる」と述べた。

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現代貨幣理論MMTを問う(上) 目新しい主張、軒並み不正確
ウィレム・ブイター シティグループ特別経済顧問/キャサリン・マン シティグループチーフエコノミスト 経済教室 コラム(経済・政治) 2019/5/31付日本経済新聞 朝刊

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO45465750Q9A530C1KE8000/
ポイント
○現代の国際経済下では成り立たぬ主張も
○ハイパーインフレ誘発なら多大なコスト
○日本も流動性のわな脱せばインフレ懸念

現代貨幣理論(MMT)はマクロ経済理論の一つで、歴史的にはジョン・メイナード・ケインズ、アバ・ラーナー、ハイマン・ミンスキーといった経済学者にルーツを持つ。最近再び脚光を浴びるようになったのは、通貨の増発による財政出動に理論的根拠を与えるとして注目されたからだ。

MMTの基本的な前提は独自の不換通貨を持ち、公的債務(国債)の大半が自国通貨建てで、かつ為替が変動相場制をとる主権国家は決して破綻しないというものだ。そうした国は公的部門のすべての赤字を通貨増発で手当て(財政ファイナンス)できるため、公的債務がどんなに膨張しても心配には及ばないという。

MMTによれば、財政支出を停止しなければならないのはインフレが行き過ぎた場合だけで、現時点で低インフレのほとんどの先進国は財政支出を控える必要はない。日本はまさにこの理論が当てはまるという。

日本が流動性のわなに陥り、金融政策が効かなくなっていることは明白だ(図参照)。現在のインフレ率も近い将来高インフレになる危険性も、財政支出や財政ファイナンスを打ち止めにすべき水準には程遠い。

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だがMMTには、金融化(金融の相対的重要性の拡大)が著しい現代のグローバル経済下では成り立たない主張が含まれている。

MMTは、主権国家の債務総額や金融政策の選択肢を考える際に、政府と中央銀行の勘定を「国家」として一体とみなすべきだとする。これは正しい。また国家はベースマネー(現金と準備預金)を発行する独占権を持ち、これを行使した際に生じる通貨発行益により国家の予算制約は緩和されるとする。これも正しい。

この分析から導かれる重要なポイントは、公的債務の持続可能性の評価に当たり指標として使うべきなのは、政府部門の総債務残高でも純債務残高でもなく、政府部門の純債務からベースマネーを差し引いた値ということだ。日本では2017年末時点で国内総生産(GDP)比67.4%となる。

国家の貨幣性債務は名目上の債務にすぎない。兌換(だかん)不能なので、銀行券の保有者は発行者(中央銀行)に金などとの交換を要求できないからだ。ここで注意したいのは、国家が発行したベースマネーはこの意味で国家の債務ではないが、後述するように通貨発行には通貨発行益などの経済的意義があることだ。

MMTの目新しい主張と言えるものは3つある。

第1に政府財政では、論理的に赤字が必ず黒字に先行するというものだ。納税者は税金納付時に政府の発行した通貨で払うからだという。だがこの理屈は、国家は民間部門に貸す(民間部門から証券を購入する)だけで、赤字にならずに経済に通貨を供給できるという事実を無視している。

第2に公的債務は将来世代の負担にはならないという主張だ。これは、財政赤字を手当てする目的で発行された公債が触媒の役割を十全に果たし、民間部門の需要を刺激し、金利を含む償還に必要な税収を生み出すことが前提になる。公的債務でファイナンスされた財政赤字が、民間債務でファイナンスされた投資と等しく生産的だという前提は相当強引だし、財政、金融、個人の選択に左右される。

第3に政府は1品目の名目価格を設定するだけで、あとは市場が相対価格を決めるに任せ、裁量的に通貨を増発してよいというものだ。この主張は貨幣的均衡と矛盾を来す。ここでは金本位制の前例が参考になろう。金本位制を採用した瞬間から、もはや中央銀行は自国の不換通貨を裁量的に発行できなくなる。

国家はいつでも通貨を増発して債務返済に充当できるから、自国通貨建ての国債のデフォルト(返済不履行)はあり得ないという主張は、財政ファイナンスがハイパーインフレを誘発すれば、デフォルト以上に多大なコストが生じかねないことを無視している。

ドルは基軸通貨だから米国は世界のどこからでも自国通貨で借りられる「超越的な特権」を持つという主張は、その特権が永遠には続かない事実を見落としている。過去にも1956年のスエズ動乱で、英国がこの特権を失った例がある。
MMTは、名目金利が実効下限制約(ELB)、すなわち事実上の下限に達している状況では、通貨増発による赤字補填は必ず流動性のわなによる均衡を導くと主張する。だが財政支出の結果として生じた赤字をファイナンスした場合には、不可避的に流動性のわなを招くとは言えない。

実体経済における投資と消費の反応によっては、クラウディングアウト(政府の支出増による民間投資の抑制)を引き起こしたり、供給サイドを刺激したりすることがあり得るからだ。

MMTは、財政ファイナンスがインフレまたは経済成長を促す過程で、金融仲介機能、投資の金融化、資産価格インフレが果たす役割を軽視している。通貨増発で賄った財政支出が投資に充当されるか、M&A(合併・買収)や自社株買いに使われるかにより、経済成長や経済的厚生(利益)に与える影響は異なる。また資産価格の上昇は、どの資産がどの程度値上がりするかにより不平等を引き起こす。

投資選択や不平等に関心を持つはずのMMT論者が金融仲介や金融商品の役割を軽視するのは解せない。

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MMTが最近注目されるのは、現在の低インフレと超低金利の組み合わせが、財政ファイナンスに関するMMTの主張にとって理想的な環境を形成しているからだ。筆者の考えでは、ELBと長期的な流動性のわなが併存する現状は特異な経済環境であり、この環境に限ればMMTの中心的な主張(通貨増発による財政出動の拡大)は成り立つ。
期限付き商品券を国民に配布するといったヘリコプターマネー政策も、今日の日本になら効果があるかもしれない。だが米国と英国は流動性のわなから脱しているし、ユーロ圏、いや日本でさえ、どこかの時点で金利がELBを上回るだろう。そうなったとき、巨額の財政ファイナンスが引き起こすインフレは日本にとって深刻な問題となろう。

米国のMMT論者は、雇用保障政策などの原資を財政ファイナンスで賄うことを提案するが、供給サイドの刺激や所得分配の観点から価値があるなら、MMTと関係なく実行すべきだ。

最後に財政ファイナンスの総額そのものよりも、所与の額に対してなされる財政選択の方がはるかに重要なことを指摘したい。財政選択とは、財政支出の変化の規模と、構成や租税構造の変化の詳細を意味する。

流動性のわなに陥った状況であれば、通貨増発による財政出動は景気変動抑制効果の点から望ましい。だがひとたび流動性のわなを脱したら、インフレを誘発せず通貨発行益を最大化することに細心の注意を払わなければならない。

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財政赤字を容認する「MMT理論」は一理あるが、やはり危険な理由 2019.5.10 塚崎公義:久留米大学商学部教授
https://diamond.jp/articles/-/201833
話題のMMT(現代貨幣理論)とは ~MMT自体は異端だが、主流派経済学者も財政出動容認に変化~ 2019年5月29日
https://www.fnn.jp/posts/00046497HDK
MMTも主流派経済学もどっちもどっちな理由
「レバレッジを制御できないこと」が問題だ! 森田 長太郎 : SMBC日興証券 チーフ金利ストラテジスト  2019/04/08

https://toyokeizai.net/articles/-/275326
日本でも、MMTへの注目が高まる背景 2019/5/25
https://www.j-cast.com/2019/05/25358319.html?p=all

 ここまでが反対派か中立を装った批判者の弁。
 お次が、高橋氏などのリフレ派が展開するMMT論だ。
 ただし、必ずしも賛成ではない。
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日米で脚光「MMT」の不可解 さっぱり分からないが…財務省にとっては好都合!? 2019.5.16
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/190516/soc1905160005-n1.html
 「MMT(現代貨幣理論)」という言葉が、新聞やテレビでも取り上げられるようになっている。報道によれば、政府が膨大な借金を抱えても問題はないというものだ。米国では将来の民主党大統領候補と目される29歳のオカシオコルテス下院議員が支持を表明したことで、俄然(がぜん)脚光を浴びている。

 もっとも、米国の主流経済学者は批判的だ。筆者も文献を読んだが、さっぱり分からない。通常の経済理論は誤解のないように数式モデルで構成されているが、MMTには雰囲気の記述ばかりで全く数式モデルがないからだ。米主流経済学者もおそらく筆者と同じ感想であり、論評する以前の問題だろう。

 一般の人には数式の有無は関係ないかもしれないが、専門家の間では問題だ。例えば、相対性理論を数式なしで雰囲気で説明することはできるが、数式なしでは正確なGPS(全地球測位システム)は作れない。

 一方、日本では、筆者を含む経済学者らは「リフレ派」と呼ばれている。筆者はこれまで「統合政府では財政再建の必要性はない」とか「インフレ目標までは財政問題を気にする必要はない」などと主張してきた。

 リフレ派は今から二十数年前に萌芽(ほうが)があるが、筆者らは、世界の経済学者であれば誰でも理解可能なように数式モデルを用意してきた。興味があれば、岩田規久男編『まずデフレをとめよ』(2003年、日本経済新聞出版社)を読んでほしい。数式モデルは、(1)ワルラス式(2)統合政府(3)インフレ目標で構成されている。
 これらのモデル式から、どの程度、金融政策と財政政策を発動するとインフレ率がどう変化するのかが、ある程度定量的に分かるようになっている。

 リフレ派は数式モデルで説明するので、米国の主流経済学者からも批判されていないどころか、スティグリッツ、クルーグマン、バーナンキの各氏はおおむね賛同している。

 しかし、日本では、リフレ派の主張は、しばしばMMTの主張と混同される。MMT論者の主張で「日本政府の借金が仮に5000兆円になっても全く問題ない」というものがある。リフレ派の数式モデルでは、そうなるとインフレ率1000%程度になり大問題だ。それを指摘すると、MMT論者は「インフレになるまで借金をするという意味だ」というが、それもおかしい。インフレ目標2%以内という条件なら、借金5000兆円になるまでは数十年を要する話だ。数字があまりに非現実的すぎるのだ。

 もっとも、財務省にとって、日本でMMTとリフレ派が混同されるのは好都合だ。MMTは米国の主流経済学者が否定し、しかも定量的な議論に弱い。つまり、財務省にとっては突っ込みどころ満載なのだ。

 これに対し、リフレ派の議論は、米主流経済学者も賛同するし、定量的な議論の上に「財政再建は終わっている」と主張するもので、財務省にとって目障りだ。財務省からみれば、MMTを潰せば、リフレ派も自動的に抹殺できると思っているフシすらうかがえる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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リフレ派が財政赤字容認の「現代貨幣理論」支持者と“同一視”される理由 高橋洋一:嘉悦大学教授 2019.5.16
https://diamond.jp/articles/-/202487
注目集める現代貨幣理論(MMT)~日本は炭鉱のカナリアか?~
経済研究部 専務理事 エグゼクティブ・フェロー   櫨(はじ) 浩一 2019年05月31日

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=61678?site=nli
MMTが間違った政策提言を導き出しているワケ
「インフレは昂進しない」という前提の危うさ
櫨 浩一 : ニッセイ基礎研究所 専務理事  2019/04/28

https://toyokeizai.net/articles/-/278558
 余談だが、元内閣府の官僚の櫨浩一氏はかなり鋭い論評を展開する。
 
 コテコテの賛成論者は、藤井元参与と元経産省官僚の中野剛志氏だ。
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経済論争の的「MMT」は「トンデモ理論」に非ず
MMTは財政規律の「破棄」でなく「改善」を主張している
2019.5.21(火)  藤井 聡

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56429
 今、MMT(現代貨幣理論)が話題だ。今アメリカで「ブーム」を巻き起こしている民主党の史上最年少議員アレクサンドリア・オカシオコルテス女史が、MMTを強烈に支持しつつ超大型の景気対策を主張したことがそのきっかけだ。

 しかし、ポール・クルーグマンやロバート・シラーなど、ノーベル賞を受賞した主流派経済学者たちがこのMMTに一斉に反発。それだけでも話題だったのだが、それに対して今度はステファニー・ケルトン教授を中心としたMMT論者達が、ひるむことなく徹底的に反発したことでMMTの話題はさらに拡大した。

日米で話題騒然となったMMT
 こうした流れは、瞬く間に日本にも上陸した。
 とりわけ、MMTは、デフレ状況下では、デフレが終わるまでは財政赤字を拡大していくべきだと理論的に主張するものであるから、今年10月に予定されている消費増税の是非の議論を巡って、MMTはさらに話題となっている。MMTによれば、デフレ下の消費増税など論外だと瞬く間に結論付けられるからだ。

 そんな中、西田昌司参議院議員等が麻生財務大臣や安倍総理大臣にMMTについて質問を行うなど、その議論は国会にも飛び火した。一方で、消費税の推進を図る財務省は、審議会の中で、MMTを批判する海外の多数の経済学者達の声を何ページにもわたって掲載する等の強烈な反応を示したことで、さらにMMTが話題となっていった。

MMTとは何か?
 こうしたMMTが話題になっていく中で、日本のメディアは、MMTを「異端」や「トンデモ」理論と紹介していった。例えば、2019年4月26日付けの朝日新聞では、「財政赤字なんか膨らんでもへっちゃらで、中央銀行に紙幣を刷らせれば財源はいくらでもある、というかなりの『トンデモ理論』」などと、ほぼ誹謗や中傷とも言い得るようなトーンで紹介しているのが、その典型だ。

 こうした批判は、学者もメディアもおおよそ、「MMTは、財政規律を破棄せよと主張しているが、そんなことすると、トンデモないことになる。財政には規律が必要なのは当たり前じゃないか!」というようなものが大半だ。

 しかし、この認識は、根本的に間違えた、完全なる誤解だ。

 そもそもMMTは決して、財政規律を「破棄せよ」と叫んでいるのではない。MMTはむしろ、財政規律を「改善せよ」と主張しているに過ぎない。
 今日の日本の財政は、「プライマリーバランス(基礎的な財政の収支)を黒字化しよう」という規律に基づいて運営されているが、実を言うと、この厳しすぎる規律のせいで、日本経済はいつまでもデフレなのであり、貧困と格差が広がり、経済が疲弊し続けているのが実態だ。それはまるで、過剰に厳しすぎる教育の下では子供たちの心身が歪んでしまう、と言ったような類の話だ。実際、安倍総理大臣も、「予算を半額(にすれば)・・・プライマリーバランスは黒字化する・・・しかし経済は最悪になる」(平成29年3月1日参議院予算委員会)と端的に発言している通りだ。だから、そんな規律は不条理なのであり、別の基準に改善すべきだ――とMMTは考えるのである。

 そしてMMTが新しい財政規律の基準として主張しているのが、「インフレ率」だ。

 そもそも、政府支出、あるいは、政府の赤字の多寡は、インフレ率に影響する。政府支出、ないしは赤字が拡大すれば大量の資金が民間に注入され、インフレ率が上昇する。そして、その逆もまた然りであり、それは先に紹介した安倍総理の答弁が示唆している通りだ。

 こうした点から、筆者は、MMTを政策論的な観点から、次のように定義している。

【MMTの政策的定義】
 国債発行に基づく政府支出がインフレ率に影響するという事実を踏まえつつ、『税収』ではなく『インフレ率』に基づいて財政支出を調整すべきだという新たな財政規律を主張する経済理論。


MMTの具体的な中身
 もう少し、詳しく言うなら、MMTとは、具体的には以下の3つを主張するものと捉えることができる。その最初の主張はこういうものだ。

(MMTの主張1)
 政府は、自国通貨建ての借金で破綻することなど考えられないのだから、借金したくないという思いに囚われて、政府支出を抑制するのはナンセンスである。だから政府の支出は、借金をどの程度以下に抑えるかということを“基準”にしてはならない。何か別の、国民の幸福に資する“基準”が必要である。


 MMTがしばしば激しく批判されるのは、この主張の一行目の「政府は、自国通貨建ての借金で破綻することなど考えられない」という部分なのだが、実はこれは、専門家の間では、誰もが認識している当たり前の見解なのだ。例えば、財務省も、自身の公式ホームページで、「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と言明している。
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm

 これは、政府が破綻しそうになれば、中央銀行である日銀が必ず「最後の貸し手」として、カネを貸してくれるためだ。だから政府は日本円建てで借金をしている限り、「破綻」することは考えられないのだ。こうした自明の事実を踏まえれば、破綻に怯えて、借金を減らす事ばかり過剰に考えるのはナンセンスだ、とMMTは考えるのである。

 では、赤字を減らすという財政基準でなく、「何か別の、国民の幸福に資する財政規律」として何が必要かなのかを実際の経済の仕組みを踏まえて考えれば、自ずと以下の“下限基準”と“上限基準”が必要であるという現実が見えてくる。

(MMTの主張2)
 経済が停滞しており成長が必要とされている場合、政府は財政赤字を拡大することを通して、その目的を達成することができる。逆に言うなら、政府支出(あるいは財政赤字)の“下限基準”は、(金融政策を十分に行ってもなお)経済が停滞してしまう程度の政府支出量である。

(MMTの主張3)
 政府支出(あるいは財政赤字)を、その国の供給量を超えて拡大し続ければ、過剰なインフレになる。したがって、政府支出(あるいは財政赤字)の“上限基準”は、(金融政策を十分に行ってもなお)過剰インフレになってしまう程度の政府支出量である。(MMTの主張3)


 ちなみに、具体的な政府支出の下限と上限の基準としては、これまでのインフレ率の実績を踏まえると、「下限」については、おおよそ(コアコアCPIという尺度で)2%程度を想定することができよう。実際、現在のアベノミクスにおいても日銀がこの水準を目標としている。さすがにこれを下回る状況は、不健全だと考えるわけだ。一方で、インフレ率が4%、ないしはさらに安全を見て3%を上回るような状況は、これもまた不健全だと言うことができる。日本では80年代以前は高いインフレに苦しめられたのだが、その水準がちょうど、3~4%以上だったからだ。

 つまりこの点に着目し、「インフレ率3~4%を超える程の過度なインフレになってしまう程に過剰な政府支出=赤字」を上限、「インフレ率2%を下回る程の過度なデフレや停滞になってしまう程に少なすぎる政府支出=赤字」を下限とする、という「新たな財政規律」を提案しているのがMMTなのである。

 ただし、インフレ率には、日銀の金融政策も大きな影響を及ぼすことは間違いない。だから、この財政規律に基づく運用においては、可能な限り適切な金融政策が並行して実施されていることが必要な点は、忘れてはならない。

 いずれにせよ、MMTは、一部の日本のマスコミや評論家連中が言うような「トンデモ理論」とは決して言えないものなのだ。それよりもむしろ、これまでの財政規律の不条理性を指摘した上で、それをより適切なものへと財政規律を「改善」することを主張する、至って理性的なものなのである。

 兎にも角にも、日本人はインフレになることを恐れすぎた余り、デフレを放置しすぎてしまったようだ。これではまるで、栄養失調で死にかけている時に、肥満だった過去の記憶に過剰に怯えて食事を口に出来なくなってしまっているようなものだ。そんな時には、少しくらいは食事を口にしないと、体が持たない。この程度の話は「常識」に過ぎない話である筈だ。

 MMTは、そんな「常識」を呼び覚まし、今日、我々が陥っている状況それ自身の「非常識さ」を教えてくれている。これまでのモノの見方に過剰にこだわり続ける人々からは「トンデモ」であり「異端」に見えるのかも知れないが、その中身をよくよく精査してみれば、至って穏健な理論なのである。

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MMTのせいで、消費増税を巡る議論が、大混乱に陥っています 2019年5月29日
https://www.excite.co.jp/news/article/BestTimes_10325/
MMT「インフレ制御不能」批判がありえない理由
「自民党の一部」が支持の動き、国会でも論議 中野 剛志 2019/05/29

https://toyokeizai.net/articles/-/283186

 さて、先程の高橋氏とニアリーイコールなんだが、重要な提言である下記。
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財政に関する議論が「財務省のご機嫌ひとつ」で変わる、恐ろしい現実
国民を苦しめた緊縮財政は継続か ドクターZ 2019.05.19

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64528
■眉唾モノの議論
いま、米国経済ではMMT(現代貨幣理論)をめぐる議論が過熱している。

MMTは、「財政赤字はまったく気にする必要がない」という主張を取るもので、ニューヨーク州立大教授のステファニー・ケルトン氏らが提唱しているものだ。
日本でもこの突飛な貨幣理論が波紋を呼んでいるが、異例の対応を取っているのは財務省だ。4月17日、「財政規律の軽視につながる」として、MMTに反対するデータを大量に集め、財政制度等審議会の分科会に提出したのだ。

財政審は次年度の予算へ向けた議論をスタートする場で、財務省と考えが正反対のMMTにクギを刺したいのだろう。

冷静に考えると、この理論はかなりの眉唾モノだ。「財政赤字はまったく気にする必要がない」という主張は、「理論」と名前はついているが数量的な裏付けがあるわけではない。

そのため、米国では政治的に注目されるものの、学会からはまったく相手にされていない。これを良しとした財務省は、欧米の著名なエコノミスト17人にのぼるMMTへの批判を財政審の資料に掲載している。

金融緩和と積極財政を促す理論なので、MMTはリフレ論やFTPL(物価水準の財政理論)と近しいように見えるかもしれない。だが、先ほども述べた通りMMTは基礎的理論がしっかりしているわけではない。

 

リフレ論やFTPLを支える基礎的理論は、貨幣と物価の関係を示す「貨幣数量説」や、中央銀行と政府の財政を一体のものとして捉える「統合政府論」、物価に一定の制約を設ける「インフレ目標」といったものがある。そのため、支持するかどうかは別として、リフレ論やFTPLの理論の基盤を全否定するエコノミストは世界を見渡してもいない。

だからこそ、「財政再建至上主義」の財務省は、リフレ論やFTPLに対して有効な反論ができずにいた。そのようななかでMMTが話題になると、財務省はリフレ論・FTPLも同様に財政再建批判をしていることに気づいた。

MMTは世界のエコノミストから集中砲火を浴びている。財務省はこれに便乗して、MMTだけでなく財政再建反対派をまとめて叩くチャンスと考えて、異例の行動に出たのだ。

異例の行動と言っても、財務省は欧米のエコノミストがMMTを批判している事実を紹介しただけだ。一方、リフレ論・FTPLについては、欧米での大きな批判はないので、欧米のエコノミストを引用できず、控えめな筆で財務省の懸念を勝手に述べているだけにすぎない。

これをメディアが鵜呑みにすると、MMTもリフレ論・FTPLも同じように問題ある理論として扱ってしまう。日本のメディアには本格的な経済理論を理解している人間が少なく、財政再建を訴えるうえで都合の良い存在だ。

もはや日本では、財務省の意向に沿わない理論は社会的に受け入れられない時代になってしまった。まともなリフレ論・FTPLも、デタラメなMMTとともに、財務省によって葬り去られるとしたら恐ろしい話だ。平成を苦しめた財務省主導の緊縮財政は、始まったばかりの令和の時代でも威力をふるうのだろうか。

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 というわけで、やたらと盛り上がっている理由は、財務省に不都合なネタ+リフレ派も葬る方策、というわけだ。
 ただ残念なことに、この手の反対論者は質が低く、今ひとつ要領を得ない。
 異口同音に語られる反対論のポイントはインフレ制御だが、デフレで苦しむ日本にはちゃんちゃらおかしい話であると同時に、インフレ抑制は簡単に可能であるのに無視していることが恣意的だろう。
 毎年の風物詩になっているアメリカの予算執行停止に於ける政府機関部分閉鎖問題で、アメリカのGDPは、たかだか5週間の一部停止でGDPは0.4%の低下見込みだった。
 早い話が、政府の予算執行は多大な金額でGDPの半分近くを占めるから、シーリングしてしまうだけで猛烈にGDPは下がる=インフレは抑制される。
 したがって、詭弁的にインフレ抑制ができなくなるから、というのはバカげた話なのだ。
 
 そしてMMTによらずとも既存の経済学で可能な財政の補正だが、残念ながら思うように回っていない。
 単純にマネタリーファイナンスを抑制するために作ったルール(通貨の信頼性を担保する目的)が、政府の国債発行→銀行買い入れ→中央銀行国債買い入れという仕組みな訳で、これに縛られてマネタリーベースの拡大を自縄的に制限して財政悪化という馬鹿げた話なのだ。
 インフレ率を採用してるんだから、経済は数字上、徐々に拡大するのは当然で、必要なマネーも拡大するのは自明の理なのに、そこに対GDP比で制限をかけていることが大いなる矛盾なのだ。
 MMTはこの矛盾を解決しませんか?という問いかけに過ぎない。
 高橋氏が指摘されるように、日本だけを捉えた時は財政再建は終わっているかもしれないのだが、世界に目を落とせば、この問題は大きなものなのだ。
 期せずして支那経済が、MMTの抱える問題が大した話ではないことを示してしまうというのも皮肉だ。

 冒頭述べたように、どういった手法だって構わないから、現代経済が抱える問題を可決してくれれば、庶民は何の問題もないはずだ。
 普通に真面目に仕事に行くだけで、つつがなく生活できればそれでよい。
 経済学というのは、そういった国民生活を導くためにあるものだ。
 何かのルールとして作ったものの正当性をやり取りするだけなら、憲法学のことをばかにすることはできない。
 理論に拘って答えが出せないのは、理論に穴があるんじゃないのかね。
 理屈をこねる前に基本に立ち返るべきなのだ。
 
 了

ガンバレ!日本!!
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