筆者も1月末に引いた風邪に未だに蝕まれている。
ここのところ世界経済もだいぶ蝕まれて、ちょっとしたニュースに一喜一憂することになる。
先だっての日本の異常な通貨高は投機筋の仕掛けによるものらしいが、経済が停滞してまともな投資先がないとこういったおかしな現象が巻き起こりやすいと思われる。
先だっても触れたように、世界経済がヒトコケするきっかけが起きれば、ドミノ倒しが起こって連鎖的に極悪化する可能性がある。
このきっかけになりうるのが人民元の大暴落だ。
なにせ、管理フロート制と言いつつ、ドルペッグに近いことをしている。
SDRにこだわったせいで、資本規制も中途半端だから外貨がどんどん流出しているのは先だってから解説したとおり。
いくら多大な外貨を誇っても全部が使える外貨でもないから、動かせるキャッシュの範囲でしか活動出来な上に、ドルペッグに近い=必ず当局が介入する、となれば、投機筋からすれば美味しい材料だろう。
そこでこんな話。
↓↓↓↓↓↓
ヘッジファンドや著名投資家が「人民元空売り」準備中 2016/02/02
https://zuuonline.com/archives/96187
「人民元空売り」の画策がウォールストリートで進行中であることが、1月31日のウォールストリート・ジャーナル紙など複数のメディアに報じられた。一部のヘッジファンドが1992年のソロス氏のよる「ポンド空売り」や1997年の「アジア通貨危機」を、人民元で再現しようという動きだ。
多額の資本流出にどこまで中国は持ちこたえれるのか
英オムニ・マクロ・ファンドは既に2014年初頭から人民元の暴落を見越した動きをしているほか、2010年の欧州ソブリン危機の際に何百万ドルという利益をあげた米コリエンテ・パートナーズも、昨年9月からデルタ値(オプションのリスク指標。株式や為替、コモディティなどの原資産の変動に対し、オプションの価格がどの程度変動するかを示す)の低いオプションに専念しているなど、今後20~50%の人民元大暴落を予測する声が多数あがっている。
「その規模はサブプライム危機をはるかに上回るだろう」というカイル・バスCEO率いる米大手ヘイマン・キャピタル・マネージメントは、人民元や香港ドルを含むアジア通貨のショート(売り持ち)に専念するために、大量の持ち株やコモディティ、債券を処分しており、今後3年以内に人民元と香港ドルが値下がりすれば利益を得られる取引が、ポートフォリオの85%を占めている。
これらのヘッジファンドに加え、2010年に引退するまではソロス氏の右腕として知られていたスタンリー・ドラッケンミラー氏や、「ヘッジファンド・マネージャーの歴史上最高額」となった年間所得(40億ドル/約4838億8000万円)を弾き出したデービッド・テッパー氏など、並みいる著名投資家達も人民元の売り持ち態勢にあることが、事情に詳しい関係者から明らかになっている。
中国では近年、人民元安の影響で多額の資本流出が加速しており、世界中の金融機関が参加している国際組織、国際金融協会(IIF)の調べでは、昨年だけで推定6750億(約81兆7155億円)ドルが国外へ流れでている。
こうした状況でさらに民間や企業による現金引き上げが殺到すれば、たとえ3兆3000億ドル(約399兆6960億円)の外貨準備高を誇る中国といえども、到底持ちこたえられないだろう――というのが専門家やウォールストリートの見解である。(ZUU online 編集部)
-------
当ブログでも度々取り上げるアジア通貨危機であるが、あれの仕組みが今回の様相に似ているのだ。
無論、まだ起こっていないので、似ていると言っても起きやい確率が高いというだけの話なのでご注意。
話は半分以下にしてほしい。
さて、ではアジア通貨危機を再度見てみよう。
↓↓↓↓↓↓↓
アジア通貨危機
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E9%80%9A%E8%B2%A8%E5%8D%B1%E6%A9%9F
アジア通貨危機(アジアつうかきき、英語: Asian Financial Crisis)とは、1997年7月よりタイを中心に始まった、アジア各国の急激な通貨下落(減価)現象である。
この通貨下落は米国のヘッジファンドを主とした機関投資家による通貨の空売りによって惹起され、東アジア、東南アジアの各国経済に大きな悪影響を及ぼした。狭義にはアジア各国通貨の暴落のみを指すが、広義にはこれによって起こった金融危機(アジア金融危機)を含む経済危機を指す。
前述のタイ、インドネシア、韓国はその経済に大きな打撃を受け、IMF管理に入った。マレーシア、フィリピン、香港はある程度の打撃を被った。中国と台湾は直接の影響はなかったものの、前述の国々と関連して影響を受けた。日本に関しては融資の焦げ付きが多発し、緊縮財政とタイミングが重なった結果、1997年と1998年における金融危機の引き金の一つとなり、1998年9月の政策金利引き下げ、10月7-8日の円急騰(2日間で20円の急騰)、10月23日の長銀国有化、12月13日の日債銀国有化へと繋がる一連の金融不安の遠因となった。
また、新興国における通貨不安はアジア地域に留まらず、1998年8月17日からのロシア通貨危機、1999年1月ブラジル通貨危機などその他の経済圏でも同様の混乱をまねいた。
経緯
日本、台湾、フィリピンを除く、アジアの殆どの国家は、米ドルと自国通貨の為替レートを固定する「ドルペッグ制」を採用していた。それまではドル安の状態で、比較的通貨の相場は安定していた。また欧米諸国は、固定相場制の中で金利を高めに誘導して、利ざやを求める外国資本の流入を促し、資本を蓄積する一方で、アジアは輸出需要で経済成長するという成長システムを採用していた。中でもタイはこのパターンの典型的な成長システムであり、慢性的な経常赤字であった。
またアジアの国際分業体制は、1992年以降の中国改革開放政策の推進により、構造的な変化が生じており、東南アジアに展開していた日系、欧米系企業の多くが、当時人件費の安かった中国本土への生産シフトを強めていた。
1995年以降、アメリカ合衆国の長期景気回復による経常収支赤字下の経済政策として「強いドル政策」が採用され、米ドルが高めに推移するようになった。これに連動する形で、アジア各国の通貨が上昇(増価)し、その結果アジア諸国の輸出は伸び悩む展開となった。これらの国々に資本を投じていた投資家らは、経済成長の持続可能性に疑問を抱く様になった。
そこに目をつけたのが、欧米のヘッジファンドである。ヘッジファンドは、アジアの経済状況と為替レートの評価にズレが生じ、結果として自国通貨が過大評価され始めていると考えた。そこで過大評価された通貨に空売りを仕掛け、安くなったところで買い戻せば利益が出る。1992年にイギリスで起こしたポンド危機と同じ構図である。殆どの国家でドルペッグ制が採られていたため、ヘッジファンドは売り崩せれば巨額の利益を得られる一方で、例え失敗したとしても、アジア諸国の為替レートが上昇していくため、損を被るという可能性は低く、この非対称性が大規模な通貨への売り仕掛けを呼ぶこととなった。
かくして、ヘッジファンドが通貨の空売りを仕掛け、買い支える事が出来ないアジア各国の為替レートは、変動相場制を導入せざるを得ない状況に追い込まれ、通貨価格が急激に下落した。
---------以下略
ちょっと誤解がないように説明を加えると、通貨の空売りというのは用語的にはちょっとおかしい。
株などの空売りと同じく、売りで仕掛けて下落(この場合は通貨高)したら買い戻して差益を得る、というスタイルだから、そのように表現される。
やっていることはまんま株の空売りと一緒なので、問題ないといえば問題ないとも言える。
↓↓↓↓↓
売りから入る空売り
http://www.fx-startup.com/bear.php
さて、ついでにポンド危機を見てみよう。
↓↓↓↓↓
ポンド危機
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%89%E5%8D%B1%E6%A9%9F
ポンド危機(ポンドきき、pound crisis)とは、1992年9月16日に英国の通貨であるポンドの為替レートが急落し、翌日に英国がERMを離脱した一連の出来事である。ブラック・ウェンズデー(暗黒の水曜日)とも呼ばれる。ホワイト・ウェンズデー(白い水曜日)とも呼ばれる。
背景
もともとポンドは世界の基軸通貨であったが、第二次世界大戦後その地位は失われた。また、イギリス経済はストップゴー政策と呼ばれる経済政策の迷走の結果、英国病といわれるほどの経済的低迷状態にあった。
イギリスの経常収支は1960年代から北海油田の採掘が始まり1980年代には純原油輸出国であったことから原油価格高騰時は黒字であったが、基本的に赤字基調となりつつあった。そのなかで、EC(欧州共同体)では域内通貨の統合に向けて域内通貨間の為替レートを事実上固定するEMS(欧州通貨制度)とERM(欧州為替相場メカニズム)を進めていた。
マーガレット・サッチャーはERM加盟には反対だった。サッチャー自身は、(資本移動が自由な場合に)独自の金融政策と為替レート目標とが両立し得ないことを理解していた。サッチャーは、英国の主な金融政策が英国財務省等ではなくドイツ連邦銀行によって決められる制度を採用すべきではないと考えていた。
サッチャーの経済顧問アラン・ウォルターズは、英国がERMに参加すればスターリング・ポンドへの投機攻撃の圧力は高まるだろうと考えており、ERM加入には反対の立場だった。だが最終的にサッチャー政権は1990年にERM加入を決定した。
経緯
サッチャー政権後期の拡張的金融政策で失業率も改善傾向だったが、ERM参加後に再び悪化し、1992年には10%近くまで失業率が上昇した。景気は大きく後退し、会社の倒産は(1931年以降)記録的なものとなった。
そしてウォルターズの予想通りポンドは投機攻撃の対象となった。1990年10月に東西ドイツが統一されて以来、旧西ドイツ政府による旧東ドイツへの投資が増加し、欧州の金利は高目に推移していた。高めの金利は欧州通貨の増価をもたらした。ERMによって欧州通貨と連動したポンドは次第に過大評価されていくことになり、持続可能性を喪失していった。ERMに留まるには英国は金利を上げざるを得なかった。 高金利は英国経済を害した。ルールに反し、ドイツ連邦銀行はポンド防衛にまわらなかった。ここで英国人達の欧州懐疑論が深く心理に残るものになった。
これに目をつけたのがジョージ・ソロスである。ソロスは「相場は必ず間違っている」が持論であり、このときもポンド相場が実勢に合わないほど高止まりしていると考えた。そして、ポンドを売り浴びせ、安くなったところで買い戻すという取引を実行することになる。
その時の支配的な意見は英国はERMに留まるべきというものだった。当時の首相ジョン・メージャーはERM加入は誤りだったと認めようとせず、ERM離脱は英国の未来の裏切りだと述べた。
展開
1992年9月になり、ポンドへの売り浴びせは激しさを増した。
9月15日には激しいポンド売りにより変動制限ライン(上下2.25%)を超えた。
9月16日にはイングランド銀行がポンド買いの市場介入に加えて、公定歩合を10%から12%へ引き上げ、さらにその日のうちにもう一度引き上げ15%とした。しかし、それでも売り浴びせはとまらなかった。事実上のERM脱退となったこの日はブラック・ウェンズデー(暗黒の水曜日)と呼ばれている。
9月17日、イギリスポンドは正式にERMを脱退し、変動相場制へ移行した。
----------
ざっと両方を斜め読みしていただくと解るのだが、キーワードは「管理通貨レート」なのだ。
国際金融のトリレンマは、独自の金融政策・自由な資本移動・為替の固定の3つが同時には達成できず、どれか2つだけしか選べない、という法則だ。
支那の場合、為替の固定(管理フロート制)と金融政策を取り、自由な資本移動は規制してきた。
ところがこの自由な資本移動がザル。
ザルというより穴が空いた鍋。
しかも、SDR採用で透明性がある状態を要求されているから、資本移動も完全には管理できない。
ポンド危機でも通貨固定を試みて大失敗しているし、アジア通貨危機でも同様だ。
イイトコどりをしようと思っても、必ず何か問題が生じてしまい、脇が甘くなるわけだ。
ちょっと古い記事だがこちら。
↓↓↓↓↓
コラム:中国も陥る「国際金融のトリレンマ」 ロイター 2015年 08月 27日
http://jp.reuters.com/article/column-china-trinity-idJPKCN0QW08920150827
[シンガポール 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国政府は経済学の法則を曲げられたとしても、破ることはできない。巨額な外貨準備は、金利引き下げ、安定した人民元相場、自由な資本移動という3つを切り抜ける余地を同国に与えるかもしれない。
しかし、こうしたいわゆる「国際金融のトリレンマ」の克服は、中国でも手に負えないだろう。
中国人民銀行(中央銀行)が25日に追加利下げを実施した翌日、中国株投資家はそれが特効薬なのか、それとも毒薬か判断しかねているように見えた。彼らの不安は前途多難であることを示している。もし投資家が、金利引き下げなどの追加緩和はマネーサプライ増加の兆候だと捉えるなら、中国から資金をさらに引き上げる可能性があるからだ。
「国際金融のトリレンマ」とは、金融政策、為替相場の安定、そして自由な資本移動の3つすべてを同時に成立させることは不可能だとする理論だ。実際のところ、中国当局に選択の余地はほとんどない。利下げと通貨の安定を両立させたいなら、資本移動の規制強化を検討せざるを得なくなる。本土からの違法な資金流入に対するマカオ警察の強制捜査は、越境資本移動に対する規制に向けた新たな決意にもとれる。しかし、中国の資本規制緩和の流れが逆流するようであれば、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)通貨バスケットの構成通貨として採用されることを目指す中国の試みに水を差すことになるだろう。
経済成長が回復すれば資本逃避は食い止められるかもしれないが、世界経済の冷え込みや、過剰生産能力と債務超過という中国本土の2つの問題がそれを困難にさせている。短期的に見れば、中国にとって最善の期待は自国の経済懸念が世界中の市場に反響し続け、米連邦準備理事会(FRB)が利上げをやめることかもしれない。
一方で、強いドルに対して自国通貨の安定を維持していると思わせる唯一の方法は、外貨準備を減らして人民元を守ることだ。3兆ドルを超える外貨準備高(6月末)は、中国が当面の間「トリレンマ」をしのぐには十分かもしれないが、資本流出を防ぐほどではないだろう。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
-------
半年経って猛烈な資本流出を招き、ますます不安視されている。
なにせ、外貨準備が一年で81兆円も減っているわけで、資本流出でさらに不安なのだ。
そしてこんな話。
↓↓↓↓↓
中国経済もはや重篤なのか 食い止められない資本流失 2016.02.06
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160206/dms1602061000006-n1.htm
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が個人的見解としたうえで、中国の人民元について「国内金融政策に関して一貫性があり適切な方法として、資本規制が為替相場の管理に役立つ可能性がある」と述べたと報じられた。
物やサービスの移転を伴わない対外的な金融取引のことを資本取引という。日本の外為法では、居住者と非居住者との間の預金契約、信託契約、金銭の貸借契約、債務の保証契約、対外支払手段・債権の売買契約、金融指標等先物契約に基づく債権の発生等に係る取引、および証券の取得または譲渡-などが定められている。
このほかにも、居住者による外国にある不動産もしくはこれに関する賃借権、地上権、抵当権等の権利の取得、または非居住者による本邦にある不動産もしくはこれに関する権利の取得も、資本取引とされている。
こうした取引は、金融機関を通じて行われるので、資本取引を規制しようとすれば、金融機関を規制することとなる。規制の方法としては、全面禁止、取引許可、取引届出、取引報告などがあり、前者から後者にいくにつれて規制が弱くなる。
黒田総裁が指摘した、為替管理と資本取引の関係を理解するには、「国際金融のトリレンマ(三すくみ)」を知る必要がある。それは、「独立した金融政策」「固定為替相場制」「自由な資本移動」のうち、2つまでしか同時に達成することはできないというものだ。
この法則に従うと、資本取引規制によって自由な資本移動をあきらめれば、独立した金融政策と固定為替相場制を達成できる。つまり、国内物価の安定のために金融政策を使うことが可能となり、為替相場も安定させられるというわけだ。
中国の資本規制は原則として許可制で、先進国が原則として報告だけなのに比べて格段に規制が強い。それでも香港などを経由した資本流出の動きを食い止められないようだ。
もっとも、中国が本気になれば規制強化は容易だろう。なにしろ、中国では、問題を起こしたとして摘発された場合、政治的失脚までありえるからだ。
筆者はかつて中国でのコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する国際会議に出席した際、強烈な思い出があった。国有企業ばかりの国で、コーポレート・ガバナンスなんて所詮無理と思っていたところ、中国政府関係者が「中国では粉飾は死刑にもなります」と説明したのだ。さすがに、この発言には度肝を抜かれた。その延長線で、資本流出を勝手に行えば、重罰というのもあり得るだろう。
先進国では、貿易自由化の後に資本を自由化するというのが一般的な流れだ。しかし、中国の場合、貿易の自由化を進めたが、ここに来て資本規制が必要となったことで、貿易も規制せざるを得なくなるかもしれない。
すでに水面下では強烈な資本取引規制が行われているともいわれている。それでも資本流出が続いているのであれば、中国経済はかなり重篤だろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
--------
さらにこちら。
↓↓↓↓↓
【お金は知っている】中国のソロス氏批判はおびえの裏返しか 北京が警戒するのは獅子身中の虫 2016.02.19
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20160219/ecn1602191550002-n1.htm
北京による著名為替投機家、ジョージ・ソロス氏への非難が止まらない。
発端はこうだ。1月21日、スイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席したソロス氏がテレビでのインタビューで「中国のハードランディングは不可避だ。実際に目にしていることだ」と言い、人民元や香港ドルの暴落を見越した空売りをほのめかせた。
これに対し、23日に国営の新華社が非難の烽火(のろし)を上げると、党支配下にあるメディアが競い合うように批判の大合唱である。人民日報の海外版は「中国を空売りする者は必ず敗れる」と論評し、「ソロスは視力障害」(新華社)「でたらめ」(人民日報海外版)と罵倒。
国家発展改革委員会トップが「中国経済ハードランディング論」をこきおろし、中国人民銀行の周小川総裁は「投機筋には(為替)市場のムードを主導させない」「中国は世界最大の外貨準備を保有している」「国境を越えた資本移動は正常の範囲内にあり、人民元の下落が長く続く基礎はない」と語った。
ここで、読者は不思議に思わないだろうか。ソロス氏のような海千山千の投機家で、しかも海外にいる外国人にとってみれば、まるで、何かに脅えた負け犬の遠吠えのようで、何の痛痒(つうよう)も感じないはずだ。策略にたけた党官僚なら、そのばからしさ加減はわかりそうなものだと。
ソロス自身、弱点がある。人民元投機の足がかりを中国国内に持っているわけではない。海外で元投機を狙うと報じられているヘッジファンドも肝心の元という弾薬を仕込んでいるわけではない。為替投機というのは、投機対象の通貨建ての資産、例えば株や国債などの債券、あるいは銀行融資など資金提供のルートがなければ、事実上不可能だ。
国際金融市場の香港には元資金入手のルートはあるだろうが、香港当局は北京の命令で対抗策をとるだろう。現に、ソロス氏は1998年に香港ドル暴落をしかけたが、香港当局はソロス氏が空売りをもくろんだ株式を大幅につり上げて大打撃を与え、ソロス氏を惨敗、撤退させた。
そう、北京がだれに向かって吠えているか、答えははっきりしている。相手は習近平党総書記・国家主席にとっての獅子身中の虫である。
事実、ソロス氏のもとに駆け寄ろうとする資金提供者は中国国有企業幹部や富裕層など、多くが中国人投資家である。これらの多くは、習政権の監視が及ばない江沢民元総書記グループの企業や既得権者たちだ。ファンドは資金規模が大きくなればなるほど、投機の威力を増す。外貨準備が巨額というが、加速する資本流出とともに雲散霧消する恐れがある。北京はとにかく、内に向かって吠え続けるしかないのだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
----------
支那人が激しく怒る時、それは図星。
すでに今年に入ってあちこちの入管で怪しい話が飛び交う。
大量のお金や金を持ち込んで逮捕された件だ。
手元の裏金の現金を秘密裏に動かしているということだろう。
それだけ、危険視どころか実際にやばいということを示す。
しかしそんなことが実際にありうるかどうか、安達誠司氏が解説してくれているので引用しよう。
↓↓↓↓↓
中国人民元は「通貨アタック」に耐えられるか?~加速する投機筋の不穏な動き 2016年02月18日(木) 安達 誠司
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47963
■中国通貨当局の「毅然とした態度」
いよいよ春節も終わり、中国がマーケットに帰ってきた。
この1週間、世界のマーケットは中国要因なしでも大荒れの展開であったが、春節が明け、今後は中国が再びマーケットの攪乱要因になる可能性が高い。マーケットの乱高下は当分おさまりそうもない。
春節明けの2月15日、中国の通貨当局は、事実上の「人民元切り上げ」措置を発動した。中国人民元は、1日の上げ幅としては、2005年7月以降で最大の上昇(前日比+1.2%)を記録した。
これは、中国当局が人民元売りを仕掛ける投機筋に対して「毅然とした態度」を示すことによって、人民元に対する「通貨アタック(人民元売りを仕掛けることによって莫大な利益を稼ぐ投資行動)」をやめさせようとする試みであろうと思われる。
これによって、人民元に対する売り浴びせは一時的に鎮静化する可能性はあるかもしれない。だが、これで問題が解決したとは言い難い。ほとぼりが冷めればまた、中国の外貨準備に対する懸念が出てくるかもしれない。
すなわち、事実上の金融引き締めを意味するかもしれない「人民元切り上げ」をしなければならないほど、中国通貨当局は外貨準備に対する警戒感を高めているという、逆のシグナルと解釈されるかもしれないからである。
■ジョージ・ソロス氏の不穏な発言
このところ、中国の外貨準備は、主に人民元の買い支え(ドル売り介入)によって急激に減少している。
従来、中国の外貨準備は潤沢であり、「投機筋」による通貨アタックの可能性は低いと考えられてきた。だが、最近になって、中国が自国通貨買い介入に使える資金はそれほど多くないのではないか、という見通しが各方面から出てきた。そのため、人民元に「通貨アタック」を試みようとする動きが出始めているようだ。
例えば、1992年9月にイギリスポンドに大量の売り浴びせを仕掛け、巨額の利益を得たとされる「ヘッジファンドの帝王」ジョージ・ソロス氏は、今年のダボス会議の席上で、「中国経済のハードランディングは不可避である」との見通しを確信に満ちた表情で語った。
ソロス氏ほどの大物になれば、他のヘッジファンドやその他の投資家、及び、トレーダーたちがその投資行動を常に注目しており、その発言は市場に大きな影響力を与える。
これらの投資家たちが、ソロス氏の一言(もしくはそこから予見される投資行動)に合理性があると判断すれば、彼らがソロス氏の投資行動を模倣するという事態も想定される(「コピーキャット」といわれる)。
もっとも、ソロス氏の発言は、彼のファンドが投資の利益を確定させたいときや有利なポジションを作りたいときに、彼に有利な価格に誘導することを目的とした「ポジショントーク(当該資産の価格が今後も上がるとの見通しを伝えることによって資産価格を釣り上げ、その段階で資産を売却して利益を確定させる)」であるケースも多々あるため、額面通りに受け取ることは危険である。
だが、筆者の印象では、来るべき中国人民元の通貨アタックに備え、「参加者」を募っているようにもみえる。
■中国の「外貨準備高」をどうみるか
ところで、為替介入によって自国通貨の下落を止めようとする場合、通貨当局は、自国通貨(中国の場合は人民元)を買う一方で他国通貨(多くの場合米ドル)を売却する。
このとき、自国通貨を購入するには外貨が必要だが、その外貨は通貨当局が米国の預金や(短期)国債で運用している外貨準備が用いられる。よって、自国通貨の買い介入を実施する場合、それだけ外貨準備が減少することになる。
このことは、通貨当局の保有する外貨準備が枯渇してしまうと、自国通貨買いによる通貨防衛が不可能になってしまうことを意味する(ただし、その国が、外貨準備を潤沢に保有する他国と「通貨スワップ協定」を結んでいる場合は、自国通貨と介入用のドル資金を交換することが可能になるため、追加的に外貨の調達が可能となる。だが、これにも限界がある)。
つまり、「投機筋」にとっては、外貨準備の枯渇がみえてきた段階で、通貨当局の買い支えができなくなる時点がある程度わかるため、その段階で、当該通貨(今回の場合は人民元)の大幅下落と、大量の売り浴びせによる巨額の利益がほぼ確実に見通せる。
あとは、デリバティブ等も駆使して「レバレッジ」をかければ、売り浴びせはほぼ成功する。その意味で、外貨準備の状況をどうみるかが通貨アタック成功のカギを握ることになる。
中国の外貨準備高は、昨年12月末時点で3.3兆ドルというのが公式発表である。だが、このところの減少ペースは著しく、この12月時点の残高は半年前の6月時点から4,000億ドル超の減少となっている(前年比では-15%弱)。

この先も同じペースで減少を続けると仮定すると、中国の外貨準備は約4年で枯渇することになる。投機筋がレバレッジをかけて売り浴びせれば枯渇までの年限はさらに短縮するかもしれない。
さらに、通貨防衛という意味で中国がこの公表された外貨準備高をすべて使えるかといわれれば、必ずしもそうではない可能性がある。IMFの統計マニュアルによれば、各国の外貨準備の定義はバラバラ、統一基準がない。中国の場合は、アフリカや中米諸国への融資残高も外貨準備に含まれているのではないかと言われている。
これらは当然、為替介入のために取り崩すことが不可能である。さらに、これらの国への融資の多くが、資源開発への援助であることから、資源価格がこれ以上下落する事態になれば、「デフォルト」する可能性も考えられる(現に、中国から巨額の融資を受けているとされるベネズエラのデフォルトが間近に迫っていると言われている)。
逆にいえば、投機筋は、これら中国からの融資を受けている国の通貨に投機アタックを加えれば、その分、人民元への通貨アタックを成功させる可能性はさらに上昇するかもしれない。その意味で、他の新興国通貨が先に通貨アタックの対象となる可能性もある。
■人民元が「通貨アタック」を受けている証拠
ところで、米国財務省が発表する国別の「米国債保有残高統計」をみると、昨年11月末時点での中国の保有残高は1兆2,645億ドルとなっている。やや乱暴な見方だが、データの制約がある中、為替介入の対象となる通貨が米ドルであるとするならば、この中国の米国債保有残高をベースに中国当局の人民元防衛余地を考えた方がよいのではなかろうか。
そうすると、中国当局の投機的な通貨アタックへの耐性は、公表された外貨準備額の3分の1弱程度となり、さらに低下することになる。
筆者は、現段階で中国人民元は既に小規模ながら通貨アタックを受けている可能性が高いと考えている。これは、米中の短期金利差と人民元レートの関係をみるとよくわかる。
為替レートは短期金利差と密接な関係がある。特に人民元のように対ドルの変動幅が通貨当局によってある程度固定されている場合、中国側の短期金利は固定・誘導された為替レートにあわせて変動する。
そこで、米中の短期金利差と人民元の対ドルレートの関係をみると、外貨準備の減少が始まった2014年7月前後で大きな変化がみられる。すなわち、2014年7月以前は、米中の短期金利差は人民元レートの後を追うように変化していた。

短期金利は、国際金融市場の金利(米国がLibor、中国がShibor)をとっており、市場での需要関係で比較的自由に決まっている。一方、人民元の対ドルレートは、2005年7月以降、制度上はドルペッグ制を廃止し、一定の変動を許容する複数通貨のバスケット制に移行したといわれているが、「緩やかなドルペッグ制」ともとれる動きをしている。
このような状況では、中国通貨当局によって決定(もしくは先導)された人民元レートに沿う形で、中国の短期金利(Shibor)が決まり、その結果、人民元レートに遅行して米中の短期金利差が動いてきたと推測される。これは、先ほど述べた為替レートの制度と整合的な動きである。
だが、2014年7月以降の外貨準備の減少局面では、米中短期金利差が人民元レートに先行するようになっている。これは、通貨当局が、投機筋の通貨アタックによって逐次的に人民元切り下げを余儀なくされている状況を示唆していると、筆者は考える。
■固定相場制崩壊までのメカニズム
このような状況から、2014年7月以降は、以下のようなプロセスで米中短期金利差と人民元レートが変動していると推測される。
① 規制のないオフショア市場(ロンドン、及び香港)で投機筋が人民元を売る
② 中国通貨当局は人民元レートの水準を維持するために為替介入を実施し、外貨準備が減少する
③ 通貨当局による為替介入は投機筋にとっては格好の利益機会となるため(いわば、当局が「言い値」で買ってくれるため)、人民元の売り圧力はますます強まる(ただし、この段階では当局の人民元買い介入によって下落は阻止されている)
④ 通貨当局は、通貨介入に加え、短期金融市場の短期金利を引き上げる(投機筋は、人民元を短期金融市場で調達してそれを売却するため、人民元の売却コストを引き上げようと試みる)
⑤ これによって人民元安は一旦は止まるが、ほとぼりが冷めると、投機筋は再び通貨アタックを始める
⑥ 通貨当局は「根気負け」して、小幅な人民元切り下げで妥協する
⑦ 人民元切り下げによって、一旦は人民元安の動きは止まる(投機筋の利益確定の意味もある)が、味をしめた投機筋はしばらくたつと再び通貨アタックを始める
以下、①に戻り、このプロセスを繰り返す……。
通常の場合、通貨当局による、なし崩し的な人民元切り下げは、一連の通貨アタックでの投機筋の勝利を意味するものであり、これが実現すると、通貨当局はずるずると人民元を切り下げざるを得なくなる。
しかも、この状態が繰り返されるに従って、通貨アタックに参加する投機筋は増えてくることが想定される。そして、いよいよ外貨準備の枯渇が見えてきた段階で一気に大量の人民元売りを仕掛けられ、最終的に人民元が変動相場制に移行するというプロセスが、基本的な通貨投機による固定相場制崩壊のメカニズムである。
いまの中国人民元はそのプロセスの初期段階に位置するのではないか。
■中国関連市場の混乱はまだまだ続く
前述のように、2月15日の人民元レートの引き上げ措置は、中国当局が、投機筋による人民元売りに対して、毅然として態度を示し、通貨アタック拡大によるこれ以上のなし崩し的な人民元切り下げを回避しようとしたものと考えられる。
また、13日の中国経済誌『財新』のインタビューで、中国人民銀行の周小川総裁は、資本流出や外貨準備に対する懸念を否定し、人民元安が継続する根拠はないことを明言している。
だが、人民元レートの引き上げは事実上の金融引き締めを意味するため、国内経済にとっては強い逆風となりうる。国内経済のさらなる減速は、国内の富裕層の資本流出のインセンティブをさらに高めかねないため、この政策には整合性がない。
そのため、人民元安や資本流出を阻止しようとするならば、「資本取引規制」をかけるという手段もある。確かにこれは効果があるが、資本取引規制は、海外からの中国投資のリスクを著しく高めることになる。
中国の資本取引規制は、中国(主に企業だが)が海外で調達した外貨建債券の大幅下落を誘発し、債務の借り換えを困難にするリスクをもたらす。短期の対外債務の借り換えができなくなった場合、現段階では支払い可能であるが、新規の資金調達に支障をきたせば、中国国内の成長の大きな制約となり、今度は中国経済のハードランディングリスクを高めることになる。
このように考えると、通貨システムに関する国際協調(特に米中間での)がない限り、中国人民元に対する通貨アタックの流れと、最終的な帰結としての人民元の変動相場制への移行の流れは断続的に続くと考えざるを得ない。
また、米中での人民元レート安定化の協調を実現させるためには、米国に対し、何らかの妥協(例えば、東アジアでのプレゼンス後退など)を強いられる可能性が高いため、安全保障政策上、許容できないかもしれない。
以上より、中国人民元の切り下げ圧力は再び高まることが予想される。また、それにともなう中国関連市場の混乱はまだまだ続くと考えておいたほうがよいのではなかろうか。
---------
支那の変動相場への移行は、経済崩壊してもしなくても必ずやってくる問題だ。
起こった時に何が起こるか、だけが重要といえる。
もし、支那共産党当局が人民元の通貨防衛に資する現金が枯渇した場合、保有する債権の投げ売りをして現金を捻出することになる。
そうなると、この大量の売り債権自体がちょっと美味しいネタになってしまう。
そして支払いに窮すれば、自ずと支那に多大な投資していたEU、特にドイツが傾く。
支那の場合、実際の通貨レートよりもかなり高めに維持することで維持している。
FRBの緩和に合わせて人民元をたくさん刷った事でインフレに陥り、変動為替なら人民元安になって投資を呼びこむのには美味しい局面なのに、愚かにも高めに維持することでドル建てで見ると国力増大に見えるという張子の豚だ。
無限に刷れる人民元で世界中を買うことができるわけだから、我が世の春を謳歌し肥え太った赤い豚になったわけだ。
したがって全体としては人民元安圧力方向であり、無理して通貨高に維持しているという状態は、そのまま、ポンド危機などとも重なる事象なのである。
すべての条件は揃っている。
状況としてはいつ起こってもおかしくない人民元アタック、といえるのだ。
すでにチョロチョロ仕掛けられているようだが、実際の大きな仕掛けがいつになるのかは、支那当局の債権売などを見極めて起こるだろう。
保有外貨といっても多くは米国債などだ。
言うなれば、支那がズルして得た外貨をハイエナが貪り尽くしているようなものだ。
一連の仕掛けも全部、金融大戦争みたいなものだから、支那がどれだけ絞られるかだけがオチのような気がする。
ポイントとしては、これをきっかけに傾いているEUの角度が増して、それらが世界経済をさらに悪化させるだろうということ。
この反動が日本にも襲ってくるため、この支那の問題はなにげに目が離せないのである。
了
社会・政治問題 ブログランキングへ