為替介入の是非 | ヤモリのつぶやき

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 異常な円高を招いたのは先週の話だ。
 株価が下がり、中長期国債が伸び、長期国債がマイナス金利になるという歴史的な話だった。
 長期国債がマイナスというと、マイナス金利と混合しがちであるが全然関係ない。
 実態は日本の国債が人気ありすぎて品薄なのが原因だ。
 マイナス金利は単純にリーマン・ショックのケアのために日銀当座預金に本来つかないはずの金利を0.1%付利してたのを多くはゼロ、はみ出した30兆円ほどをゼロにしただけの話だ。
 これだけだと金融政策としてはちょっと弱い。
 
 そして、異常な円高を招いた理由が、ファンドの仕掛けによるものらしい。
 原油安と、EUや特亜の崩壊が囁かれる昨今、日本に資金が集まりやすいのは仕方ないとして、異常な円高に振れたのは策謀の一環なのだ。
 この辺りについて、高橋洋一氏がモロモロ解説してくれているので引用しよう。
 ↓↓↓↓
この円高はやっぱり異常!
ヘッジファンドを黙らせる「速攻の一手」を提示しよう 2016年02月15日(月) 高橋 洋一

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47911
■エコノミストを信じてはいけない
1月29日の日銀によるマイナス金利導入以降、株式市場と為替市場が乱高下している。
まず、はっきりさせておきたいのは、こうした市場の短期的な動きで、政策効果を考えるのは基本的に間違っている。政策効果は、GDPや雇用で計られるものであって、それらは半年~2年後あたりに効果が出てくるものだ。
株式市場と為替市場は、短期的にはランダムな動きをするので、それらの先行指標を見るにも短期で見ると方向性すら間違うこともしばしばだ。
ところが、世の中にはカネの強欲亡者が多く、そうした人は、GDPや雇用に関する数値にはまったく関心がなく、カネだけの成果をいち早く求めがちである。
また、そうしたカネの強欲亡者を相手に商売する金融市場関係者も、株式や為替市場の動きで政策を語ることがしばしばである。そうした人たちは、本来政策を語る資格がないが、そういう人物に限って、テレビなどのマスコミでは幅をきかせている。
というのは、金融機関が番組のスポンサーになっているので、その関係会社に属している市場関係者、エコノミストが登場するという仕組みができているからだ。金融機関の立場に立つ論者しかメディアには登場しない、といってもいいくらいだ。
筆者もしばしば株式や為替市場の話を求められるが、政策効果についてはGDPや雇用の話をするようにしている。株式や為替市場の短期予測は理論上もできるはずがないので、筆者はそうした株式や為替市場の短期予測をする人に対して「デタラメをいって商売している」という断言もしている。
これは、2013年のノーベル経済学賞を見てもわかる。米シカゴ大学のファーマ教授、米エール大学のシラー教授が資産価格の実証研究で受賞しているが、ファーマ教授は短期的な資産価格の予測は困難であると語っている(一方のシラー教授は3~5年先といった比較的長期の価格は予測可能なことを示している)。

■株価暴落の原因は明らか
筆者の分析は、政策の効果をGDPや雇用で計るものだが、それに至るまでの副産物として株価や為替も出てくるので、その範囲内で株価や為替について話すこともある。が、あくまでそれらは副産物である。筆者は株価や為替の話をするときも、絶対に短期予想はしない。
ところが、カネの強欲亡者は金融市場だけしか見ず、しかも時間概念も超短期なので、筆者の話を誤解・曲解する人が多く困ってしまう(笑)。
以上のことを前提としたうえで、ここ2週間の市場の動きについて話をしよう。
ご承知の通り、株価は大きく下げ、為替は大きく円高になっている。長期金利はマイナスにもなるほど下げている。これを、すべてマイナス金利のせいであると断定する輩もいるが、それはあまりに短絡的すぎる。
まず、株価については、昨年から世界で下がっている。1年前と比べると、日本▲19%、アメリカ▲12%、イギリス▲19%。なお、安倍政権発足直後の3年前と比べると、日本+32%、アメリカ+12%、イギリス▲11%と、日本のパフォーマンスはいい。




要するに、中国経済に懸念が出始めてから、世界の株価が怪しくなってきたのだ。中国経済は、その統計のデタラメさに根本原因があるので、なかなか出口が見えてこない。
そうした中国経済の問題は、本コラムでも、『衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている? データが語る「第二のリーマン・ショック」 2015.08.31』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44888)や『G20が認めた「危機の中国経済」 2015.09.07』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45145)などで書いたので、参照していただきたい。

次に為替である。
■投機筋に狙われている?
為替の動きは不可解だ。マイナス金利政策から想定される動きとは、まったく方向性も異なり、かつ変動幅も大きい。マイナス金利政策から、日米の金利差は円安方向にふれるはずだが、その方向とは逆の動きになっているのだ。
為替の短期的な動きはランダムであり、それを読むことは難しいといったが、ここ2週間の動きは、理論上想定される動きとまったく逆方向であるのみならず、その変動幅をとっても7%以上(2月1日1ドル121.3円が12日に112.35円と7.4%の円高)となっており、そのような大きな変動幅は1998年以来という、滅多にないものだ。
以下は、1971年の変動相場制以来の2週間の変動を統計分析したものだ。大半の場合、プライマイナス1%程度の変動しかない。しかも、どちらにふれるかは五分五分だ。これで筆者が短期の動きがランダムという意味がわかるだろう。





このデータから、2週間の変動幅が7%を超える確率は0.5%程度しかない。しかも、想定されるものと逆の動きになることはまずないともいえる。
しかし、実際に起こったわけである。それをどのように解釈するか。有力なのは、一部のファンドの仕掛けに市場全体がのってしまった可能性だ。
実際に、いくつかのヘッジファンドが投機的な仕掛けをしてきたのは事実のようだ。それで、短期的に逆方向の大きな変動になっていることは説明できるだろう。この点は、また後で述べよう。
第三に、長期のマイナス金利である。これは、今年1月4日の本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47244)に書いたように、いまは国債の品不足状態であるので、十分にあり得る話だ。金融機関が品不足の国債を競って購入するために、高値になって、マイナス金利になるからだ。欧州でも、ドイツでは国債の品不足から、しばしばマイナス金利が見られる。
以上、ここ2週間の株安、円高、長期マイナス金利について見ると、株安は中国経済低迷の影響を昨年から引きずっている。そこに、為替の売り仕掛けで円高になって、さらに株価が下げているということだろう。長期マイナス金利については、国債の品不足を背景として考えれば、十分にあり得る話だ。

■市場に負けない介入が可能なはずなのだが…
こうした状況において、筆者としてまったく解せないのは、為替で投機的な仕掛けをかけられているにもかかわらず、為替当局が大規模な為替介入を行っていないことだ。
18年間も発生していないくらいの大規模な、しかも理論上と逆方向の為替の動きであれば、為替介入するのが当たり前だ。
しかも、円高に向かうなかで、為替当局としては、為券(国債)を発行してドル債を購入すればいいので、青天井で実施できる。普通に考えれば、市場に負けない介入が可能なはずである。
逆にいえば、ここ2週間、為替当局はボケーと市場を注視していただけということで、まったく情けない限りだ。ちょっと表現がきついかもしれないが、まったく無能な為替当局である。そうした無能な通貨当局だったので、ヘッジファンドも安心して仕掛けることができたともいえる。
この時点で、為替介入は為替の観点からだけでなく、国債の品不足を補うという観点でも正当化できる。ただですら、国債の品不足になっているのだから、介入資金調達のために国債を発行することは、恵みの雨ともいえるのである。
またこのとき、日銀は発行された国債を購入することで、さらに量的緩和を補強することができる(いわゆる非不胎化unsterilized)。
実際のところ、為替介入には直接的な効果はないといわれているが、非不胎化であれば、円安効果が実際にある。かつて小泉政権下では「溝口介入」といわれる介入が行われた。投機筋に狙われ03年末から急速に円高が進んだ際、04年初頭から為替当局が1日1兆円といわれる介入に乗り出した。
このとき、発行した為券の半額を日銀が購入して非不胎化したので、円安になった経緯もある(この溝口介入の舞台裏については、拙著『日本経済のウソ』ちくま新書、を参照されたい)。
為替介入+日銀為券購入という手は、国会開催中でも行える政策である。一部のヘッジファンドに仕掛けられたのだから、その「倍返し」が必要だろう。この種の対策は、緊急を要するので、速攻で行うべきだ。

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ヘッジファンドに“倍返し”せよ 異常円高に為替介入で対抗を 2016.02.19
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160219/dms1602190830005-n1.htm
 2月上旬、為替市場が大きく変動し円高になった。具体的には、2月1日に1ドル=121円30銭だったのが12日に112円35銭と7・4%の円高だ。
 この2週間の動きは、完全にランダム(不規則)である。1971年の変動相場制導入以来、1万日以上の日次データの2週間における変動を統計分析すると、平均マイナス0・1、標準偏差2・0の分布である。これは、大雑把に言えば、2週間の変動がプラスマイナス2%以内、4%以内、6%以内である確率はそれぞれ68%、95%、99・7%ということを意味している。
 ということは、今回のように2週間で7・4%も変動することはほとんどあり得ないことである。実際、過去のデータでも、2000年以降、まったくみられていない現象である。
 しかも、今回は円高である。1月29日に発表された日銀のマイナス金利は、金融緩和策なので、理屈上は円安の方向である。それが、反対の円高に振れ、しかも、ほぼあり得ない程度の大きさとなった。
 この状況の解説として有力なのは、一部のファンドの仕掛けに市場全体が乗ってしまった可能性があると、筆者はみている。
 筆者としてまったく解せないのは、為替で投機的な仕掛けを受けているにもかかわらず、財務省が大規模な為替介入を行っていないことだ。
 はっきりいえば、このような大きな変動の時に、為替介入で市場に冷や水をかけて、冷静さを取り戻すように仕向けるのは、財務省の役割であり、職務怠慢と言われても仕方がない。こうしたときに為替介入をしないのなら、財務省が外国為替資金特別会計を持ち、介入権限を有している意味がない。
 小泉純一郎政権当時、投機筋に狙われ03年末から急速に円高が進んだ際、財務省は04年初頭から1日1兆円といわれる大規模介入に乗り出した。財務官だった溝口善兵衛氏の名前を取って「溝口介入」と呼ばれた。
 このとき、発行した政府短期証券(為券、短期国債の一種)の半額を日銀が購入して非不胎化(通貨量の変化を相殺しないこと)したので円安になった経緯もある。この経緯には、筆者も絡んでいたが、そのときの感覚からいえば、今の財務省の能力に疑問を感じざるを得ない。
 この事例からわかるように、為替介入には直接的な持続効果はないが、非不胎化であれば、円安効果がある。
 さらに重要なのが、為替介入と日銀による為券購入という手は、国会開催中でも行える政策だということだ。新たな国債の発行は国会議決を要するため、予算案を審議中の国会ではできない。しかし、為券については15年度予算で、すでに195兆円発行できると書かれている(特別会計予算総則第8条)。今の段階で、これを利用しない手はない。
 最近は、市場で国債が品不足になっているので、国債のマイナス金利も生じている状況だ。為替介入資金調達のために為券(国債)を発行することは、恵みの雨ともいえるのである。
 一部のヘッジファンドに仕掛けられたのだから、その「倍返し」が必要で、速攻で行うべきだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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 あれ?為替介入は禁止ではなかったっけ?と思う方もおられよう。
 人為的為替介入はよろしくないというのが世界の趨勢であり、年中為替介入している特亜が白い目で見られているのは有名な話だ。
 ↓↓↓↓↓↓
日本銀行における外国為替市場介入事務の概要
https://www.boj.or.jp/intl_finance/outline/expkainyu.htm/
外国為替平衡操作
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E7%82%BA%E6%9B%BF%E5%B9%B3%E8%A1%A1%E6%93%8D%E4%BD%9C

 wiki側をみてもらうと面白いんだが、為替介入したのはほとんど自民政権以外だ。
 そして、一般的な経済政策を行っていれば為替は維持できて介入の必要が無い。
 自民政権以外で介入が多発したのは政策をきちんとしていない為だ。為券だけに。

 高橋氏が訴えているのは、今回の円高がヘッジファンドの攻撃によるものだから防衛しないとダメだ、という話なのだ。
 また、この防衛に際し、政府で債権を発行してそれを日品が買い取るスタイル(不胎化)であれば、金融緩和も可能で一石二鳥だよね、ということ。
 そしてその為に、為替課と外国為替資金特別会計があるんじゃないのか?というわけだ。

 しかし、だ。
 近年では為替介入はあまり行われない方向になっている。
 禁止ではないのだが、露骨な政府介入は避ける方向、なのだ。
 さりとて、投機筋による仕掛けで起きた場合は防衛しなければならない。
 実際のところ、どのあたりをボーダーにして介入を行うのかが肝になる。
 ところが、そのボーダーを読まれるとさらに仕掛けをされてしまう。
 そういったこともあって神経質な動きが続くようだ。

すでに為替介入? 不自然な円安…市場ピリピリ 2016.2.12
http://www.sankei.com/politics/news/160212/plt1602120073-n1.html
 政府・日銀が、円の急騰を阻止するため、市場介入に踏み切ったとする観測が国内外の金融市場で急速に広がり始めている。11日の欧米外国為替市場で円相場の不自然な値下がりが進んだためで、日銀が大量の円を売って、ドルを買い円安に誘導したとする見方が広がった。市場では「政府・日銀がどこまで円高を容認するか」を注視しており、神経質な値動きが続きそうだ。
 麻生太郎財務相は12日の閣議後記者会見で、足元の円の急騰に関し「必要に応じて適切に対応していく」と述べた。日銀の黒田東彦総裁も同日の衆院財務金融委員会で、物価への影響を注視した上で、必要な対応をとる考えを示し、為替介入の可能性もにおわせた。
 既に欧米の外国為替市場では日本政府・日銀が介入に踏み切ったとする見方も浮上する。きっかけは11日の欧米外国為替市場。円相場が一時1ドル=110円台に急伸した後、一転して2円程度値を下げたためだ。 介入の有無について、麻生氏と菅義偉官房長官は12日の会見で「コメントは控える」と述べるにとどめ、否定も肯定もしなかった。
 日本の介入で直接的に相場を円安ドル高方向に動かしたとなれば、ドル高で企業収益が悪化している米国の心証を害しかねない。日本政府として表だって動きにくい事情を抱えることから、市場では、介入事実を表明しない「覆面介入」もささやかれるなど、疑心暗鬼が広がり始めている。
 とはいえ、介入を実施したのであれば、もっと円安が進んでもおかしくない状況だっただけに、実施を疑問視する声も根強い。市場関係者の間では、今後、政府・日銀が、大規模な円売り・ドル買い介入に踏み切る水準について「1ドル=110円割れが一つの節目になる」(第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミスト)との見方が広がる。
 政府・日銀は、海外市場で円相場が1ドル=75円32銭をつけ、戦後最高値を更新した平成23年10月末に、大規模な円売り・ドル買い介入を実施した。その結果、一時3円以上の円安が進むなど、瞬間的ながら介入の効果を生んだ。(今井裕治)

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 介入タイミングがわかればハゲタカ投機筋に狙われる。ワロス曲線がいい例だ。
 しかも介入効果はあまり高くない。
 しかし不胎化であれば円安効果がある、というのが実態ということだ。
 
 実際のところで言えば、現状の数字の動きでは動かないだろう。
 動いたとしてもあまり大きなものではないと思われる。
 というのは120円超は少し円安すぎるきらいがあるからだ。
 また、ラッキーなこの動きに際して、機敏に動けるほど財務省が気が利いているとも思えない。

 なぜラッキーかといえば、金融緩和で結果的に起こった円安のマイナス面を考慮すると、あまり大きな円安方向の動きはとれない中で、円高に動いたというのは追加で緩和可能(=不胎化)なのだ。
 為替で言えば、購買力平価よりちょっと円安なくらいが丁度いいから、今くらいの数字は最適でもある。
 緩和を取るか為替バランスをとるか、で、為替バランスを取った、という言い方もできよう。
 高橋氏から言えば、投機筋に対抗しないのはおかしい、わけで、なんとも難しいのだ。
 
 実際に介入が行われたかどうかはその内に財務省の発表で明らかになろう。
 いずれにせよ、短期的で激しい動きに一喜一憂しても仕方がない。
 全体のトレンド方向を注視するのが重要だろう。
 
 了




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