【本】『私は私。母は母。〜あなたを苦しめる母親から自由になる本』母はなぜ葛藤しないのか。 | 思考も部屋も行動も! スッキリ楽に暮らしたい♪

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片づけが苦手なADHD傾向がある主婦の、部屋も思考も時間も行動もスッキリ楽に快適生活を目指す、記録ブログです。
思ったことを徒然に書きつつ、大切なものを大事にして、楽に自由に生きたいなあと思ってます。



 タイトルから、苦しいなあと思う本です。

 これもKindle版の割引対象になっているときに購入しました。

 Amazonの内容紹介には、以下のように書かれています。
 
  母との関係に苦しみ、悩む娘は少なくありません。
  でも、所詮、母はああいう人。
  母を変えようと苦悩するより、うまく距離をとることで、あなた自身の人生を幸せに生きていいのです。
  母にも苦悩する娘として生きた時代があったということを理解しても、あなたが同じように苦しむ必要はありません。
  実際によく見られる葛藤する母娘のエピソードを題材に、娘が母から解放され、
  自分の幸せをつかむための具体的な方法を紹介した、苦悩する娘の背中を後押ししてくれる1冊。


 多聞に漏れず、私も母との関係に悩んできた一人です。
 そして、その原因は母にあると思ってきた一人です。

 だから、この本には母のような人間が例として取り上げられていて、それにどう対処していけばいいのか、どう考えて割り切ればいいのか教えてくれるだろうと期待して読みました。

 その期待についていえば、期待外れでした。

 6組の母娘が出てきますが、「ああ、これが私のパターンと同じだ」と思える母娘はいませんでした。
 私自身が自分と母の関係について思い入れが強いせいで、多分似ているタイプについて「これだ」と受け入れられなかったということはあると思います。

 「ああ、こういう母親いそうだな」という母親がたくさん出てきました。

 娘に心配かけずにすべてを自分で背負う母。
 娘と友達のように仲が良く、そのまま年を取るごとに依存度が強くなる母。
 娘が子供のころから、すべてを娘に頼る母。
 言うことが気分によって矛盾だらけで口うるさい母。
 仕事に生きて、娘のことを気にかけていないように見える母。
 自分が手にできない「地位や名誉」を夫や子供に求め続ける母。

 これらの母を、最初は慕い、気遣い、尊敬していた娘が、思春期に入るにつれ徐々に疎ましく感じるようになり、疎ましく思うことを苦しく思い、身動きが取れなくなっていく様子はとてもよくわかるものでした。

 私も何度かブログで書いていますが、ここでまず語られることは、

  母を嫌っているという自分の感情を認めない限り、いつまでも母の呪縛から逃れられない。

 ということです。

  どんな親でも「捨ててもよい」とは言ってもらえない。

  それでも自分の気持ちを正直に認めることから、母娘葛藤から逃れる一歩が始まる。

 そう書かれています。
 これはとても納得できます。

 実際に捨てる必要はなくても、自分が母親にどういう感情を抱いているのか、
 「こうしてはいけない、こんな思いは娘として人間としてダメだ」というのではなく、
 ただ、自分はどういう風に感じているのか、ということをただそのまま感じることは必要だと思います。

 でないといつまでたっても、スタート地点に立てないんだろうな、と。

 そういう意味では、具体的なエピソードは私に合致するものはなかったし、上記のことは理解しているので、期待外れではありました。

 ただ、読み進めるにしたがって、何故「母と娘の間に問題が起こるのか」「母と娘がうまく行かなくなるのか」「母と娘の間に(娘側に)葛藤が起こるのか」「母と息子の間に問題が起こりにくいのか」というところに話が変わっていきます。

 このあたりが、私にとっては新たな視点となり、とても興味深かったです。

 まず、何故母親と娘の間の問題は、娘側に葛藤が起こるのか。

 相談室で、母親から「娘との関係が苦しい」という相談は、ないそうです。
 娘から「母との関係が苦しい」という相談は沢山あっても。

 「母に対して嫌悪感がある」、「母に腹が立って仕方ない」という
 母に対する否定的な気持ちを持て余しての相談もあれば、

 「母が自分のことを認めてくない」、「期待に応えられない」という
 母の理解を求める相談もあれば、

 「母に受け入れてほしい」、「きょうだいと比較しないでほしい」、「愛してほしい」という
 母の愛を求める相談もあれば、
 
 「母とどう付き合えばいいかわからない」、「母が理解できない」という途方に暮れた相談もある。

 なぜ母が、こういう相談をしないのか、というと、

 母娘の両者の関係では、母の側が権力者

 だからである、と書かれています。

 権力者は苦しまない。苦しむのは権力を持たない側である。

 母親の多くは、娘を変えるにはどうしたらいいかを考えている。
 どのような状態になっても「娘を何とかする」という発想からはなかなか抜けられない。

 この説明は、とても納得がいきました。

 私が母となり、子どもを見た時に考えることは、やはり「子供を何とかするにはどうしたらいいか」なのです。
 すごく普通に。自然に。
 これが子供が成長したとしても、すべて消えてなくなるだろうとは、今のところ言えないというのが本音でした。

 だからこそ、

 娘の母娘葛藤の原因は母の側にある。
 苦しさを感じた娘の側から、アクションを起こすしかない。
 娘自身が母との関係の持ちようを変えていくしかないのである。

 どのようなアクションを起こすのかは、上記に上げた母親のパターンによって事例が書かれています。
 

 こういう訴えをする母娘関係の問題を抱えた女性に共通に見られる傾向として、

 自己尊重感の乏しさ、自信のなさ、自己主張は自己決定の出来なさ、完璧主義、人間不信などがあげられる。

 とあります。
 確かに、そうだなとも思います。
 が、傾向はあるにしろ、一概に母娘間の問題だけかどうかはわからないなとも思いました。


 長くなったので、母と娘の間に何故問題が起こるのか(息子との間に起こる問題と種類が異なるのか)等については、次の記事にしたいと思います。