腎臓内科での実習中です。

本日は心電図と心エコーの実習をした後、教授に対して患者に関するプレゼンという内容でした。

教授から痛恨の一撃を受け続けて、あやうくもう少しでHPが切れてゲームオーバーになるところでした。

教授の指摘はあまりに的を得ていて、こちらはタジタジで、困ることしかできないくらいでした。


「透析」ってご存知でしょうか?

血液を自分自身で浄化することができなくなった腎不全患者に対して、機械で血液の浄化をしてあげることです。

週に3回ほど、1回3~4時間、ベッドに横になって、腕に2箇所針をさして、血液を抜いて機械を通して、再び血管に戻すという作業をするものです。

残念なことに、透析患者は年々増加いています。

透析になる一番多い理由は糖尿病です。

糖尿病腎症という病気で、腎臓の働きが落ちてしまうものです。

糖尿病はおしっこに糖が混ざるだけの病気だと思っている人が多いです。

でも、糖尿病の本質は、体全体の血管がボロボロになる血管炎的な病気の側面ももちます。

毛細血管が腎臓で破綻すれば糖尿病腎症だし、網膜で破綻すれば糖尿病性網膜症で、失明理由第一は糖尿病です。

それだけ糖尿病は、私達の体を確実に蝕んでいくものです。


透析になっても、週3回行けばいいだけ、って思っている人も多い。

ひとりの患者を1年間透析をするのに、いくらかかるか知っていますか?

なんと、ひとりあたり500万円です。

全国に30万人近くの透析患者がいる。

ということは、なんと年間1.5兆円も、透析患者の生存のために、税金が使われていることになります。


1兆円の価値って、どれだけかというと・・・

北陸新幹線が長野から金沢まで先行開業して、のちに金沢から大阪までつながる予定ですが、この北陸新幹線の全区間建設費が、約1兆円です。

なんと、透析患者の生存させるためだけに、毎年北陸新幹線を作っているのと同じことをしているのです。



海外では、日本のように透析が一般化していません。

したがって、腎不全になれば、それは死を意味する国が普通なのです。

日本では、幸福か不幸か、透析で生存できてしまいます。

その反面、透析患者は生活が束縛されます。

また、国としても多大な予算が必要なことと、透析患者は身体障害者となるため、税金などの面で優遇するため、彼らを生かすことだけでそれ以上の負担をしているのです。



腎臓内科の先生も言っていましたが、透析で人を救うことが本当にいいことなのか。と・・・

例えば、1兆円の負担を、生活保護にまわしたら、経済苦を理由にした自殺者数が減るかもしれない。

透析って、結局のところ、根治治療ではなく、とりあえずの処置といったところです。

震災になれば透析を求めてウロウロするし、食事や運動は制限されて労働はできないし、遠出もできない。


透析じたいは悪くない。

でも、それを適用するかどうかの判断が大切となる。



親が透析が必要となったとき、家族は必ず透析してくれ、という。


先生が、「透析はしない!このまま最期をみとってあげる」という選択肢を強く推奨するのも、腎臓内科の仕事とおっしゃっていた。


人はいつか必ず死ぬ。

透析という技術があるばっかりに、それにすがって、命を少しでも伸ばそうとする。

でも、その自分勝手な判断が、医療者や医療費負担を圧迫している。


透析が必要なまでに腎機能が崩壊したということは、人として50%は死んでいる、と考えてもいいかもしれない。

たまたま日本に生まれたから、透析できちゃって、命が延ばされているだけなのだ。


本来なら、まもなく、尿毒症で死んでしまうのが、世の中の一般である。