今日の主な実習内容は、血液検査の詳細についてだった。

医師は血液検査のデータから、数多くの有力な情報を得る。

一言で血液検査といっても、非常に多岐にわたる検査が行われている。

どこの血液を採取したのか、どの時間に採取したのか、空腹か食後か、といった違いが、ダイレクトに血液検査に反映される。

医師はどんなデータが必要かで血液検体を採取する環境を決める。


また、末梢静脈血や毛細血管であれば看護師でも採血できるが、中心静脈血などの中枢に近い静脈への穿刺や、動脈血管への穿刺は、医師にしかできない医療行為となる。


採取された血液を、ただ検査部に提出すれば検査してくれるわけではない。

メニューがいっぱいある。

有名なものとしては、血算である。

赤血球、リンパ球、好中球、血小板みたいな、血液のなかの主に血球成分の数を数えてくれるものだ。

ほかにも、凝固系とか、免疫系とか、腫瘍マーカーとか、生化学とか、いろいろあるのだ。


よく採血されるときに、針が刺さったまま、医療者が試験管みたいな入れ物を交換しながら、何本もとっているのを経験したこともあるだろう。

あれは、血算用の試験管、凝固系の試験管、みたいに、どの血液検査をするかで、試験管も違うからなのだ。

試験管の中にもともと入っている薬品も違っているため、ひとつの管にまとめていれてから、あとで移し変えるということができないし、できるだけ医療廃棄物は少なくしたいとか、医療者の針刺事故の防止などの観点から、以上のようなことが行われている。



で、今日は、月曜にお互いに採血しあった自分の血液を使って、生化学と免疫系について検査部からレクチャーを受けた。

自分自身の血液データをみるのってドキドキしますねー。

なかでもヘモグロビンA1Cという、糖尿病の判断目安になる値があるのですが、けっこうドキドキして結果をみました。

7を上回ると危ない!というものですが、いちおクリアしていました。



そのあと、検査部の人から、なにか希望の検査があれば、やってみましょう。

ということになって、腫瘍マーカーをひとり2つまで計測していただけることになりました。

そうだなー、って班員みんなで、何をオーダーするか悩みましたねー。

私は、男ならやっぱり前立腺がんが怖い!っていうことで、PSA。

あとは、腺癌か扁平上皮癌で迷って、結局扁平上皮に決め手、SCC。

オーダーしたあとになって、PSAって、もし陽性になったら、ほぼアウトじゃん!って後悔。

SCCとかは、他の要因でもけっこう値が出てしまうので、参考程度の値ですが、PSAってかなり特異的な値なので、これがでたら、いっぺんしっかり泌尿器で検査したほうがいいっていうぐらいです。

後悔しつつも、出てきた値は1以下でした。

授業でも4以上だと疑いありなので精密検査となるので、ほっとしたましねー。



で、HIVの検査キットもありますよー。みたいな話になって・・・

みんなノリで、検査キットをやってみることになりました。

血清をたらして15分間待つタイプです。

市販の妊娠検査薬みたいなやつで、抗原と抗体のラインがでてくるタイプです。

抗原にでたら、まさに自分の血液中にHIVがいるらしいということ。

抗体にでたら、感染してからしばらくたっているとか、感染した過去があるとかです。


みんな、実は内心でドキドキしながら、15分を待っていましたね。

検査部の講師の方が、本当は同意書をとってやるんですが、みなさんは医療者で自分自身で自分自身を教育目的で指導者のもとで検査するということで、と・・・

でたらどうしよう、ってみんなおびえた15分でしたね。


みんなで、結果はみんな心の中にとめておこう、って確認しあってしまいましたよ。


結局、みんな陰性でほっとしました。



そのあと、結果の出た検査キットを持って、みんなで写メを撮りあいましたね。

私、HIV陰性でーす、みたいな…



医学科では、自分自身の血液を使って、こんな実習もやるっていうことです。

悪いことすると、すぐにばれちゃいますねー。