ハンバーグ大好きなけんちゃんの夢追いブログ-黒体輻射

ハンバーグ大好きなけんちゃんの夢追いブログ-黒体輻射2
量子論として考えるという意味が把握しにくいかもしれない。
そこで、量子論の世界に誘っていく。

量子論の幕開けとなったきっかけと言われるのは「黒体輻射」と呼ばれる現象だ。
物質を熱すると、摂氏数百度でほんのり赤くなり、数千度で太陽のように黄色っぽい白となり、さらに高温にすると青白く輝く。
この現象を熱輻射という。
ウィーン(wien)は、輻射光の振動数に対するエネルギー分布(スペクトル)を、真っ暗な空洞に開けた小さな穴(黒体と呼ぶ)から輻射される光(黒体輻射とか空洞輻射と呼ぶ)について測定した。
その結果が添付図に示したものだ。

ウィーンはこの現象を説明するために、ウィーンの熱輻射式を提唱した。
しかし残念なことに、ウィーンの式は振動数の大きなとき、すなわち青い光のときはよく説明できたが、振動数の小さな赤い光のときは外れていた。

その後、レイリー・ジーンズが同様に熱輻射の式を提唱した。
これまた残念なことに、今度は逆に赤い光のときはOKだが、青い光のときは外れていた。

よって、いずれの式でも全ての振動数νについて黒体輻射を説明することができなかった。
そこでプランクは、ウィーンの式から1を引くと、結果を非常によく説明できることを知り、1900年に光量子仮説をもとにして、プランクの熱輻射式を発表した。
以上の3人の式の結果がどのようであったかは、添付図に示す。

このプランクが利用した光量子仮説が何かと言えば、あの物理学の英雄が登場することとなり。
そうです、若き日のアインシュタイン。
彼は「光は波ではなく、プランク定数hと振動数νをかけたエネルギーを持つ粒として考えればいい」と主張した。
彼は光の粒を「光量子(こうりょうし)」と呼び、光を粒と考える「光量子仮説」を唱えた。

かみ砕いて説明すると、光の持つエネルギーは、プランク定数hをある定数として、hνの整数倍(0、hν、2hν、…)しか許されないというものだ。

ここで、飛び飛びの値(離散値)しかとらないという概念が生じてきたことに気付いてもらいたい。
これは古典論 (ニュートン力学とマクスウェルの電磁気学)ではどうにも説明することができないことなのです。
空洞は周囲の壁(熱溜)との間で、時々刻々エネルギーのやり取りをしているが、 平均的には「与える(奪われる)」量と「受け取る(供給される)」量とが等しくなっており、平衡を保っている。
しかし、瞬間的には常に外部環境との間で熱は行ったり来たりしているので、空洞内の放射のエネルギーは常にゆらいでいる。
そのゆらぎはhνを単位として、その整数倍となっているはずです。
つまりhνというきまった単位の光が空洞の壁から瞬間的に出たり入ったりしているわけと解釈できるわけだ。
このような有限のエネルギーが瞬間的に移動するということは古典論ではあり得ません。 したがって、プランクのエネルギー量子の考え方は古典論では説明できません。
1905年、アインシュタインは、「光は粒子のようにつぶつぶになって空間内に存在している」 という、光量子仮説を提案するに至ったわけでございます。


古典論で黒体放射を説明しようとしたが、ことごとく失敗した。
そこで光は粒であると仮設した時に、この現象を巧みに説明することができた。
このように小さな粒としてものごとを考えるとき、この小さな粒を量子と呼ぶわけだ。
量子が介在している以上、1個、2個という有限な飛び飛びの数(離散数)であり、1.5個とか0.7個とか連続的な値は取りえない(連続ではない)わけだ。

これで量子論が離散的でなくてはならない感覚がおぼろげにつかめてきたでしょうか。



難しい話ばかりだと退屈なので余談。
夜空を眺めた時に、青白く瞬く星と、赤っぽい星があります。
このとき、どちらが高温(星の表面温度が高い)でしょうか?
ウィーンの結果からわかるように、正解はもちろん青白い星ですね。
太陽は赤い星ですから、恒星の中では比較的低温に属する星ということになりますね。

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