人間の歌ブルース | 週刊 ブルース商会

人間の歌ブルース

 

こんにちは。保村大和です。

 

いま稽古中の舞台『キルデンダイクの四兄弟』は、決してミュージカルの分類に入る作品ではないと思うのですが、歌が重要な要素になっています。そもそも歌は人間の営みに欠かせない重要な要素なので、人間の営みを描く演劇作品にとって重要な要素になることは必然だし、仮に、歌の全く入っていない演劇作品でも、「人間は歌を歌う」ということを前提として描かれていると言っても過言ではありません(ちょっと過言です)。

昔、ある舞台で合唱指導をしてくださった先生が、「人間は太古の昔から、かなり高度な合唱技術を持っていて、狩りに向かうときや帰ってくるとき、男たちは何パートにも分かれてコーラスしてたんだ。和音のほうが遠くまで届くから、待っている女たちへの合図にもなるしね」と言っておられました。僕は、そんな昔のことをどうやって調べたんだろうと思いましたが、とにかく、人間の歴史は、歌の歴史であるようです。

ちなみに、究極の選択で、音楽(楽器の演奏や歌うこと)を、自分では出来るけど、他人のは聴けないのと、他人のは聴けるけど自分では出来ないの、今後どちらかしかしてはいけないと言われたらどっちを選びますかと誰かに聞かれたとき、僕は迷わず(でも苦肉ですよ)前者を選びましたが、でも、ルチアーノ・パバロッティとジェームス・ブラウンの魂の競演『It´s  A Man´s World』がYoutubeで見られなくなるのは困るなぁ。

あれこそ人間。あれこそ歌です。